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モモンガが感動したこと(耳の短いウサギの話スピンオフ) [耳の短いウサギシリーズ]

ある森に、かわいいモモンガが住んでいました。
モモンガは前足と後ろ足の間に膜があって、四本の足を広げて木から木へ、とてもかっこよく飛ぶことのできる動物です。
森では、「最近、ウサギが空を飛び始めたらしい」といううわさが流れていました。
それを聞いたモモンガは、「ウサギが空を飛ぶなんて、そんなバカな」と思いました。
そこで、ウサギが飛ぶところを見に行こうと出かけました。
ところが、ウサギは全然いません。探すのも面倒なので、モモンガは膜を広げてかっこよく空を飛びながら帰ろうと思いました。
すると、木の葉っぱが、ざざざざ、ざざざざっと動いているのに気が付きました。
「何かいるな。ウサギかもしれない」と思ったモモンガは、近くの木に着陸して様子をのぞき込みました。
すると、葉っぱがいっぱい付いた木の枝を、たくさんのリスが走り回っていました。
「なんだ、リスか」そう思って帰ろうとしたとき、リスたちが、木の枝の先からピョーーーーンと跳びました。でも、近くの枝までも跳ぶことができずに、どてっと落ちたりしていました。
モモンガは、おなかをかかえて笑いながら、「ウサギが飛ぶっていう話を聞いて、リスたちも飛ぶ練習を始めたんだな。バカだなぁ、リスが飛べるわけないのに……」と言いました。
モモンガに笑われても、リスたちの練習は続きました。何度も何度も、落ちても落ちても、リスたちは一所懸命に飛ぶ練習を続けました。
すると、ある1匹が10メートルも離れた枝まで、見事にジャンプしました。続いて他のリスたちも次から次へと遠くまで飛び始めました。それはそれは見事なジャンプが続きました。
モモンガはびっくりしてぽかーーんと空を見上げました。
感動したモモンガは家に帰ってお母さんにリスたちの話をしました。
モモンガのお母さんは言いました。
「バカだねぇお前は。リスが飛ぶ練習をして、上手に飛べるようになったのがモモンガなんだよ。リスが飛べるのは当たり前じゃないか」
モモンガはまたまたびっくりして、水たまりの自分の姿を見に行き、「お母さんの言うことは本当だ。ウサギが飛ぶというのも本当にちがいない」と思いました。
じゃ、おやすみ。


2022-03-22 06:50  nice!(0)  コメント(0) 
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