One Day, One Cocktail

Wine & Cocktail Bar Ararat Official Blog
カクテルで綴る歳時記

スーズサワー(Suze Sour)

2016-03-29 02:09:49 | アペリティフ

いよいよ春ですね。

日ごと、日差しや風の匂い、街行く人々の装いなどに

春を感じさせられる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今日は、この春の走りにピッタリな一杯をご紹介しましょう。

 

いつになくあっさりした殊勝な出だしです。

 

 

咳払

 

 

さて、「春は苦味」などと申します。

本日ご紹介するのは、その苦味、そのハーバルな風味とともに

まさしくその色合いが、非常に春的で明るい

とても春にふさわしい一品です。

 

その名も『スーズサワー(Suze Sour)』。

私のオリジナルです。

 

今回、このブログのシリアス版として併設した

『365Cocktails』にも掲載してあります。

 

と言いながら、毎回毎回おんなじことばっかり言ってますけど

今回もオリジナル、っていうほどの大したオリジナリティではありません。

 

スーズってお酒を、単にサワーにしただけですから。

 

ひねりもありません。

いや、むしろひねってはいけません。こういうのは。

このことはまた後ほど説明しますけど

 

しかしまあ、現代のカクテルトレンドにあって

この「サワー」ほど、省みられてない技法はありませんね、私感。実際。

 

ほ~ら来た、的なマクラになってきましたね。

あっさりした出だしだったんですが、やっぱり。笑

 

ともあれ

この「サワー」ってのは、カクテル本来のユニークさ面白さ、はてまたその多様さを表現するのに

最も適した、格好の、というかそもそも超基本テクニックであるにもかかわらず

今のバーシーンにあって、作り手飲み手双方に、全くの不理解というか不勉強というか、

そのデタラメがまかり通ってるのもないのではないかいなと思う、今日この頃でもあります。

 

春は苦味ですからね、苦めにいきますよ、今回も。笑

 

「サワー」は、カクテルの基本的なスタイルのひとつです。

サワーとは単に「酸っぱい」の意。

レシピは、ベースとなるリカーにレモンジュースとシロップ。

それらをシェイクするだけのシンプルなものです。

 

(リカーってのは、リキュールを含めた「洋酒全般」のことを言います。)

 

旧来は「サワーグラス」という専用のグラスが用いられ、

また大抵のバーにはそれが常備されるほどポピュラーなカクテルスタイルでしたが、

昨今はこの「サワーカクテル」そのものがあまり供出されていないため

今ではもはやそのグラスすらお目にかかることはありません。

 

なぜそうなったのか。

また何故、何をもって私が、今のサワーを不理解だデタラメだと喝破するのか。

 

それはひとえに

「酎ハイ系ドリンク」との、語感の混同による混乱にあります。

 

 

繰り返しますが、サワーとは単に「酸っぱい」の意味です。

 

炭酸が入っているわけではありません。

サワークリームとかありますでしょ。

炭酸、入ってませんよね。

ザワークラウトとかありますでしょ。

ザワーは独語。英語はサワーです。

発泡してないですよね。

 

私が思うにはですね

多分ですね、日本人にとってはですね

炭酸のシュワシュワってのがですね

 

サワサワって聞こえる部分もあって(⬅⬅⬅

 

サワーイコール炭酸ってなったと思うんですね、正直。

いや、マジな話。

ここ、笑うところのような、笑うところでないような、微妙な話です。実際。

 

こうしたことは、何もこのカクテルだけでなく

現代のバーの様々なシーンにおいて見られるわけですよ

21世紀になってもなお。

 

続きは次回。

 

『365Cocktails』共々

ランキングもよろしくですよ。


レシピ特化ブログ開設

2016-03-20 03:16:59 | カクテル理論

その名も『365 Cocktails』

 

つべこべ抜きに(笑)

レシピだけを淡々とログっていきます。

スタンダード始め、私のオリジナルはもちろん

国内外の昨今のトレンドも交え、カクテルオーダーにマストなレシピを綴っていきます。

 

タイトルにあるよう

1年365日、毎日ひとつのカクテルを

(そう、このブログにもそうした意味を込めていますけれども)

 

 

ということで

ここは、つべこべ用と言いますか(^^;

そのレシピの解説並びに雑感をログる用に特化いたします。

 

両ブログ共々、よろしくお願いいたします。

 

