ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する私と、皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1986年9月13日付 ベルリン Berlin - Take My Breathe Away Love Theme from "Top Gun"

2022-09-11 21:58:36 | 1986年ビルボードTop40
1986年9月13日付ビルボード All American Top40、この週も1位の交代がありました、2位から上がって1位はBerlinの"Take My Breathe Away Love Theme From ”Top Gun””。曲名から分かるように、大ヒット映画「Top Gun」のテーマ曲です。Berlinですが、アメリカ出身のロックバンド、1984年に最高位23位を記録した"No More Words"が初めてのTop40ヒット。この曲が2曲目のヒットで、ついにNo.1獲得です。

2位は4位からアップ、Lionel Richieの"Dancing On The Ceiling"。Lionel Richieですが、1984年にCommodoresを脱退します。ソロ活動については、脱退前から開始し、1981年に、Diana Rossとのデュエット"Endless Love"が、9週間の1位の歴史的な大ヒットを記録、その後も大ヒットを重ね、この曲を含め、計11曲のソロシングル全部がTop10ヒット。そのうち、この曲を含め7曲がTop3ヒットで5曲がNo.1となりました。
3位は6位からアップ、Huey Lewis & The Newsの"Stuck With You"。Huey Lewis & The Newsですが、最高位7位の初のTop40ヒット"Do You Believe in Love"以来、この曲で通算9曲目のTop40ヒット、そのうち7曲がTop10入り、No.1を記録した"The Power of Love"に続く2曲目のTop3ヒットになりました。
4位は5位からアップ、Carl Anderson And Gloria Loringの"Friends & Lovers"。テレビドラマ「Days of Our Lives」の挿入歌、「Days of Our Lives」ですが、アメリカ版「昼メロ」です。Carl Anderson もGloria Loringも、俳優兼シンガー。両者とも、アルバムを出してはいるようですが、初めてのTop40ヒットがTop5まで上がってきました。
5位は1週のみの1位からダウン、Bananaramaの"Venus"。Bananaramaですが、イギリス出身のガールグループ。Top40には、84年に"Cruel Summer"が最高位9位を記録、この曲が2曲目のTop40ヒットで、初めてのNo.1獲得です。

この週1位はBerlinの"Take My Breathe Away Love Theme From ”Top Gun””。邦題は「愛は吐息のように (トップガン・愛のテーマ)」。1位はこの週の1週間、年間チャートは27位。2曲目のTop40ヒットで、ついにNo.1獲得です。

Berlinですが、アメリカカリフォルニア州出身のニューウエイブ系ロックバンド。バンド名「Berlin」は、ドイツの首都「Berlin」からとったようですが、アメリカ出身なんですね。
ベーシストでバンドの曲のほとんどを書いているソングライターの John Crawfordが中心となって、70年代後半から活動を開始。1980年にファーストアルバム『Information』をリリースしますが、このファーストは全く売れなかったようです。バンドメンバーで目立つのはボーカルのTerri Nunnですが、彼女は一度バンドに加わりながら、一旦はバンドを脱退していて、このファーストでは別の女性ボーカルでした。

バンドが世に出たのはセカンドアルバム『Pleasure Victim』から、このアルバムからは2曲のシングルがHot100には入りましたが、Top40入りは逃しました。この時のボーカルにはTerri Nunnが復帰し、メンバーも全部で7人いたようです。

1984年にリリースしたサードアルバム『Love Life』が、アルバムではバンドで一番売れたアルバムとなりました。アルバムのプロデューサーには、アルバムの中の2曲だけですが、Giorgio Moroderも参加しています。そのうちの1曲が"No More Words"で、最高位23位を記録する、バンドで初めてのTop40ヒットを記録しました。この時のバンドは、リーダーのJohn Crawfordと、ボーカルのTerri Nunnの二人だけになっていたようです。

そしてこの曲"Take My Breathe Away Love Theme From ”Top Gun””、曲の作者は、映画「Top Gun」の音楽プロデューサーから依頼されたGiorgio Moroderと、ソングライターの Tom Whitlock の共作。Giorgio MoroderとのかかわりがあったBerlinが、この曲を演奏するようになったようです。
この曲、映画に合わせた美しいバラード、Giorgio Moroderが作っただけあって、シンセサイザーを駆使した曲になっています。映画の大人気もあり、また、良いシーンに使われたこともあり、大ヒットに繋がりました。このサントラからのファーストシングル、Kenny Logginsの"Danger Zone"を上回る大ヒットでしたね。

