神の名は神聖であるが、あなたの名以上に神聖なのではない。神の名に呼びかけるということは、あなた自身の名に呼びかけることである。
父親はわが子に自分の名を授け、その子を自分と同一のものとみなす。
神の名を繰り返しなさい。
そうすれば、全世界がそれに応えて幻想を放棄する。
この世界が大切にしているあらゆる夢が忽然と消え去り、それが存在したと見えた場所に、あなたは一つの星、恩寵の奇跡を見出す。
病んだ者は、病気の想念を癒やされて起き上がる。
盲目の者は見えるようになり、耳の聞こえなかった者は聞こえるようになる。
悲嘆にくれた者は嘆きを捨て去り、幸せな笑い声が世界を祝福しにくれば、苦痛の涙も乾く。
神の名を繰り返しなさい。
そうすれば、卑小な名前は意味を失う。
神の名の前にあっては、すべての誘惑は名もなく望まれぬものとなる。
神の名を繰り返し、神と同じ名を持つあなたの真の自己に呼びかけなさい。
神の名を繰り返せば、地上の小さく名もなきものすべてが、正しい視座におさまる。
神の名を繰り返しなさい。
そうすれば、あなたは神を実相の唯一の創造主と認めたことになる。そしてまた、神の子が神の一部であり、神の名において創造していることを是認する。
黙して座り、神の名を、あなたの心を完全に包む包括的な想念となるようにする。
これ以外の想念はすべて鎮める。
神の名にあなたの解放を求めるなら、それは与えられる。この祈りはその中にすべてを含んでいるので、これ以外の祈りは不要である。
神の子が父の名に呼びかけるとき、言葉は重要ではなく、何も要請する必要はない。
父の想念が彼自身のものとなる。
彼は父が与えたすべてを今も与えており、永遠に与え続ける一切を自分のものとして宣言する。
彼は自分が作り出したと思った一切をのものを、今や名無しのものとさせるように神に呼びかけ、そうしてそれにかわって神の名が、これらを無価値とした彼の判断を表すものとなる。
すべての卑小なるものが沈黙する。
卑小なざわめきは今や音を失う。
地上の卑小なものは姿を消した。
宇宙は唯一、父に呼びかける神の子だけで構成されている。そうして父の声が父の神聖な名において答える。父の名において、私たちは今日この平安を体感しようとする。そして神の名において、それは私たちに与えられる。