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第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー23話

2022-11-19 12:10:01 | 第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー


電車から降りた2人はホームを歩いていきますが典子は直也の後ろを歩いています。駅の改札口を出た切符売り場のところで直也と典子は、しばらく話をしています。
「どこに行くの、一人だから、待ち合わせ? 高校はどこなの?」
典子は直也にしつこいくらいに声をかける姿は目の前に久美子がいるような感じを受けます。直也は、これまで色々な出会いがあったが典子との偶然な出会い方は初めてでした。中学の時は友達が友達を呼ぶように繋がりがあり仲間となっていたのです。直也と典子は会話の中で、お互いのことを知りたがるようになります。
「この辺の学校だよ。君はどこ?この辺のこと何も知らないんだ」
直也は聞かれたからとりあえず地元に詳しい典子に聞きます。
「私は、尊王寺学園なんだけど、この周辺には、松陰高等学校と崔高等学校の三つの高校があるよ、三つの学校のどれかだね」
典子は直也の高校が気になっていました。
「フッ、ハハハ、こんなとこで同じ学校の高校生と会うと思わなかったよ」
直也は笑顔で笑いながら典子に答えます。典子は偶然なのか同じ学校であることに驚いた表情で瞬きをしながら直也の顔を見つめていました。
「同じ高校だったんだね、学年も一緒だし、よろしくね」
「あぁ、よろしくな!ところでなぁ、どんどん屋っていう、ラーメン屋知ってる?」
「ふーん、そこにいくの?にんにくチャーシューラーメン出してる店だね、知ってるよ、案内してあげる、助けてくれたお礼にね、チャーシューラーメンも食べたいしね」
「俺がおごるよ」
直也は、なぜ典子が知っているのか、それなりに有名なラーメン屋なのかと思っていました。典子の素直な話し方や素振り笑顔が懐かしく感じる直也です。直也は典子の案内によって店に向かう途中に久美子のことを思い出していました。「須藤典子」と「市原久美子」が何となく同じような性格のように見え久美子が傍にいるような感じを受けていました。典子は仲が良かった春樹のような感じのする直也が不思議に思え直也の首から下げているアクセサリーが気になっていたのです。春樹が生きていた頃に春樹だけがアクセサリーを首から下げ、典子は春樹のドレードマークのように思っていたのです。春樹と典子は小さい頃からの幼友達で直也と久美子との関係に近いものがあったようです。
典子は直也に声をかけてきました。
「あのね、ちょっと聞いてもいい?」
「あぁ、なに?」
「その首からさげているものは何?珍しいからさ」
直也は、そのドリームキャッチャーを手で握りしめて典子に言います。
「これは、お守りなんだ、忘れちゃいけないお守りなんだよね」
典子は直也がドリームキャッチャーを握りしめ、立ち止まる姿をみています。過去に伝説をつくった中学生の「春樹」と同じものを首からさげていたのです。直也は深呼吸して笑顔を見せながら歩きはじめます。
「それって、大切なものなの?」
「あぁ、俺にとっては忘れられない大切なものなんだ」
「どんどん屋のラーメン屋さんと何か関係があるの?」
「叔父さんと叔母さんの家なんだよね」
この時、典子は直也が春樹と関係があることを知りました。春樹の名前は「大島春樹」です。
どんどん屋というラーメン屋は親戚の家でそこから学校に通うことを典子に話をします。典子は直也が何処から来たのか何故立ち止まったのか。気になるとこでしたが理由を聞くことはしませんでした。脳裏に浮かんだものは春樹の姿です。春樹の父親は保護士をしていたのを考えると典子は直也が問題児ではないかと思っていました。電車の中での行動を思い出す典子です。あの時の直也の姿は普通じゃなかった。あの表情といい人を殺しそうな直也の姿。直也に声をかけられた典子は、あの笑顔は本当の笑顔で春樹の笑顔に良く似ていたことを考えます。典子は、この出会いから何かが起こりそうな気がしていたようです。直也は、この新しい都会じみたところで暮らすことで今までの嫌なことを忘れようとしています。街の風景を見ながら全てが新鮮に感じる直也でした。歩きながら典子は道路の反対側を指差します。
「あそこだよ、どんどん屋さん。叔母さんは良く話すんだけどさ、叔父さんはちょっとね」
「よく知ってるよ、じゃぁさ、ラーメン食べていきなよ、案内してくれたお礼」
直也は案内してくれたお礼といって典子に声をかけます。
「本当にいいの?おごってくれちゃうの?」
「あぁ、いいよ、いくらでも食べなよ」
典子は、なぜか直也に引かれていく自分を感じていて自分の買い物をする目的を忘れていました。店の前で立ち止まる直也、その直也を見つめる典子は不思議なくらい春樹の姿を思い浮かべます。店に入ると結構ラーメンを食べてる、お客さんがいました。直也と典子はカウンターの席に座りラーメンの注文をすると叔母さんが笑いながら叔父さんに声をかけています。
「ちょっとあんた!直也が来たけど・・・」
「直也と典子ちゃんにラーメン・・・どうして二人なの?」
5分後に叔母さんがラーメンを両手で持ち、直也と典子の間に入りニコニコしながらラーメンをおきます。
「直也、よく来たね、食べ終わったら、荷物は二階の部屋にあるから、上がって整理しな」
叔母さんは直也に声をかけます。叔父夫婦は直也と一緒にラーメンを食べる「須藤典子」のことも知っていました。どうゆうことかわからない直也は何勘違いしてるのか叔母さんの声かけに少しイラっとしました。
「典子ちゃんが一緒とはねー、良かったら手伝ってあげたら?」
典子は照れくさそうに直也の顔を見つめます。
叔父夫婦には一人息子がいたが生きていれば直也と同じ年で高校一年生になります。叔父は元暴力団組長で子供「春樹」のために更生しラーメン屋を開業。一人息子は暴走族に入り一年半前にバイク事故で命を落とします。直也とは従兄弟の中でも直也と春樹は仲が良かったのです。この時にはし直也と春樹の関係は知るよしもなかった。叔父と叔母は直也の両親からの相談を受け入れたのは直也を息子のように思っていたからです。それと直也の両親は直也が変わってしまう心配を叔父夫婦に相談していました。叔父夫婦は3年間でもいいから息子を育てるように直也に接していきます。姿の違いはあるものの直也と春樹は性格も笑顔の表情も、口数も少ないところも良く似ていたのです。直也と典子はラーメンを食べ終わると直也は建物の2階へ上がり典子は自分の買い物に行きましたがデパートの近くの公園でベンチに座り考えごとをしています。典子は直也の姿を見てから何か胸騒ぎがしてどうしようもなく買い物をすることを忘れてしまいしました。叔母さんは直也に声をかけます。
「なんだい、彼女じゃなかったの?典子ちゃんとも知り合いだったのね」
直也は何も答えることはなく叔父さんが黙ってラーメンを作る姿を見つめていました。叔父さんに挨拶をしようとしていた直也でしたが春樹のことを思い出してしまう直也は声をかけることができませんでした。


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