ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する私と、皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1986年5月17日付 ヴァン・ヘイレン Van Halen - Why Can't This Be Love

2022-05-15 22:02:15 | 1986年ビルボードTop40
1986年5月17日付ビルボード All American Top40、3位から上がって1位はWhitney Houstonの"Greatest Love Of All"。Whitney Houstonですが、初のTop40ヒット"You Give Good Love"が3位、続いて"Saving All My Love for You"と"How Will I Know"が連続No.1を記録、この曲で4曲目のTop3ヒットで、なんと3曲連続のNo.1となりました。

2位は1週間の1位からダウン、Pet Shop Boysの"West End Girls"。Pet Shop Boysですが、イギリス出身のポップ・デュオ。この曲が初めてのヒットで、ついにNo.1獲得です。
3位は4位からアップ、Van Halenの"Why Can't This Be Love"。アメリカのハードロックバンドVan Halen、初のTop40ヒット"You Really Got Me"以来、この曲で7曲目のTop40ヒットで、No.1の"Jump"以来2曲目のTop3ヒットになりました。
4位は5位からアップ、Janet Jacksonの"What Have You Done For Me Lately"。Janet Jacksonですが、もちろんあのジャクソン一家の一員、一家の末子です。ジャクソン兄弟から離れ、3枚目のアルバムが初の大ヒット、シングルもこの曲が初のTop40ヒットで4位まで上がってきました。
5位は11位からジャンプアップ、Madonnaの"Live To Tell"。Madonnaですが、初めてのTop40ヒット"Holiday"が83年に16位。その後は出すシングルすべてが大ヒットの連続、年間2位の"Like a Virgin"と、"Crazy for You"の2曲のNo.1ヒットを含め、この曲で9曲目のTop40ヒットで、そのうちなんと7曲目のTop5ヒットとなりました。

この週3位はVan Halenの"Why Can't This Be Love"。最高位はこの5月17日付の1週のみの3位。年間チャートは69位。Top100に16週と、短いヒットでしたので、年間チャートは低めでしたが、"Jump"に次ぐ大ヒットになりました。

Van Halenですが、70年代前半、天才ギタリストEddie Van Halen、お兄さんのドラマーAlex Van Halen、ボーカルのDavid Lee Rothらで結成。76年に、キンクスのカバー"You Really Got Me"で、デビューを飾ります。この"You Really Got Me"は、最高位36位と大したヒットではありませんでしたが、エドワード・ヴァン・ヘイレンのそれまで聞いたことのない超絶テクニックのギターワークと、デイヴィッド・リー・ロスのボーカルには、度肝を抜かれました。シングルはいまいちでしたが、ファーストアルバムの『Van Halen』は最高位こそ19位でしたが、78年、79年の2年連続でアルバム年間チャートに入る超大ヒットアルバムとなりました。

その後、順調にヒットを重ね、特にアルバムは、常にTop10に入る大ヒットアルバムとなります。そして1984年に発表したアルバム『1984』が最高位2位を記録、その時ちょうど『スリラー』が1位を独占していて残念ながらアルバムのトップを取ることは出来ませんでした。が、それまで、"(Oh) Pretty Woman"の12位が最高だったシングルチャートで、ファーストシングルカットされた"Jump"が5週間連続の1位、年間チャートでも6位を記録する大ヒットとなりました。こちらをご覧ください→→→

その順調だったVan Halenに衝撃の出来事が起こります。エドワード・ヴァン・ヘイレンのギターワークとともにバンドの2枚看板であるデイヴィッド・リー・ロスが、なんとアルバム『1984』を最後に、バンドを離れてしまったのです。「両雄並び立たず」どおりだったのか、両者とも個性が強すぎましたでしょうか。

そして『1984』から2年後の1986年に、次のボーカリストを迎えての彼らの7枚目のアルバム『5150』がリリースされ、そのアルバムからのファーストシングルがこの曲"Why Can't This Be Love"です。

その注目の次のボーカリストがSammy Hagar、これにはまた驚かされました。Sammy Hagarといえば、2年ちょっとの短期間ではありましたが、あのアメリカンハードロックバンド・モントローズのボーカリストであり、その後、ソロでも最高位13位を記録した"Your Love Is Driving Me Crazy"など、3曲のTop40ヒットを持っている人気ロックボーカリストです。

