『新感染 ファイナル・エクスプレス』、ゾンビ×韓国バイオレンス×王道泣かせ路線という最強要素がバチィイイイッとハマった素晴らしき娯楽大作でした…
しかもまさかの全年齢、これをファミリームービーとして大ヒットさせちゃうって、やっぱり韓国は映画に強い国なんですよああうらやましいうらやましいッ!!
しかもこれ、最近はやりの「なんかめんどくさい背景を持った作品の映画化」じゃあありませんので、予習復習ほんとにいらないのでね、フラッと行ってゴバッと涙流して帰ってきてほしいなあと思います。
まず主人公がね、「仕事しすぎて嫁に逃げられた子持ちの“大沢たかお”」なんですよ。日本の大沢たかおことコン・ユさんです、大変になんかこう…リアリティのあるイケメンなんですね。もうこの時点で大人女性ホイホイなわけですけれども。
そんな大沢たかおが、娘と一緒に別居中の嫁のところに会いにいくんです、
新幹線的なのりもので。
(そう、本作の題名はウイルスの「感染」とかけたダジャレタイトルなのでした)
しかし時同じくして、町中で人々が突然凶暴化する現象が発生
(正気を失い、奇声を発しながら生きている人間を襲う「腐ってないゾンビ」!)
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どうやら噛まれるとゾンビ化するらしい
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噛まれたおねえさんがフラフラしながら新幹線に乗っちゃった
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走行中の新幹線で感染が拡大!
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完全に逃げ場ないけどどうするのマジで!!
…といった具合に物語が進んでいくのです。
どう考えても「無理ゲー」なんだけれども、ゆえにどうやってストーリーが展開されるのか超気になりますでしょう!?
もうこの設定だけで「勝ち」、ですよね…
しかも「腐ってないゾンビ」、ひとりひとりのクオリティがとっても高いんですよ…
体のパーツをありえない方向にひん曲げながら、鬼の形相で「キシャーッ!」みたいな音を出しながらね、とんでもない猛スピードで、大挙して押し寄せてくるんですよ!!
ブラピ主演ゾンビ映画『ワールドウォーZ』もびっっくりな大量ゾンビ、こんなの見たことないですよはあー最高!
そんな怖すぎ多すぎなゾンビをね、「新幹線に居合わせたおじさんたちが、一体ずつ蹴散らしながら進んでいく」からもう大変ですよ!
大沢たかおはもちろん、「韓国映画でよく見る熊系おじさん」ことマ・ドンシクさんが、丸太のようなぶっっとい腕でゾンビボッコボコにぶちのめしていく姿は、惚れないほうが無理なんですよ…
『ウォーキングデッド』みたいに気の利いた武器、無いですからね。噛まれないように腕をテーピングして殴りに行く、「無茶だけどそれしかねえから」みたいな…みたいな…(目頭を押さえながら)!!
そんな大興奮のアクションシーンがありつつも、「本当に怖いのはゾンビでなく人間なのです」的展開から乗り合わせたゲス野郎による裏切りがあったり、キャラクターに愛着が湧いた頃に突然の別れがやってきたり、ベタすぎだけど確実に盛り上がる感動演出でわんっわん泣かされたり、最終的に「感動」しか残らないっていう…
さっきまでゾンビアクションで「うおおおおお!」って心の中でこぶし突き上げてたのに、気づいたら胸締め付けられて泣いてるんですよ!
「動機はすべては大切なひとを守るため」とか、「極限状態でこそ目覚める人間の正義・もしくは逆のこころ」とか、ゾンビパニックものなのに最後はめちゃくちゃ「人として…」みたいなシンプルなところに落ちて行って、そこにベタ演出が炸裂して感動ドラマに昇華していく…
もうね誰が見ても、揺さぶられるように出来ていますから、特にゾンビに興味ない方でも安心して見に行っていただきたいなと。
「泣き」目的で映画選ぶの好きじゃないんですけれども、これはねえ泣けちゃう!もう泣きメインでもいいから、次回見に行く映画の候補にお加えくださいまし!
▼『新感染 ファイナル・エクスプレス』
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