Son | よどみにうかぶうたかた

よどみにうかぶうたかた

淀んだ頭に時たま浮かんでくる泡沫を書き残しています。

メトロのシテ駅から地上に上がったところは、警視庁や市立病院がある一角で静かな雰囲気だったが、通りに出ると人も車もやっぱり多い。



ノートルダム橋から西を望む
左側がシテ島。
手前に見えるのがポン・オー・シャンジュ(両替橋)、
見えにくいが、奥にポン・ヌフ。
シテ島側の、両替橋の向こうに見えるトンガリ屋根の建物が、マリー・アントワネットの独房もあったという、当時の牢獄、コンシェルジュリー。


さて、実際に現地に行かずガイドブックなどを眺めているだけではなかなか想像できないのが、
その地を流れる音や匂いなどを含めた全体的な雰囲気だ。
特に音に注目して周ると、
また違った楽しみがある。

メトロの駅構内では、
あちらこちらで選ばれたミュージシャンが楽器を演奏している。
サン・ラザール駅などの国鉄の駅には、
客が自由に弾けるピアノが置いてあり、
その音色が聞こえてくる。
パリの街中は、
車の走行音やクラクション、行き交う人々の声などで、
想像以上に騒がしい。



ノートルダム大聖堂


ノートルダム大聖堂の前(に限らずどの観光地でもだが)も、観光客の話し声に物売のかけ声が入り雑じって、なかなか賑やかであった。
それでもあの有名なノートルダムの鐘が鳴り出すと、特別な場所に来たという感慨にひたれるのである。
その思いは、聖堂の中に入ると一層大きくなった。




中ではちょうどミサが行われていて、荘厳な空間に神父の声や聖歌の歌声が響いていた。
神の世界の演出と言って良いのだろうか?

信者ではないが、椅子に座ってしばらくその世界を味わうことができた。



アルコル橋とパリ市庁舎
その右に見えるのが、サン・ジェルヴェ・サン・プロテ教会。


シテ島を後にし、次に向かったのは、マレ地区にあるサン・ジェルヴェ・サン・プロテ教会。
ここでもミサが行われ聖歌を聴くことができるというので行ってみた。
ノートルダムよりは大分小さいが、やはり神聖な空間に浸ることができた。

ノートルダム大聖堂などのミサの様子は、KTOというカトリック教会のテレビ局のサイトで見ることができる。

KTO ノートルダム大聖堂ミサ


この日の夜は、モンマルトルにある老舗のシャンソニエ「オ・ラパン・アジル」に行った。
本場のプロのシャンソン歌手達の歌を堪能した。
……にとどまらず。
日本人の変な発音がよほど面白かったのだろう、
何度もダシにされ歌わされてしまった。
とても楽しい時間であった。




「ノートルダムの鐘」
(ディズニー映画『ノートルダムの鐘』フランス語ver.より)