"Why Can't This Be Love"の曲の作者はEddie Van Halen、Michael Anthony、Sammy Hagar、Alex Van Halenのメンバー4人の共作。そしてプロデューサーはMick Jonesと、バンドメンバー。Mick Jonesは、あのフォリナーのミック・ジョーンズです。これにもまた驚かされました。この曲を聞いてみて、サミー・ヘイガーのボーカルは、デイヴィッド・リー・ロスほど個性的ではないので、私は彼の方がVan Halenには合っていたのではないかなぁ、と思います。


今週 先週 song / artist
1 3 GREATEST LOVE OF ALL / WHITNEY HOUSTON
2 1 WEST END GIRLS / PET SHOP BOYS
3 4 WHY CAN'T THIS BE LOVE / VAN HALEN
4 5 WHAT HAVE YOU DONE FOR ME LATELY / JANET JACKSON
5 11 LIVE TO TELL / MADONNA
6 6 YOUR LOVE / OUTFIELD
7 7 TAKE ME HOME / PHIL COLLINS
8 8 BAD BOY / MIAMI SOUND MACHINE
9 10 IF YOU LEAVE / ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK
10 2 ADDICTED TO LOVE / ROBERT PALMER
11 13 ON MY OWN / PATTI LABELLE & MICHAEL MCDONALD
12 14 I CAN'T WAIT / NU SHOOZ
13 15 SOMETHING ABOUT YOU / LEVEL 42
14 17 ALL I NEED IS A MIRACLE / MIKE + THE MECHANICS
15 19 IS IT LOVE / MR. MISTER
16 20 BE GOOD TO YOURSELF / JOURNEY
17 12 KISS / PRINCE & THE REVOLUTION
18 21 MOVE AWAY / CULTURE CLUB
19 9 HARLEM SHUFFLE / ROLLING STONES
20 22 NEVER AS GOOD AS THE FIRST TIME / SADE
21 25 CRUSH ON YOU / JETS
22 23 ROUGH BOY / ZZ TOP
23 28 THERE'LL BE SAD SONGS / BILLY OCEAN
24 16 AMERICAN STORM / BOB SEGER & THE SILVER BULLET BAND
25 33 NOTHIN' AT ALL / HEART
26 37 A DIFFERENT CORNER / GEORGE MICHAEL
27 31 NO ONE IS TO BLAME / HOWARD JONES
28 30 TOMORROW DOESN'T MATTER TONIGHT / STARSHIP
29 18 MANIC MONDAY / BANGLES
30 35 MOTHERS TALK / TEARS FOR FEARS
31 36 ALL THE THINGS SHE SAID / SIMPLE MINDS
32 40 HOLDING BACK THE YEARS / SIMPLY RED
33 42 I WANNA BE A COWBOY / BOYS DON'T CRY
34 32 STICK AROUND / JULIAN LENNON
35 27 LET'S GO ALL THE WAY / SLY FOX
36 24 ROCK ME AMADEUS / FALCO
37 45 RAIN ON THE SCARECROW / JOHN COUGAR MELLENCAMP
38 47 VIENNA CALLING / FALCO
39 26 WHAT YOU NEED / INXS
40 50 WHO'S JOHNNY / EL DEBARGE

