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第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー22話

2022-11-15 11:38:12 | 第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー


由子と会った次の日、直也を両親は車で送って行こうと考えているみたいでしたが直也は両親に言います。
「一人で行きたいから、電車賃だけほしいんだけど」
直也は黙って手を出し電車賃をもらい一人電車に乗り親戚の家に向かいます。地元の駅は歩いて15分ほどのところにありました。歩いている途中よく遊んだ四階建てのデパートがあり時間はまだあるのでデパートの階段を上り屋上へ行くと小学校の時の屋上ではなくイベントもない静かな場所になっていました。直也が中学に入ると、もうそこは何もない屋上になっていた。時が過ぎると景色が変わっていくことに悲しい気持ちがわいてきます。駅の片道切符を買い改札口を通ると振り返る直也です。振り向くと、きっと色々な場所が懐かしい風景になるのだろうと直也は思いました。再びこの地元へ戻ることがあるときは全てが懐かしく思えるに違いありません。電車を待っている間には駅のホームには極数人しかいませんでした。
一時間に一本の電車、もっと昔は一時間に5本の電車があったはず電車の中にのると電車の中の匂(にお)いは色々ありました。今までに嗅いだことのない別な世界の匂いというものを直也は感じています。2時間の間では列車と列車の間の通路口に立ち窓の外を眺めて考えることは由子や仲間たちとの別れることの辛さでした。窓の外の風景は数駅ごとに変わっていきます。田んぼ、畑、河川、町並み、団地密集地、踏み切りで待つ車と人並み。地元での約15年間のことを忘れられると思えば思うほど忘れることができません。風景がかわるごとに出会いと別れ、仲間たち、久美子、由子、様々なできごとを思い出します。これから向かう場所は、この世を永遠に去ってしまった従兄弟の春樹の世界です。いったい何が待っているのか。一人っ子の春樹の両親の家へと向かいます。各駅ごとに、電車から降りる人、乗ってくる人、席を移動する人が目につきます。気を紛らわすのに様々な人間模様を電車の中で見つめています。直也の心にあるのは歪んだ怒りと憎しみが強かったが歪ん自分の心を知るのは先の話になります。席があいていても直也はその場から動こうとはしません。電車は徐々に都会に近づいていきます。あと3つの駅あたりから電車から降りる人、乗る人がザワザワと多くなってきました。そのザワザワした音の中に久美子に似た声で囁くような声があります。
「たすけて、おねがい、たすけて」と直也は久美子の声のような聞こえた気がしました。
どこから聞こえてくるのか直也は周囲を見回します。電車の出入り口で3人の男性にからかわれてる女性の姿を見つけます。直也は無視しようとしたが、その女性と顔をあわせてしまったのです。
「たすけてやるか」と直也は心の中で思いました。
目の前にいる女性また男性は直也とそんなにかわらなそうな4人でした。直也は電車に揺られながら、ゆっくりその場所へ向かいます。向かっている途中で宇治木大地の言葉を思い出します。自分と同じ道を歩かないで欲しいと。4人の場所に近づくと直也は声をかけます。
「よぉ、何してるんだぁ」
直也は左手で男性一人の首を絞め他の2人をにらみつけます。
「通路口にいけ、早くいけ!」とその女性に直也は声をかけます。低い姿勢をとりながら、その女性は直也に言われたとおりに電車の中の列車通路口に向かいました。直也は覚めた目で一人の首を片手で締め上げていきます。
「わかった、わかったよ、悪かったよ」
男性2人は直也に声をかけてきますが直也はその手を離さずに首を絞めてる男性の耳元でささやきます。
「また今度会うときがあれば誰かが死ぬかもしれないからねー」
3人の男性は、おどおどしながら、その姿をみた直也は苦笑いして絞めていた手を離します。そのとき電車のドアが開き1人を蹴り上げドアの外へ蹴り上げたと同時に他の2人も駅のホームへ飛び出て行きました。ドアが閉まり電車が動き出すと直也は周囲の視線をあびながら女性のところへいきます。脅える女性の前で直也は笑顔で声をかけます。
「大丈夫?何かされたの?怪我はなさそうだね、もう大丈夫でしょ、ねっ」
その言葉で、脅えていた女性の震えも止まり、直也に声をかけてきます。
「うん、ありがとう」
「俺は大島直也、きみは?」
「私は須藤典子、左手赤くなってるけど大丈夫?冷やさないと。喧嘩強いんだね」
「あぁ、大丈夫。このぐらいならすぐなおるから、それに喧嘩した覚えはないよ」
「喧嘩じゃないの?」
「んー、首を締め上げただけ」
「えっ?」
「君は、どこの学校?」
電車で揺られながら、しばらく会話をしてる2人でした。話をしてるうちに気分も楽になったのか、その彼女は話をはじめます。直也は良く話す女だなと思っていました。話をする中で彼女は高校一年生であることを知る直也でした。
「俺も、一年生なんだけど」
「そうなの?一年生に見えないけど」
「どうして?」
「身長高いし、大人っぽいし」
それからは高校生どうしの会話になって彼女はほっとしていました。
「良くしゃべるほうなの?」と直也は彼女に聞きます。
「しゃべりすぎてるの、わたし?気にさわった?大島ー直也君」
「いいや、そうでもないよ、須藤典子さん」
2人で笑い話をしながら同じ駅で降りました。


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