たまに「おもしろ問題」と称して,教科書から逸脱した問題にチャレンジさせることがある。
先日は,
『ある仕事を,Aさんは10日,Bさんは15日で終わらせられる。では2人でやれば何日で終わるか。』
という問題をやらせてみた。
これは「仕事算」と呼ばれる,
中学受験をする小学生なら定番,基本的な問題である。
しかし,中学受験をしない小学生,そしてそのまま公立中学に進んだ人にとっては,まさに超難問である。
Aさんは10日で終わる→1日あたり1/10
Bさんは15日で終わる→1日あたり1/15
2人でやれば,1/10+1/15=1日あたり1/6
よって「6日で終わる。」が正解となる。
こうやって説明すれば,ほとんどの生徒は理解できるし,次に同様の問題をやらせれば解くことができる。
つまり,「この思考に触れる機会がなかったからできない」だけで,これを「解けます」という人とそもそもの学力に差があるワケではない。
「学ぶ」とは,知識を増やすということはもちろんだが,それ以上に「できること」を増やすということだ。
できることを増やす。
コンマ数秒でも速く走れるようになる。
数ミリでも高く飛べるようになる。
取れなかったボールに手が届く。
弾けなかった楽曲が弾けるようになる。
成長するとは,
すべて「できることが増える」ことを指す。
勉強も同じことだ。
知らなかったことを知り,解けなかった問題が解け,取れなかった点数まで届く・・・。
その経験そのものが「学び」と言える。
おもしろ問題は,彼らの思考の幅を広げ,経験値を増やし,スキル量を増やすことができる。
まだまだ彼らの習った範囲内で,彼らの知らない問題など山ほどある。
これからが楽しみである。
さて,テスト期間だから,ただいまおもしろ問題は休止中。
100点取るための準備。
問題を1問でも多く解く,解く,解く。
本番はすべて見たことのある問題にしよう。