コメント (36)    この記事についてブログを書く
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36 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
新生Van Halen (hannah)
2022-05-15 22:29:20
星船さん、こんばんは。
D.L.Rithの脱退にはホントに驚きました。
彼のパフォーマンスもバンドのひとつの売りでしたけど。
S.Hagarも生粋のロックヴォーカリストなので役不足ではないのですが、前任が前任だけにちょっと音無しかったですかね。
アルバムタイトルの♪5150♪は
レコーディングしたスタジオ№だという説もありました。
エディ、ギターを弾いてくれ!苦笑 (音時)
2022-05-15 22:38:25
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/19806300.html
 デイヴ時代は愛や恋も「ケーハク」(!)な曲が多く、それがスカッとさせてくれました。でも、サミー加入のVHは、これまでになかったメロディアスな曲で、歌詞も「愛」を純粋に歌ったもの…!路線の違いに戸惑いがありましたね。
 あと、この曲も大好きなのですが、エディ、最後までキーボードですね(^_^;)。最初だけキーボードで最後にギターソロを弾くのかな…と思っていたらサミーが弾いちゃって、エディは…。やっぱりギターは弾いてくれよ〜!とギター小僧やロックファンは誰もが思ったのではないでしょうか(苦笑)
Unknown (blackmore1207)
2022-05-15 22:40:02
こんばんは。
ヴァンヘイレンもロスが抜けた後、どうなるかと思いましたが前年のファームエイドにてサミーとの競演でまさかとは思いましたが、こうなったか!と思いました(笑) 
確か?このPVは元々「夜のヒットスタジオ」で中継された映像がそのまま使われただったと思います。
YouTubeで「WHY CAN'T THIS BE LOVE / VAN HALEN live」で検索すると出てきます。ライブのヴァージョンもかなり良いですよ。
この後89年ツアーで来日し行きましたがかなり良かったです。ロスがいたらこのような曲は出来なかったかも知れないですね。
Unknown (太ったボンジョビ ( ・∀・)ノ)
2022-05-15 22:52:56
これはアツかった!ロスからヘガに代わるってのは事情通でない私でもアチャーでありました。
ヘガのドライビンと55がイイ曲としては聴けなくて、ロス抜けのバンヘーレンにはマイナスでしかないと思っておりましたがしかし、こんなのをファーストシングルに持ってこられるなんて、一発で落とされましたよ。
この次のドリームズ、88年のウェニッツラブ、フィニッシュまで、いやその後のパウンドケーキまで日本の好景気とともにバンヘーレンはあったのですな?
1984でついた女性ファンが5150でも離れなかったのは大きかったですね?(ソースは姉ともう一人だけですが)
一方で夏には……紹介あるかな?
デイヴ (240)
2022-05-16 07:07:55
おはようございます。
サミーがヴァン・ヘイレンに加入する前、彼自身もいくつか小ヒットを飛ばす方だったので、サミーの加入はちょっと意外な感じもしました。
サミーかデイヴか、の議論は酒の肴になるくらい、いろいろ語れそうですね。個人的には爽快なロックのデイヴ時代が好きですが、この時期の、シンセが混じったロックはサミーの方が合っていると感じてました。
あとエディはもちろんですが、マイケル・アンソニーのハイトーンコーラスも大好きです。
代わりがサミー・ヘイガー (星船)
2022-05-16 17:45:20
Hannahさんこんばんは。
そうですね、私も驚きました。デイヴィッド・リー・ロスの脱退に、なんとその代わりがサミー・ヘイガーですからね。それでも、サミー・ヘイガーが、意外にしっくり来たのにはそれも驚きました。だいぶ変わるかな、と思っていましたが、良く変わってくれました。
エディのギターソロも (星船)
2022-05-16 17:47:17
音時さんこんばんは。
そうですね、PVをみて、最後までギターは持っているだけでした。まあ、サミー・ヘイガーもいいんでしょうけれども、やっぱりエディの超絶ギターが聴けなきゃあ、バン・ヘイレンでないでしょう!とは言いたくなりますね。
メロディアスなロックになったのは、私はその方が好みではありましたのでその方が良かったですが、それにエディのギターソロが欲しかったです。
サミー・ヘイガーがこの曲では主役 (星船)
2022-05-16 18:05:55
blackmore1207さんこんばんは。
"Why Can't This Be Love"のLive In Tokyo、PV探してみてみました。カッコイイですよね。新しいバン・ヘイレンというのが良くわかりました。サミー・ヘイガーがこの曲では主役になっています。音時さんもおっしゃっていますが、エディ・バンヘイレンのギターソロが効けないのが唯一残念ではあります。
新たなファンも (星船)
2022-05-16 18:09:23
太ったボンジョビさんこんばんは。
そうでしたよね、この曲は、新たなバン・ヘイレンを感じさせるカッコイイ熱い曲でしたよね。
女性ファンだけでなく、男性ファンも、『1984』で新しくついたファンが沢山いたと思いますが、『5150』になっても離れなかったでしょう。また、新しいメロディアスロックに、新たなファンになった人もたくさんいたんじゃあないでしょうか。
どっちがイイかは別として (星船)
2022-05-16 18:11:52
240さんこんばんは。
そうですねー^^サミーが良いか、デイブが良いか、難しいでしょう。個性が全く違いますからね。まあ、私としては、驚くほどすんなりサミーへの交代がしっくりきました。どっちがイイかは別として、サミーのバン・ヘイレンは大好きでした。

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