映画「Top Gun」ですが、戦争映画ですので、賛否はあると思いますが、娯楽作品として、とっても面白かったです。ちなみに、大ヒット中の続編の「Top Gun: Maverick」も見てきました。続編も大変面白かったです。ネタばれになりますので、多くは書きませんが、映画の中に、70年代、80年代のロックが流れてきて、そこも楽しめた映画でした。


この曲、2004年に、アメリカのシンガーソングライターJessica Simpsonがカバーして、最高位こそ20位ですが、年間のシングルセールスで10位を記録する大ヒットとなっています。


今週 先週 song / artist
1 2 TAKE MY BREATH AWAY(LOVE THEME FROM "TOP GUN") / BERLIN
2 4 DANCING ON THE CEILING / LIONEL RICHIE
3 6 STUCK WITH YOU / HUEY LEWIS & THE NEWS
4 5 FRIENDS AND LOVERS / CARL ANDERSON & GLORIA LORING
5 1 VENUS / BANANARAMA
6 3 HIGHER LOVE / STEVE WINWOOD
7 7 SWEET FREEDOM(THEME FROM "RUNNING SCARED") / MICHAEL MCDONALD
8 8 WORDS GET IN THE WAY / MIAMI SOUND MACHINE
9 10 WALK THIS WAY / RUN-D.M.C.
10 11 BABY LOVE / REGINA
11 13 DON'T FORGET ME (WHEN I'M GONE) / GLASS TIGER
12 14 DREAMTIME / DARYL HALL
13 15 LOVE ZONE / BILLY OCEAN
14 9 PAPA DON'T PREACH / MADONNA
15 16 MAN SIZE LOVE(FROM "RUNNING SCARED") / KLYMAXX
16 17 THE CAPTAIN OF HER HEART / DOUBLE
17 22 TWO OF HEARTS / STACEY Q
18 24 WHEN I THINK OF YOU / JANET JACKSON
19 12 RUMORS / TIMEX SOCIAL CLUB
20 25 THROWING IT ALL AWAY / GENESIS
21 26 PRESS / PAUL MCCARTNEY
22 19 YANKEE ROSE / DAVID LEE ROTH
23 28 MISSIONARY MAN / EURTHMICS & ARETHA FRANKLIN
24 18 GLORY OF LOVE(THEME FROM "THE KARATE KID PART Ⅱ) / PETER CETERA
25 30 HEAVEN IN YOUR EYES / LOVERBOY
26 31 ALL CRIED OUT / LISA LISA & CULT JAM
27 39 TYPICAL MALE / TINA TURNER
28 33 LOVE WALKS IN / VAN HALEN
29 32 TWIST AND SHOUT / BEATLES
30 36 HEARTBEAT / DON JOHNSON
31 20 MAD ABOUT YOU / BELINDA CARLISLE
32 34 MONEY$ TOO TIGHT(TO MENTION) / SIMPLY RED
33 37 A MATTER OF TRUST / BILLY JOEL
34 21 WE DON'T HAVE TO TAKE OUR CLOTHERS OFF / JERMAINE STEWART
35 41 SWEET LOVE / ANITA BAKER
36 23 THAT WAS THEN, THIS IS NOW / THE MONKEES
37 40 POINT OF NO RETURN / NU SHOOZ
38 43 I DIDN'T MEAN TO TURN YOU ON / ROBERT PALMER
39 35 VELCRO FLY / ZZ TOP
40 44 TRUE COLORS / CYNDI LAUPER

