ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する私と、皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1985年12月7日付 Phil Collins & Marilyn Martin - Separate Lives (Theme From White Nights)

2021-12-05 20:59:21 | 1985年ビルボードTop40
1985年12月7日付ビルボード All American Top40、1位の交代がありました、3位から上がっての1位はMr. Misterの"Broken Wings"。Mr. Misterですが、アメリカのロックグループ。彼らの初めてのアメリカでのヒット・Top40ヒットが初めてのNo.1獲得です。

2位は1週のみの1位からダウン、Phil Collins & Marilyn Martinの"Separate Lives (Theme From White Nights)"。この曲、映画「White Nights」サウンドトラックからのテーマ曲です。Phil Collinsですが、もちろん皆さんご存知、Genesisのドラマー兼ボーカリストで、ソロでも大ヒットを連発、"Against All Odds (Take a Look at Me Now)"などこの曲で4曲目のNo.1ヒットとなりました。一方、Marilyn Martinですが、この曲が初めてのシングルヒットで初のNo.1を記録しました。
3位は2位はからダウン、2週間の1位の大ヒット、Starshipの"We Built This City"。Starship、ルーツは60年代のJefferson Airplaneまでさかのぼります。その後、1974年にJefferson Starshipとなり、さらに1984年、ジェファーソン・エアプレイン創設メンバーのポール・カントナーがバンドを去ったことにより、Starshipとなりました。Starshipとしては初めてのヒットですが、Jefferson Airplane時代の最高位5位の"Somebody to Love"、Jefferson Starship時代の最高位3位の"Miracles"と合わせて3曲目のTop5ヒット、グループの長い歴史を経ての初めてのNo.1です。
4位は5位からアップ、Heartの"Never"。Heartですが、1975年にデビューしたアメリカンロックグループ。1975年の初めてのヒット"Magic Man"が最高位9位、それ以降ヒットを積み重ね、この曲で11曲目のTop40ヒットで初めてのTop5ヒットになりました。
5位は12位からジャンプアップ、Lionel Richieの"Say You, Say Me (Title Song From White Knights)"。Lionel Richieですが、Commodoresのメンバーで、皆さんご存知、ソロでも数々の大ヒットを持っています。ソロになってからはこの曲で10曲目のシングルですが、なんとそのシングルすべてがTop10ヒット、Top5ヒットもこの曲で8曲目となりました。

この週2位はPhil Collins & Marilyn Martinの"Separate Lives (Theme From White Nights)"。11月30日付で1週のみでしたが1位を記録。年間チャートは50位。年度の途中で年間チャートは低めでしたが大ヒットになりました。

Phil Collinsですが、言うまでもありませんね、Genesisのドラマー兼ボーカル。バンド活動に並行してソロでも大ヒットを連発しています。
ソロではまずは1981年に"In the Air Tonight"が最高位19位を記録、このシングルを皮切りに、この曲までにTop40ヒットは計10曲となりました。そのうち、まずは映画のサントラから"Against All Odds (Take a Look at Me Now)"が初めてのNo.1となり、"Sussudio"、"One More Night"と、計3曲がNo.1となり、"Separate Lives"で、ソロで11曲目のTop40ヒット、なんと4曲目のNo.1となりました。ソロでも大成功、この頃からしばらく人気の絶頂期が続きます。

一方、Marilyn Martinですが、アメリカ出身のシンガーソングライター。70年代初めから音楽活動を開始、Michael McDonaldやBoz Scaggsなどのツアーでバックボーカルを務め、さらに. Stevie Nicksなどのレコーディングにもバックボーカルで参加するなど、長く下積み活動を続けます。そしてこの曲で初めて表舞台に立ち、デュエット曲ではありますが、なんとNo.1ヒットになりました。
その後も現在まで音楽活動を続け、この後、1曲だけですが、ソロでTop40ヒットも持つことになります。

"Separate Lives (Theme From White Nights)"ですが、曲名からも分かるように映画『ホワイトナイツ/白夜』のテーマソング。
映画はバレエ・ダンサーの友情の物語。私はこの頃映画をよく見ていて、この映画を見た覚えがあるのですが、「ダンスのシーンが凄かったなぁ」との記憶があるくらいで、映画として面白かったのかは覚えていません。

でもこの映画、とにかく挿入歌に特大のヒットがあったことから有名です。もちろんこの曲"Separate Lives (Theme From White Nights)"と、この週5位に急上昇してきたLionel Richieの"Say You, Say Me (Title Song From White Knights)"です。2曲のNo.1となるサントラ盤、なかなか他にないですね。

さて"Separate Lives (Theme From White Nights)"ですが、なんとこの曲の作者はStephen Bishop。Phil Collinsではないのです。なぜStephen Bishopの曲が映画に取り上げられたのか、経緯についてはよくわかりませんでした。

