2022年5月23日月曜日

プライドと実力

何でこんなに差があるのか、と考えてしまいます。

4月から入職してきた正看護師の女性達に中国人の子達が入っています。何というか基本的には賢い子達なんだと思います。というのも、そもそも中国でも看護師さんの資格を持っている子もいて、更に日本という外国に来て外国語で看護師の試験を突破するのですからそれなりに能力があることは既に保証済みなんですが、これが一筋縄ではいかない。

看護師さんとしての評価は全く別の視点から見ないといけません。それは看護師さんというのが必然的にマルチ・タスクを要求される仕事であって、病に悩む患者さんに対する対応や同僚とのコミュニケーションを通じて「業務を廻す」必要があるからです。

ですから「座学」としての看護学が出来たとしても「実務」が出来なければ正直なところ残念な人にしかならないわけで、むしろ現場としてはその様な人は要らない人、残念な人になるわけです。しかし、一度雇った病院側はそんな事では簡単に教育を諦めたりはしません。

手を変え品を変え、人を変えて病棟を変えて「どうにかしてその人が使える場所、その人がより効率的に働ける場所」を探し続けて教育も続けます。

しかし、しかし。ここまでやってもやっぱり「使えない」看護師さんが居るんです。残念ですが。今回の中国人看護師さん達の中の一人にもそうなってしまいそうな感じの女の子が一人います。何故だか知らないんですが、この子と同期で入って来た他の女の子達がこの女の子を「忌避」しているのです。食事時も席は一緒ではないし、何故か中国人同士の助け合いの輪の中に入っていないのです。

他の日本人看護師さん達に聞いてみると、どうやら教えてくれる側の日本人にも「教える時に意地悪です」とか「ハイ出来ます」と言う割にはほぼ何も出来ないとの事。周りの中国人の女の子達によれば「座学の成績」は一番出来るのだそうですが・・・。

結局その事が彼女のプライド形成に大きく影響を与えているようなんですが、かえってその肥大化したプライドが新たな学びのチャンスを奪っているようなのです。残念な話です。きっと素直に学べばきちんと優秀出来るだけの知的な素地を持っているのに実務と対人関係が築けないという事態を生んでいます。

このままでは自分が下に見ている同僚の中国の友達にずっと先にまで行かれてしまいそうな事態が発生しそうなのですが、看護師さん達の育成に関してはあまり医師側からは口を出す事も出来ず、ある程度距離を置いて見つめることしか出来ません。

高いプライドを内に秘めるのならまだしも、学ぶにあたって人から教わる素直さ、謙虚さが無いというのは人生において大きな損なのだとこの子を見て逆に再確認させられるオジサンなのでした。

何とかしてあげたいと思う毎日です。

 

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