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26 コメント

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もう1曲の方を選んでいたら… (音時)
2022-09-11 22:21:59
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/27539925.html
プロデューサーのジョルジオ・モロダーは最初は“Danger Zone”と“Take My Breath Away”の2曲ともベルリンに渡し、どちらか選ばせたようです。ベルリンが「Danger Zone」を選んでいたらどうなってたでしょうかね!(笑)。本当はジョルジオは「Danger Zone」をベルリンに歌わして男女のデュエットにしたかったようです。(「ビルボード・ナンバー1ヒット1985-1988」音楽之友社)
Unknown (太ったボンジョビ ( `Д´-;))
2022-09-11 22:28:59
ビデオはお初でありました、ありがとうございます。
映画はレンタルさえしてなかったですなテヘヘ。
予想以上にトンクルと教官のバトル動画でありました。
こちらは84年のアルバムジャケット以来のテリーナンの美貌を拝もうとウヒョウヒョだったのですが、なんか見えづらくて可哀想。あのジャケットは80年代でもかなりのイイ画像だと思うのですが…。
では曲はまた明日であります。
サウンドトラックの魔術 (hannah)
2022-09-12 00:29:08
星船さん、こんばんは。
サウンドトラックは時として、無名に近いアーティストを1位にすることがあります。
Berlinもほぼ無名に近かったですが、この曲の1位で一躍有名になりました。
83年の♪Maniac♪のM.Senbeloや85年の♪St. Elmos Fire♪のJ.Parrなどもそうですね。
それが面白いところでもあります。
彼らはその後ヒットには恵まれなかったので、抜擢されたことは非常にラッキーでした。
Unknown (かんた)
2022-09-12 19:38:46
アメリカ出身なのにベルリンとは、これいかに?
音の響きががカッコいいから?
そういえば最近は、俗にいうキラキラネームというのが多くなっていますが、その名付け親世代というのは、ウォークマン世代なんだそうです。
つまり、漢字の意味から名前を付けるのではなくて、言葉の響きのカッコよさから名前を付けるのだそうです。
そうなってくると、必然的にキラキラネームが増えてくるのだそうです。
そう考えると、アメリカ出身なのに、音の響きのカッコよさだけで「ベルリン」というバンド名にしたのなら、これは紛れもなく、キラキラネーム・バンドということになりますね。
Unknown (かんた)
2022-09-12 19:45:49
>hannahさん

無名のアーティストがサントラで1位を勝ち取った例としては、たしかサバイバーの『アイ・オブ・ザ・タイガー』もそうだったはず。
しかも彼らは、マイケル・センベロやジョン・パーと違って、その後も、ヒットを連発していますよね。
この美しいバラードは? (星船)
2022-09-12 21:26:58
音時さんこんばんは。
「Danger Zone」がベルリンで、男女のデュエットですか、なんか想像できないなぁ。「Danger Zone」も、ベルリンが演奏するとしたら、もっとシンセポップ調になったかもしれませんので、だいぶ印象も変わったかも、良くなるか、悪くなるかは、なかなか分かりませんが。
音時さんのブログ記事にありましたが、マネージャーさんの「"Take My Breath Away"はベルリンの本質を現した曲じゃなかった」と、この美しいバラードは、大ヒット狙いではありかもしれませんが、やっぱり違和感はありますね。傾向が違う音楽だったでしょうか。
スターウォーズに出ていたら (星船)
2022-09-12 21:27:48
太ったボンジョビさんこんばんは。
テリー・ナンさん、美貌の持ち主ですね。元々は、歌手兼女優だったようで、Wikiによると、スターウォーズの「レイア姫」のオーディションを受けて、残念ながらキャリー・フィッシャーさんにとられたとのこと、もし、スターウォーズに出ていたらこの曲の「ベルリン」はなかったわけで、わからないものです。
ケニーロギンスにぴったり (星船)
2022-09-12 21:28:38
Hannahさんこんばんは。
映画音楽で、特にテーマ曲に使われる曲は、ソングライターも力が入っていますので、良い曲が多いですね。Hannahさんのおっしゃるように、これまでも、映画のテーマ曲の名曲がいくつもありました。ただ、映画プロデューサーの意向が大きく影響しますので、そのバンドに合った曲かというと、わからない曲もありますね。音時さんのブログによると、ベルリンのこの曲は、バンドの本質とは違ったようで、難しいものです。一方で、“Danger Zone”は、ケニーロギンスにぴったりだったと思います。
「ウエストコースト・サウンド」が嫌い (星船)
2022-09-12 21:41:32
かんたさんこんばんは。
私も、本文にも書きましたが、なんでアメリカ出身なのに「Berlin」なんだろう、と思っておりました。で、音時さんのブログ記事によると、リーダーが、「ウエストコースト・サウンド」が嫌いで、「"退廃的で神秘的"なインターナショナルな名前」ということでベルリン、だそうで、やっぱり言葉の響きで付けたのでしょうか。
新人でいきなり映画のテーマ (星船)
2022-09-12 22:13:39
かんたさん続けてこんばんは。
そういえば、映画のテーマ音楽は、映画音楽専門のミュージシャンか、または、すでに大物になったバンドか、というのが多かったですね。新人でいきなり映画のテーマを任される、というのは珍しいことなのでしょう。そんな中で、サバイバーが、その後もヒットを続ける、そこはさすがでした。自分たちで作った曲、というのも良かったかもしれません。

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