「値決めは経営」とは言うものの | 会計事務所応援 ブログ

「値決めは経営」とは言うものの

みなさん、こんにちは。

先日、ZOOM個別相談でお会いした
某若手税理士先生のお話です。

「このところ、
 税理士紹介サービスからオファーの来る先は
 そのほとんどが年報酬20~30万円台で、
 記帳代行まで込みが当たり前。

 実際にお会いしてみると、
 さらに値切れないかを探ってくることもある...

 正直なところうんざりしている」

所長先生、パート、アルバイトの3名体制。
開業してまだ3年ほど。

お客様を選んでいる余裕などないと、
できるだけオファーを断らずやってきたものの、
お客様も、スタッフの入れ替わりも激しく
疲れ切っている様子でした。

そのようななか私たちのグループ、
エヌエムシイ税理士法人実践事例公開Webセミナーを
ご視聴いただき、

私たちが平均報酬単価100万円の実現まで
あとわずかのところまで
来ているという情報を知り、

「件数を追わずに、
 単価を上げたほうが得策かもしれない」

と考えられるきっかけとなったと聞きます。


ただ、報酬単価を上げるというのは、
そうそう簡単にひらめいて
実現できるものではありません。

私たちのグループ税理士法人でも、
50年近い試行錯誤を
繰り返した歴史があるからこそ
そこまでたどり着くことができましたが、

少なくとも、件数をカバーする目的で
単価を上げようとする考え方では、
なかなか実現は難しいような気もします。


そういえば以前、
こんなことを教えてくれた
都内大手事務所の
税理士先生がいらっしゃいました。

「木村さん、うちは昔から法人のお客様は
 月7万円~って決まっているの。

 同業の先生からは『高いねぇ』って言われるけど

 月7万円のお客様は、月7万円支払えるレベルの
 お客様ばかり紹介してくれるし、

 報酬の高いお客様のほうが
 ひょっとしたら些細なことで
 クレームに発展することも少ないのかもしれない。

 また、月7万円以上のお客様に
 不満を与えないようなサービスを
 職員は日々創意工夫して
 実践しなければならないから

 採用する際も、
 それなりのスキルを要求する代わりに
 それなりの条件も提示する。

 あまり詳しくは聞かないけど
 みなさん欲張って、
 条件に満たないお客様や職員を
 安易にとってしまうから
 どんどん低い方低い方へと
 流れてしまうんじゃないかな...」

とのこと。

会社を経営されている方が
その事務所の良し悪しを
自ら評価されるのですから

事務所が高い報酬体系を維持するには、
やはり高品質なサービス、
それらを実現するための高いスキル、
モチベーションを備えたスタッフなしには
難しいのかもしれません。


その一方で、
たとえ平均単価は低くとも
地元のお客様のニーズにマッチしており
効率の良い仕事で手堅く利益を出し、
規模を拡大している事務所も全国にあります。


国内の大多数が中小零細企業であり、
支える会計事務所もまた
中小零細組織という事実を考えれば、
 
むしろ高効率・低価格の戦略のほうが、
勝てる確率は高いのではないと私は考えます。



冒頭にあげた先生が、
今後どちらの路線で
戦略を立ててゆくのかはわかりませんが、

現段階においては、
一定の人員が安定的に確保できるレベルの
サービス(報酬)体系を維持すること。

さらにそのサービス内容で十分
ご満足いただけるお客様に
ターゲットを絞るほうが良いのではないかと
私自身は思いました。


「値決めは経営」

という格言もありますが、

みなさんは、どうお考えになりますか。

 


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