さてそのStephen Bishopですが、アメリカ出身のシンガーソングライター、素晴らしい曲を作るのです。
1977年に最高位11位を記録した"On and On"をはじめ、4曲のTop40ヒットを持っていて、Top40ファンにはおなじみですね。"On and On"については、もう8年も前の記事ですが、こちらをご覧ください→→→
彼の4枚目のアルバム『Sleeping with Girls』にはこの曲のStephen Bishopバージョンが収録されています。"Separate Lives"、やっぱり曲が良かったです。


Stephen Bishopのライブバージョンがありました。


今週 先週 song / artist
1 3 BROKEN WINGS / MR. MISTER
2 1 SEPARATE LIVES (THEME FROM WHITE NIGHTS) / PHIL COLLINS & MARILYN MARTIN
3 2 WE BUILT THIS CITY / STARSHIP
4 5 NEVER / HEART
5 12 SAY YOU, SAY ME(TITLE SONG FROM WHITE NIGHTS) / LIONEL RICHIE
6 4 YOU BELONG TO THE CITY / GLENN FREY
7 8 ELECTION DAY / ARCADIA
8 7 WHO'S ZOOMIN' WHO / ARETHA FRANKLIN
9 9 PARTY ALL THE TIME / EDDIE MURPHY
10 10 SLEEPING BAG / ZZ TOP
11 11 ALIVE & KICKING / SIMPLE MINDS
12 6 LAY YOUR HANDS ON ME / THOMPSON TWINS
13 16 I MISS YOU / KLYMAXX
14 21 SMALL TOWN / JOHN COUGAR MELLENCAMP
15 19 PERFECT WAY / SCRITTI POLITTI
16 27 THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR / DIONNE & FRIENDS
17 25 TONIGHT SHE COMES / CARS
18 24 SISTERS ARE DOIN' IT FOR THEMSELVES / EURYTHMICS AND ARETHA FRANKLIN
19 28 WALK OF LIFE / DIRE STRAITS
20 26 WRAP HER UP / ELTON JOHN
21 31 EMERGENCY / KOOL & THE GANG
22 14 MIAMI VICE THEME / JAN HAMMER
23 33 TALK TO ME / STEVIE NICKS
24 20 YOU ARE MY LADY / FREDDIE JACKSON
25 18 PART TIME LOVER / STEVIE WONDER
26 15 ONE OF THE LIVING / TINA TURNER
27 34 BURNING HEART / SURVIVOR
28 29 OBJECT OF MY DESIRE / STARPOINT
29 13 BE NEAR ME / ABC
30 17 HEAD OVER HEELS / TEARS FOR FEARS
31 35 LOVE IS THE SEVENTH WAVE / STING
32 36 CONGA / MIAMI SOUND MACHINE
33 37 YOU'RE A FRIEND OF MINE / CLARENCE CLEMONS & JACKSON BROWNE
34 22 SOUL KISS / OLIVIA NEWTON-JOHN
35 39 DO IT FOR LOVE / SHEENA EASTON
36 23 LOVE THEME FROM ST. ELMO'S FIRE / DAVID FOSTER
37 44 IT'S ONLY LOVE / RYAN ADAMS / TINA TURNER
38 40 EVERYBODY DANCE / TA MARA & THE SEEN
39 42 SUN CITY / ARTIST UNITED AGAINST APARTHEID
40 49 GOODBYE / NIGHT RANGER

コメント (42)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« トンプソン・ツインズ Thomps... | トップ | Eurythmics and Aretha Frank... »
最新の画像もっと見る