『365 Cocktails』

 


『ホット・ペロケ(Hot Perroquet)』岩尾オリジナル

2016-03-17 03:44:32 | ホットカクテル

そろそろ冬も終わりですね。

そろそろホットカクテルも飲み納め、な感です。

ということで

本日は

冬に別れを告げるこの時期に相応しい

ドンピシャでド級なホットカクテルをご紹介しましょう。

 

その名も

『ホット・ペロケ』。

 

いきなり「なんじゃいな」、なリアクションがPCの向こうに見えます。

 

『ペロケ』そのものは

バーテンダーならご存知の方も、最近は多いのではないでしょうか。 

 

 ペロケとは仏語でオウムのこと。

 誰が付けたか、カクテルとしては

 「ペルノーの水割りに、少々ミントシロップを垂らしたもの」

 という、いたってシンプルな、ことフランスでは非常にポピュラーなロングドリンクです。

 割合は難しくあり ません。

 

 意外に少々薄め(1:6~8)を、ゆるゆるやるのが「おフランス」的です。

 

とてもトロピカルで涼やか、爽やかな

そしてとってもゆる~いロングドリンクです。

 

 さざ波打ち寄せる浜辺、たとえそこが日本の「海の家」でも

こういうのが一杯あると、もうそこだけおフランス。

 

 コートダジュールな気分です。

 

 

『ホット・ペロケ』とは

これをホットにするだけの話です。

 

「またそんなんかよ。毎回毎回、冷たいのを単にあっためてるだけとか

そんなのばっかりじゃないか」

などという矢のようなお声をビシビシ感じます。

 

はい。そのまんまです。笑

 

 ええ、これをこのまま、ホットにして下さい。

 簡単な話です。

 

 よーするに

 水割りではなく、お湯割りにするだけです。

 

ところが、たったそれだけで

 ふさわしいシチュエーションは、夏の浜辺から、一気に冬の、暖炉の前に来る感じです。

 

 

  美味しいんですか?と?

  

 アニスの芳香とともに

ミントの香気がすーっと鼻腔をくぐり抜けるこの感覚は

 

きっと皆様の

カクテルの新たな地平線を開いてくれることでしょう。

 

また、「春は苦味」などとも申します。

 

えも言えぬ複雑な、若草を思わせる香気

 

あるいは

春がすみを思わせる鶯色(うぐいすいろ)は

 

むしろ温めることで

夏よりは、花冷えの春にこそ相応しい一品と言えましょう。

 

 

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『ユキヤナギ』(岩尾オリジナル)

2016-03-09 20:09:25 | アペリティフ

濁り酒 2/5

スパークリングワイン 3/5

いずれも良く冷やしてあること。

 

冷やしたシャンパーニュグラスに注ぐ。

ノーステア。

 

オレンジジュースをスパークリングワインで割る

『ミモザ(mimosa)』はご存知の方も多いことでしょう。

 

 

この『ユキヤナギ』は

その派生として着想しました。

 

ユキヤナギが咲き始めると、桜はもうすぐ。


『Alessandra(アレッサンドラ)』岩尾オリジナル

2016-02-15 00:18:18 | まったり・やや甘め・強め

超お久しぶりです。

遅きに失した感が否めませんですが

昨日はせっかくのヴァレンタインデーですので

ちょっと小粋なチョコレート系の、私のオリジナルカクテルをご紹介しましょう。

 

その名も『Alessandra(アレッサンドラ)』。

Alessandra(アレッサンドラ)は

Alexandra(アレキサンドラ)のイタリア語です。

女性の名前ですね。

ここら辺で、カクテル通の、感のおよろしい方ならもうピピンと来るかもしれませんね。

はい。

お察しの通り、このカクテルは、超スタンダードカクテル『Alexandra(アレキサンドラ)』の

イタリア的アレンジです。

何をもってイタリア的アレンジなのか、というのかも

プロならばフフンとくるところかも知れません。

 

ということで、まずは『Alexandra(アレキサンドラ)』のおさらいから参ります。

 

え?『Alexandra(アレキサンドラ)』なんて聞いたことない?

ピピンもフフンもない?

