2015年3月24日火曜日

児童書フランケンシュタイン


Classic Starts Frankenstein Retold from the Mary Shelley original by Deanna McFadden
Illustrated by James Akib
Sterling Children’s Books ISBN: 1-4027-2666-X

Sterling Children’s Books Classic Startsのシリーズから、Frankensteinフランケンシュタイン読了。高学年児童向けに現代語で読みやすく書き直された版です。イギリス人作家Mary Shelleyによる原書は、1818年出版。Frankensteinフランケンシュタインというと、私の場合、昔、マンガ怪物くんに登場していたキャラクター、フランケンとして、こんな怪物なのかなと、親しみを感じていたので、原書に登場してくるFrankensteinフランケンシュタインが、全く違った生き物であることを知り、びっくりでした。まず、Frankensteinフランケンシュタインというのは、物語の主人公である、自然と命の神秘に興味を抱いた、スイス出身の科学者の名前、Victor Frankensteinからきていて、アニメなどで、フランケンシュタインとして登場する、大きな体の怪物(でしょうか?)には、原書では、名前がつけられてなく、Monsterなどと、呼ばれています。物語は、ドイツの大学に留学し、命を作り出す研究に成功した、Victor Frankensteinが、この世に誕生したにも関わらず、彼の容姿により、人々から恐れられ、森の中で、孤独に暮らすmonsterから、一緒に暮らせる女性を創り出して欲しい、もし、創り出してくれないようだったら、Victor Frankensteinの周りの人々に危害を加え、Victor Frankenstein本人にも、孤独であるということが、どういうことであるかということを、思い知らせるという条件をだされ、女性を造り出す実験に取り組んだのですが、同じようなmonsterをこの世に送り出すことに躊躇し、実験を打ち切り、それに怒ったmonsterと、monsterをこの世に送り出したのは間違いであり、自分の責任で、彼をこの世から消さなければならないと決心した科学者との、追い、追われの奮闘が始まり、最後、二人とも、悲しい結果を迎えることとなります。
眠りの森の美女やシンデレラのように、デズニーのアニメ映画で親しんだ昔話なども、原書とは違った筋であったり、登場人物であったりということがありますが、今回、読んだFrankensteinフランケンシュタインも、原書から、ずいぶんと、離れて、新しいフランケンシュタインが造り出され、新しく創造された物語に、登場しているなという感じでした。
元々の物語を読んでよかったです。
そして、monsterが、科学者に、造り出した本人自身が恐れるようだったら、一体、誰が自分のことを受け入れてくれるんだ?もし、全人類が、自分のことを憎むことになるのなら、なぜ、自分のことを造り出したんだ?と問う言葉が、私にとって、一番、考える言葉となりました。

おまけで発見したのですが、ドイツには、著者Mary Shelleyが、Frankensteinの物語を書くアイデアを受けたのではないかなと思われる、Frankenstein Castle(ドイツ語名Burg Frankenstein)が、実在しているのですね。


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