特許? | 中国冷汗日記

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中国で会社やってる日本人の日記です。大連での生活をつらつらと、日本向BPO,IT,DTPアウトソーシングについて書いていきます。

Aという会社の依頼でギフトパッケージを作成したのは2ヶ月前。印刷もしたはずなのに、今日になってタイトル部分の変更の依頼が来た。タイトルを絵画の額に納めていたのだけど、それが法的に引っかかったとのこと。これは正直よくある技法で、中国なんかだと結構使われているにもかかわらず。だ。そんな法律あるの?と聞いてみたら、ようはこの「タイトルを額に入れる」という技法を他の会社が特許を取ってしまっていたらしく、クレームが来たと。

特許?

ロゴは特にそうだし、デザインに特許問題に関わることは知っているけど、どうもおかしい。珍しくもない技法だし、こんなものにも?と正直不思議に思った。「うちのアイコンは丸ですから、あなたのアイコンはそれ以外の形にしてください」ぐらい。言いがかりと言っていいレベルなんだけど、A会社も回答に歯切れが悪い。

でもっとよく聞いてみたら、この特許を取って、クレームをかけてきたのがB社。同業者で、規模は数百倍。こんな特許が通るのか?に関しては、まあ、でかい企業ならではのあれで。

あーなるほど。と、納得。

これは後発つぶしだな。えげつない手を使うもんだなーなんだけど。

実はBという会社もうちのお客さん。思い出すのが6年ほど前、パッケージを作成した際に、たまたまある技法(日本では使い古された手法)で、売り上げが3倍増になったことがあった。その時、社長からの提案は「このデザイン、特許とっておきましょう。盗まれないように」

その時、僕は「いいっすね、真似されたら告訴しましょう」と同意しとったわ。この程度のものに大げさだなあと思いながら。しかしあの時から、社長は市場の囲い込みを考えていたんだなと納得。

デザインの特許は世界中で当たり前のようにある。しかしここでは自社のデザインを守るに加えて、他社のデザインの幅を狭めるためのものでもあるのだなと、ちょっと寒気を覚えた。