42 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
嫌われ者2曲が№1 (hannah)
2021-12-05 21:48:43
星船さん、こんばんは。
P.Collinsにとっては2曲目の映画の№1ですが、M.Martinは初ヒットですね。
星船さんの紹介で初めて知ったのですが、70年代からのキャリアのベテランでM.McDonaldとかBozとかの大物と共演の実績があったんですね。
さて映画のWhite Nightsですが、映画はあまりヒットした記憶はありませんが2曲の№1、しかも一般的には当代きっての嫌われ者2人の№1でした。(僕は嫌いではありませんよ)
Unknown (ハリジョージスン)
2021-12-05 22:09:29
こんばんは。うっ!苦手なサントラ曲が来てしまった!でも作者のスティーブン・ビショップは好きですよ。「On&On」も好きだし2ndアルバム「Bish」も持ってたし。本当に優しいメロディを書く人であります。アート・ガーファンクルがスティーブンの曲を採り入れたり、スティーブンのアルバムに参加したりしてて、この曲もアート・ガーファンクルに歌って欲しかったなぁ。
フィル・コリンズは、おそ松くんのチビ太にしか見えん!(ファンの方、スミマセン)
作者曰く「怒りの曲」だそうです (音時)
2021-12-05 22:21:47
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/30843962.html
フィルのソロ「FaceValue」の“This Must Be Love"でスティーヴンがバックボーカルで参加していて、またスティーヴンは「アニマル・ハウス」や「トッツィー」で映画音楽でヒットを出していたので声がかかったんでしょうね。また、スティーヴン・ビショップの1985年の4thアルバム「SLEEPING WITH THE GIRLS 」はレコード会社との関係か、香港でしか発売されなかったらしく、スティーヴンからすると世界的に自分の曲を聴いてもらえるチャンスと考えたのかもしれません。歌詞を一部、映画に合わせて変えたとコメントしてましたがどこだかわかりませんでした。
 いずれにせよ、この曲はロマンティックなものではなく、スティーヴン曰く「怒りの歌」とのこと。自分自身の別れを経験した歌を人にプレゼントするっていうのがスゴイですよね笑。
 マリリン・マーティンは無名ながらもデュエットですが、全米No1シンガーになったシンデレラになりましたが、バラードシンガーであるレッテルを貼られてその後困ったとコメントしています。
 フィルはもうドラムも叩けなくなってしまって淋しい限りですが、マリリンと再会したツーショット写真がTwitterに出て話題を集めていました。(微笑ましい写真です)
 f
Unknown (太ったボンジョビ ๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐)
2021-12-05 23:37:35
なんだかんだ「誤解」からバンドとソロとこのデュエットとで「ジーザスヒーノウズミー」までずっと毎年どっかにチャートの40以内に居たフィル・コリンズ、大したものですね。
わたしが好意的に思っていたのは83年のザッツオールまでですかね。んでこのセパが好きな人はワンモーナイトも好きだったんですかね?
イージーラバーはカッチョいいのは間違いないのですが、スローなフィル・コリンズにはちょと…いや…あの…。
私としてはシスコか次のミスターのみなさんのどちらかに3週のNo.1を獲ってもらいたかったです。
ただこれロクに聴いてないのに、フィル・コリンズの入りかた、マリリーンの引き継ぎ、デュエット開始から終わりまで結構覚えているのは、やはりビショップの曲が良かったんですかね?
とニワカとしては作者がフィル・コリンズでなかったので、んなら「いいね」にしようかなと………こういうことって有りますよね?ないかな?
Unknown (安全牌🌻)
2021-12-06 11:54:30
オーソドックスなカントリーフォークでとどめの一発!。私はチビ太よりもトド松だ。髭剃り痕は青くて…ジョ~リ…ジョリ…🎶
Unknown (blackmore1207)
2021-12-06 12:43:37
こんばんは。
ジェネシスではプログレらしい繊細なフィルなのにソロ作ではアメリカ被れ?になってしまったんだろうと思います。
実際のところ離婚問題を歌詞にしてストレスを解消していたようですね。
実は本人が初めてリード・ヴォーカルをとったのがジェネシスの『月影の騎士』からで、ピーターと比べると声量は低かった気がします。しかし脱退の後フィルがヴォーカリストになり予想に反して頑張り、素晴らしい歌と曲を聴かしてくれた点が大ヒットに繋がったのかも知れないですね!
因みに髪の毛の薄さも気にせずにジャケットに自らの顔を堂々と出してしまう今も変わりませんが……(笑)
Unknown (blackmore1207)
2021-12-06 18:18:36
こんばんは。
MARILYN MARTINのソロがストリーミングであったので少し聴いてみました。シーナイーストンにちょっと近いかなと思います。残念ながらチャートのほうは振るわなかったようですね。
映画はイマイチでしたが (hannah)
2021-12-06 22:01:28
星船さん、こんばんは。
P.Collins2曲目の映画の№1ですが、84年の♪Against All Odds♪も映画はイマイチヒットしませんでした。
にもかかわらず№1になるのは、アーティスト+楽曲の良さでしょうかね。
この曲もS.Bishop作でさすがにいい曲を書きます。
彼は本人よりもソングライターとしての方がヒット曲はおおかったでしょうか。
Unknown (太ったボンジョビ °(ᐡ•̥ᴥ•̥ᐡ)°)
2021-12-06 22:19:27
ごんばんは~♪
この頃のフィル・コリンズには何ひとつ興味がないんでマリリーンマーチン!
ナイトムーブズは来春の話として…
まさかのスティービーニックスのバックコーラスだなんて、今週その女帝も上昇しまくってるし、「素敵な偶然」ですね?
(なんか安いタイトルみたいす)
いやー、何を歌っていたんだろーか?86年の状態でまだえらい若く見えたので、ベラドンナでマイナス5年、ワイルドハートでもマイナス3年な訳ですよね?
それで女帝のバックコーラスに居たとは、才能があって、それを見いだされたという幸運?
いやー、もしエッジオブ17のコーラスだとしたらたまらんですな。あの曲の変調部→あと2展開はドラマチック過ぎますもの、歌いながら泣いてしまいますよ。
(あゆもマリアのヤツでやたら泣いてた…割に好きです)
大物のアルバムに (星船)
2021-12-06 22:25:04
hannahさんこんばんは。
Marilyn Martinですが、この曲にソロでのもう一曲は小ヒットでしたので、私も彼女のことについてはあんまり知らなかったので、今回調べました。ただ、これまでも大物のアルバムにバックで参加していたのをたまにみかけました。表舞台ではありませんでしたが古くから活躍していたのですね。
映画は、ダンスがテーマということで、音楽に金をかけたのでしょうか?

コメントを投稿

1985年ビルボードTop40」カテゴリの最新記事