乙幡君と知り合ったことで、よっ君のネタ(覚せい剤)元は外国人のアレックスと乙幡君の二つに増えた。

その頃にはもう、2日に一回3万円(1㌘1万円)のネタを喰う(打つ)ようになっていて、切れ目知らずの生活になっていた。

そしてその頃には知君が私ん家に居るのが当たり前になっていた。

3人ともに追い打ちに追い打ちを重ねていたけれど、道具(注射器)の入手に困っていた。

乙幡君から何度も引いて(買って)いたよっ君と私は話し合って乙幡君に道具を売ってもらうことにした。



乙幡君に電話をかける…

私「もしもし?パタパタ(乙幡君)?」

乙幡君「ん?どうしたの?」

私「アタシの彼氏がパタパタにお願いしたいことがあるんだって、電話かわるね」

よっ君「あ、もしもし?今回はネタじゃなくて道具が欲しいんですけど…手には入ります?」

よっ君「はい…出来るだけ多く欲しいんですけど…」

よっ君「80本ですか?いくらくらいで譲ってもらえます?」

よっ君「はい…はい…わかりました。お願いしてもいいっすか?」

よっ君「はい。待ってます」

電話を切ったよっ君が「80本8千円だって。ちょっと高いけどボロボロの道具使うくらいなら買った方がいいべ」と言った。

赤ペン(赤いキャップのマイジェクター)の原価は一本35円…それを考えたら高い気もしたけど新しい道具が欲しかったので買うことにした。

しばらくすると乙幡君から着信が入った。

もう家のそばに来ているという。

よっ君は8千円を握りしめて家を出て行き、戻ってくると洋服のポケットとというポケットにパンパンに道具を入れて帰ってきた。

そして、新しい道具でネタを喰った。

やっぱ新しい道具は刺した針の滑りもいいし、シリンジのゴムも滑らかだ。

そして、知君も誘い3人で新しい道具でネタを喰った。



私は新品の道具にネタを詰め、水で溶かすとき道具を指で弾いてネタを溶かしてた。

ネタが効いていたせいもあるのだろう。

力任せに指で道具を弾いたその時、持っていた手から道具が勢いよく空を舞い、落ちたその時、フローリングに針がグサッと刺さりビヨヨヨヨーンと、まるでダーツみたいに刺さった。

よっ君と知君に「ねぇねぇ!見て見て!飛んでった道具が見事に床に刺さったぁ!ゥケルよね!」と私が言った。

新しい道具はまだ沢山あるからたいして気にならなかった。

「ビヨヨヨヨーンてなったよ」と笑う私。

よっ君「おおっ!すげーな」

知君「気をつけろよ。刺さったのが床だからいいけど、のりの足だったら危ないから」

私「うん。大丈夫。でも見事に刺さってるよね」

3人で笑った。



寝ないで4日経ったある日、その時はよっ君と2人きりだった。

よっ君はまだ、キマってしまうと血管に入らないことがあり、その時も道具を握り締めて血管にいれるのに悪戦苦闘していた。

私はもう限界だったので「一回寝るゎ」と言いベッドに入った。

ベッドに入った私は「よっ君もほどほどにして寝なよ。ガンギマってると入らない時あるんだから」と言って眠りの世界に入っていった。

そして、眠っていた私が目を覚ますと、よっ君が私が眠りにつく前と同じ体勢で針を刺してこねくり回していた。

え?嘘???

どのくらい寝てたんだろ?と時計を見ると8時間が経過していた。

「よっ君、もしかしてずっとこねくり回してたの?」と私が聞くと「ああ…」私が話しかけても真剣な顔で必死に血管を探すよっ君。

私「よっ君、もう8時間経ってるよ」

よっ君「え?」

よっ君はようやく顔をあげた。

私が「8時間も血管と格闘してて、時間を忘れるってキマってる証拠だよ」と言うと、ふてくされた顔で「入らねーんだよ。マヂで」と言った。

寝起きの私は顔を洗うわけでもなく道具を手にするとネタを詰めて水で溶かし打った。

そして、よっ君に「少し寝なよ。寝て起きたら血管に入るようになるから」と言ってよっ君に寝るようにと言った。

よっ君は八つ当たりするかのように「わぁかったよ!寝りゃいいんだろ!?」と言うとふてくされてベッドに入り、頭まで布団を掛けて眠りについた。

寝て起きたよっ君はネタを赤ペン(赤いキャップのマイジェクター)で詰め5(詰めて5メモリ)を水で溶かして喰った。



そのうち、道具とネタに不自由しなくなったよっ君は作り置きをするようになった。

5~6本の道具に水で溶かしたネタを作り置きするようになったのだ。

でも、私はそれが具合悪かった。

母がたまに声を掛けて部屋に入ってくることがあったからだ。

よっ君は作り置きした道具を並べて満足してるようだった。

私はよっ君に「それ。具合悪いからやめて!」と言ったけど、よっ君は道具を母に見つかることを心配してる様子もなく「大丈夫だろ」と言うので、仕方ないから知君に「作り置きした道具を出しっぱなしで隠してくれない」と相談した。

知君がよっ君に「よっ君、そりゃまずいよ。のりのお母さんやってるの知らないんだし」と言うと、よっ君は渋々「作り置きしたいから一本だけ…な?」と言って作り置きしなくなった。

知君はよっ君のネタを喰いながら「作り置きか…羨ましいなぁ。俺そんなんやったことないよ」と笑った。



よっ君と知君と私の3人で居た時、私はネタを道具に詰めて水を吸い道具の中の水にネタを溶かすため指で弾いていた。

すると、指で弾いた勢いで道具が飛んで、今度はフローリングの床ではなく私の膝に刺さった。

私「痛ーい!道具が膝に刺さった!」

よっ君「大丈夫かよ?」

知君「だから気をつけなよって言っただろ」

私「痛かった…」

私は二度目の痛かった…と言ってる時にはもう、左腕の血管に打ちながら答えてた。



そんなこともあった。





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