2021年3月2日火曜日

偉大な男の偉大な記録

神の如きとはこの事かと言わんばかりの爆速。

鈴木健吾さんの参加した先週末の「最後の」びわ湖毎日マラソンでの彼の速度はそう表現しても全く言い過ぎでは無いと思えるほどの物凄い速さだったと思いました。

普通に長距離の練習をしている人でかつ淡々と長距離を走れる人であっても先ずフルマラソンで4時間を切れる人は十分早い人だなと認識します。(そもそも私はこの距離を1ヶ月以内にヨーイドンで走ったら死んでしまいます。w)

友人達でいつもガンガン走っている人達でも3時間と少しというところで走れる人は私から見てもほぼ求道者と言えるレベルの練習をしている人であって、体もシャキッと締まっていて「いかにも」早そうで実際にすごい速さで走れる人達です。我々一般人の鈍足とはもうそれこそ想像の向こう側にある次元の違う走りを見せてくれるのですが、その人達に言わせてもまず3時間を切るなんて言うのは「ほぼ今の練習と年齢ではムリ」と言うのですが・・・。所謂sub3の世界ですね。

私も低レベルながらrowingという持久系の練習をしておりますので、ある時点で全力で頑張って出した記録を1%改善しようとするとどれほどの地獄を見るかということをよーく解かっているつもりです。況や3%とかの改善があった時とかは本当にもう気が遠くなるほどきついレベルで運動しないとムリですから、3時間半は普通に切るけれども頑張っても「今の所」3時間10分程度の人が3時間を切ろうと思えばそこはきっと練習や食事などの準備も含めてその人達にとってかなりの大ジャンプになるだろうと思うわけです。

では、2時間30分を切るような人達はと言うと、それはもう確実に才能がある上に努力を重ねている選手レベルの人達であって、女性でここに行く人達はもう物凄いというレベルでしょうが、男性であっても本当に限られた人達だけが到達する世界でしょう。

私が小中学生の頃の「世界レベル」のマラソン大会のトップ選手達の記録は通常2時間15分程度でした。そして21世紀の今、特殊な方法で2時間を切るキプチョゲというサイボーグも登場しましたが、実際には2時間5分を切る全人類の中の50人ほどの人間がいるわけです。

日本人では大迫という偉大な選手がこれに肉薄していたわけですが、遂にその5分の壁を切った異次元の速度を持つ日本人鈴木選手が登場したわけで、一度100mで10秒を切ると他にも日本人でそういう人が出てきたように、練習法、シューズ、マネジメント法の進歩が追い風となって、きっとこれからも2時間5分を切る日本人選手が登場するものと考えます。

昔から恐ろしいほどの練習を重ねてきた鈴木選手が時宜を得て爆発した決して運だけでは語れない今大会の凄い記録でした。心の底から畏敬の念を抱くとともに今後も更に記録を伸ばすであろう若き逸材として応援していきたいと思います。

彼に1億出せない陸連って本当に残念な組織です。

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