やっぱり?笑

 

『Alexandra(アレキサンドラ)』は、日本では一般的に

『Alexander(アレキサンダー)』として知られています。

 

いつの間にか男性の名前になってますが、そのオリジンを紐解けば、実は本当は

女性名の『Alexandra(アレキサンドラ)』になります。

 

くれぐれも言っときますが、このカクテルは
アレキサンダー大王なんか、全く関係ありませんよ。笑

そもそも、名前が大きすぎます。

と言いますか、カクテルが小さすぎます。

いや、これは悪気ではないんですけどね。

時代もありえませんし。

カクテルに使うモチーフではありません。

どころかレシピのどの部分にも、アレキサンダー大王を関連付けるものがないわけです。

カカオもブランデーも生クリームも、紀元前300年以上も前にありませんから。

 

日本でいったら、んー、誰でしょうね。

ビッグネームレベルからいきますと、『聖徳太子』あたりでしょうか。

カクテル『聖徳太子』。

 

ありえないでしょ普通。笑

いや、作れ言われたら作りますけど

いや、やっぱり作れない。何をどう作っても名前負けします。

西洋人からするとそれくらい大きいんです。

アレキサンダー大王ってのは。

 

だから、せいぜい、現代の時代の、アレキサンダーっていう実在の方のお名前

その方が作ったのか、その方のために作られたかのいずれかなんですね。

カクテルってのはそれくらいの名前の付け方なんです。

そもそも。

と言いますか、だから、話を戻しますと、もともとはアレキサンドラなんです。

フランスではそれが一般的ですが

時代が巡って、

ま、バーの、酒場の世界ではよくある話で、口伝される間に

いつの間にか、耳に馴染みのあるアレキサンダーになっちゃったわけです。

 

ですから

私がよく利用する、信頼のおける、かつ世界最大のカクテルデータベースサイトの一つ

CocktailDB

にも、両方共全く同じカクテルとして登録されています

 

ということで、話ついでにリンク貼ったので、おさらいは割愛しますね。

お勉強は個々にお願いします。

 

ようやく私のオリジナル

『Alessandra(アレッサンドラ)』の説明に参るわけですが

ぶっちゃけ早い話、種明かししますと

要するに

『Alessandra(アレッサンドラ)』というのは、

『Alexandra(アレキサンドラ)』、ないしは『Alexander(アレキサンダー)』の

イタリア的アレンジってな訳ですから

 

レシピ説明って言っても

ベースのブランデーを グラッパに変える

 

てなことだけなんですね。実は。

 

な~んだ、と思われる方も、読者の中には若干名おられるような気もしますが(⇦)

 

(「こういう不遜な物言いがあんたの一番あかんとこや」とカミさんからしばしば言われます。苦爆)

 

いいつつも、ですからこれを、いかにも「私のオリジナルだ」などと申しますのは

少々口はばったい気がしないわけでもないのですが

 

上記のデータベースには

「No exact match for alessandra.」と出てまいりますので

ここは声を大きく、私のオリジナルであると申し上げたいと存じます。

他も同様です。

 

もちろん日本のカクテルデータベースでも同様。 

(このサイトはまあまあ良く出来てますね。

十数年使ってますが、しばらく見ない間にその数が17000以上にもなってましたね。

その頃は3~4000くらいだったはずですが)

 

ちなみに

私がこのブログなどを通じて「オリジナルだ」と公言する場合は

必ずこれらの検索のフィルターを通します。

 

ともあれ、この『Alessandra(アレッサンドラ)』、

味わい的には

グラッパならではの、生き生きとしたブドウの果実味によって

レーズンチョコを思わせる仕上がりの、優れた一品となります。

よろしければお試しください。

 

ただし、くれぐれも私のオリジナルであることにはご留意の程。

 

あ、お話ついででなんですが

私が、お店で自家製チョコレートにグラッパを練りこんで提供していたのは

もうかれこれ20年以上も前のことだと

一言ここに申し添えさせていただきます。

 

あ、もひとつ余談。

アルファベット圏の名前って面白いですよね。

 

今回、この『Alessandra(アレッサンドラ)』のネーミングにあたり

ヨーロッパ人名対照表

てのを利用させていただいたのですが、これが非常に勉強になりました。

 

英語のマイケルが、ドイツ語でミハエルで、フランス語でミシェルで

イタリア語でミケーレで、スペイン語でミゲルで

ってのはよく知られていますけれど

他にもこんなに、つか、ほとんどの名前に同様の変化があるんですね。

 

で、さらに余談。

中学校入って、英語習い始めたとき

例文で「やあ、ボブ」みたいなのがあって( )

