耳の短いウサギ 番外編 [耳の短いウサギシリーズ]
ある山に一匹だけ耳の短いウサギがいました。
本当はウサギは鳥のように1羽2羽と数えます。
耳の短いウサギは東日本大震災の被災地にやってきました。
そこには、たくさんの亡くなった人たちがぼーっと海の方を眺めていました。
耳の短いウサギは、その人たちの前にぴょんぴょんとはりきって出て行きました。
そして、お空に向かって短い耳を立てました。
するとどうでしょう。短い耳から光線のような物がお空に向かってぴーーーーっと真っ直ぐに飛び出しました。
そして、お空のスクリーンに、いままで耳の短いウサギが見てきた物が次々と映し出されました。
1年生の笑顔、幼稚園児の笑顔、幼稚園の先生の笑顔、6年生の笑顔、小学校の先生の笑顔、バレーボールをしているお母さんたちの笑顔……
それを見た亡くなった人たちは、だんだん笑顔になり、みんな幸せの国へと旅立っていきました。
地面には太陽の光が降り注ぎ、新しい草がどんどん生えてきました。
希望の光が、全部を包み込みました。
耳の短いウサギは、今度はがっかりしないで、空高く飛び上がって、にこにこの笑顔で山に帰っていきました。
じゃ、おやすみ。
2022-02-22 00:00
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コメント(2)
共通テーマ:育児
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楽しいお話をいつもありがとうございます。
素敵なうさぎさんのお話で、世界がまた一つ広がったような心地がします。
次回の更新が楽しみです。
by ななな (2022-03-04 22:35)
コメントありがとうございます
「世界がまた一つ広がる」なんて 読んでくださる皆さんの捉え方が素晴らしくてたくさん読んでいただいているのだなと感じました
by 泉水篤 (2022-03-08 16:58)