招き屋根の所の箱軒にケイカル版が貼られました
私が招き屋根の箱軒に拘ったので、宮本棟梁をはじめとし大工さんは寒く風の強い場所で結構長い間外の仕事をしていました。
箱軒をデザインと機能を両方妥協しないで、ディテールを起こしました。私は仕上がりを想像しているので仕上がりが楽しみでもあります。
招き屋根は、水勾配の高いほうに軒が出るので、もしそこが何らかの原因で漏れるようなことがあると、躯体側に水を導くのでその止水を気にすると随分気になります。
もし何らかの原因で、箱軒に雨水が入った場合でも、構造体の網パネルが腐朽することなく、雨水が排出されるようにブチルテープとラミテクトでアミパネルを守るように2次防水をしています。特類の針葉樹合板も少し濡れたぐらいでは強度に影響を及ば差ない材料なのでその点は、安心ですが、唐草や取り合い部から雨水が侵入しないように十分に気を付けなければならない場所です。
私がこの箱軒をするにあたり各部所の原寸を書いて、型板を作成してもらい、箱軒を現場でカットしてもらいました。プレカットでも出来るのですが、今回は現場カットで一度行ってみようと思いました。
私の癖で、機械化の前には一度手造りすることが多いです。そういう思考パターになっているようですが、出来れば手作りが多い方が地域の活性化になると思います。
この箱軒を採用している理由の一つが、壁のアミパネルの通気を確実に屋根に誘い、屋根の風速の早い方向に通気内の空気を引っ張らせ、夏に80℃を超える屋根の温度を通気層を有効に働かせ、基礎から屋根のケラバか軒に誘うという発想です。まだ理由はありますが、夏対策の為に採用したというのが一番の理由です。
実際私が実験した限りには、アミパネルを使って通気を確実にした現場では、夏は冷房をしなくても気温迄室温は下がっています。有効に通気層が働いていなければ気温よりはるかに高い室内の温度になります。改修工事で瓦を残した場合など、気温迄温度が下がることはありませんし、瓦に熱が蓄えられて輻射熱で日が落ちてもすぐには室温が下がらない現象をおこします。空気の層があるのは夏対策には実に有効です。
又写真は招き屋根の軒先ですが、ここの唐草は一般部分より長くして、強風時にも雨水が侵入しないように配慮しました。通気層は空気を通す。防水層は水は通さない、その相反する両方を行う事が必要なので、いつも色々考えてしまいます。
我々の住む広島市は蒸暑地という夏には強烈に蒸し暑い地域です。冬の断熱性能も大切ですが、エアコン冷房なく気温を維持できる家にする必要はあると
思って取り組んでいます。機械仕掛けでなくても夏には涼しい家を造ることは出来るのです。
コメント