でもボブの本名はロバートだっていうのがず~っと飲み込めなくて

魚の小骨が喉にずっと刺さってた感じだったんですが(オーバーです)

で、思い出して、ここでならわかるだろうと調べましたが、

ロバートはボブじゃなかったです。

短縮系とはありましたが、その根拠はわからないままです。

 

私が思うにはですね

Rって文字の、右下のちょろんとしたのがありますよね

これがね、なんかの間違いで、下にくっついてBになったと思うんですね

それがシャレなのか、間違って伝わったのか

あるいは、文盲が多かったからなのか(多分私はそうだと思いますが)

んで、Rob が Bob になったと。

いや、まあどうでもいいことなんですけど。笑

 

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ホットカクテルのアイディア

2015-12-03 20:03:24 | ホットカクテル

冬らしくなってきましたね。
こんな日はこんな飲み物で。

無理に冷たいもの飲まなくても。

もう何年も前から、拙著の中でも、もう口が酸っぱくなるくらい言ってるんですが

ホットカクテルが、多くの方にとってその選択肢にないってのが、とても残念でなりません。

ちゃんと作れば、ちゃんと美味しいのに。

多くの場合それは
「カクテルにホットがあるなんて知らない」か
「どんなのがあるか知らない」もしくは
「たいして美味しいもんではない」と
思われているからです。

 

ナルシスティックな
妙ちきりんでデコラティブ(装飾過剰)な
オナニー全開みたいなもんばっか作ってないで

きちんと、そのあたりからやり直した方が良いと思います。

One Day,One Cocktail Vol.1 ~Winter~ ホットカクテルのアイディア

 

 


『Hot Manhattan(ホット・マンハッタン)』岩尾オリジナル

2015-11-26 03:14:40 | ホットカクテル

ホットカクテルの季節がやってきましたですね。

とりあえず、軽~いジャブ
『マンハッタンのお湯割り』
なんてのはいかがすか?

オレンジピールでよろしくね。

 

岩尾オリジナルというほどでもないんですが
こちとらもう何年もやらせてもらってるにもかかわらず

サクッとググっても
他にちらりとも出てきませんのでね

そういうことにしときます。

バーテンダー諸氏におかれましては
どうぞご自由に
ご供出あそばせ。

但し、「ネットで面白いの見つけましてね」 
と、一言申し添えくだされ。


レシピの解釈 その2

2015-08-16 02:58:15 | カクテル理論

カクテルレシピの比率、これの分母を12にして考える。

 

これは一体どういうことかと申しますと、

 

よーするに

 

例えば、前回申し上げた『サイドカー』ってありますよね。

 

非常に非常に、代表的なクラシックカクテルです。

 

基本中の基本です。

というか、カクテルのベンチマークです。

 

大抵、どころか『サイドカー』の載ってないカクテルブックなんてありません。

100%。

 

世界中見渡しても。

断言します。

 

で、ともあれ

これのレシピは

 

ブランデー、コアントロー、レモンジュース

これを 4/2、4/1、4/1

 

ってな感じです。

 

最近はml(ミリリットル)表記なんで

30ml、15ml、15ml なんてしてますけど

 

要は

2:1:1な訳です。

 

だから分母は4でいいんです。

 

問題ありません。

 

 

なんでわざわざこの分母を12にするのかっちゅう話ですよね。

 

 

無論、単に12にしたところで何も変わりません。

 

12/6、12/3、12/3

 

当然、これだけなら意味ないっすよね。

 

だ~か~ら~

 

ここから何か見えないかっちゅう話です。

 

少しいじるわけです。

 

例えば

 

12/7、12/3、12/2

 

って。

 

 

よーするに

 

7:3:2

 

 

とりあえず、これで、いっぺん作ってみなさいな。

 

あなたの中で

カクテルのレシピの捉え方が変わりますから。

 

 

いいながら、私の奥義は

さらにまだその上にありますけどね。

 

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レシピの解釈

2015-08-11 23:00:00 | カクテル理論

レシピの比率を

「分母を12にして考える」。

それだけで、カクテルメイクのスキルは2割、アップします。

例えば

私の『サイドカー』は・・・

 

 

 

 

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カクテルは、酒の俳句である。

2015-07-03 00:51:45 | カクテル理論

カクテルは、酒の俳句である。

このことについての論考は、折を見て近々にでもしたためたい。