Facing The Fire (The October Horses Book 2) | First Chance to See...

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エコ生活、まずは最初の一歩から。

 ヤングアダルト馬小説、The October Horsesの続編。最初の1作だけでもストーリーは一応完結していたが、続編があればやはり読みたくなるというもの。

 

 

 物語は、主人公のブリーがThe October Horsesで過ごす最初の冬の寒さに辟易しているところで始まる。この牧場があるのはカナダなので(前作を読んでいた時は勝手にアメリカだと思い込んでいたが、舞台はカナダで著者もカナダ人だった)、雪の多い冬場に馬の世話をするのは大変なのだ。

 

 そんな折、人気歌手であちこちの都会にツアーに出ている妹のアンジェリカから、知り合いの女の子アディを牧場で預かってほしいとお願いされる。アンジェリカいわく、この女の子は両親と8人の兄弟姉妹、計10人(!)で歌手グループ「ウィルソン一家」として売り出し中(「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ一家みたいなものか?)だったが、自宅が火事になった際に彼女だけ喉を煙でやられて歌えなくなり、そのせいで家族と一緒にツアーに参加するのがしのびなくなった、というのだ。

 

 アディは田舎の牧場育ちだから乗馬にも慣れている、と、アンジェリカは言うが、そんなこと言われてもそもそもこの牧場はブリー個人の所有物ではない。が、ブリーがダメ元で相談すると、The October Horsesの面々は至って気さくにアディの受け入れを承諾してくれ、またはるばるやってきたアディもすごく良い子だった——乗馬歴に関しては、実は子供の頃に飼っていたポニーと遊んだことがあるだけだったけれど、馬に対して基本的にすごく前向きだし、かつ、指示された通りにちゃんと馬の世話をして重労働もいとわない。ただ、とても良い子だからこそ、アンジェリカが敢えてブリーに語らなかった、複雑な家族の事情がアディにはあった。

 

 前作は最初から最後までブリーの一人称だったが、今作ではブリーが一人称の章とアディが一人称の章が混在している。章の最初にそれぞれの名前が書かれているので、今自分が読んでいる章の「私」が誰なのかで迷うことはないけれど、昨今よく見かけるこの手の構成って、私にはちょっと安易に思えてならない。とは言うものの、いったん読み出したら続きが気になってやめられないのも確かだし、そして今回のFacing The Fireを読み終えるや否や、まんまとシリーズ最終巻Keeping Chillyをポチってしまいましたとも、ええ!