ヴァイオレット・エヴァーガーデン | きららの心理

きららの心理

アダルトチルドレン専門カウンセラー
心の在り方について綴っています

今日はアニメのお話しです

 

とても良い評価だったので 以前から観たいと思っていました

好みもあるので必ずしも良いと思えないものもあったり

いまいち興味が持てないなどと言うものもあることはあります

なので 評価をすべて信じて観るというわけでもないですが・・・

 

「ヴァイオレット・エバーガーデン」

孤児であり 戦争の為の道具として 幼い頃から戦闘訓練を受けて来た名もなき少女

その少女が出会ったギルベルト少佐

少女は自分の感情や他人の感情が良く分からず 無表情でいます

その少女に名前を付けてくれたのが ギルベルト少佐でした

最後の戦闘の中自分を守ってくれた大切な人

そして 最後に聞いた言葉は「心から愛してる」

けれど 感情を知らないヴァイオレットは なぜ少佐がそのような言葉を自分に向けて言ったのかが判りません

 

「愛してる」を知りたくて 「ドール」と呼ばれる手紙の代筆をする仕事に就きます

代筆をして行く中で 少しづついろいろな感情を知っていきます

 

 

好きだなと思うアニメというのは

ストーリーはもちろんだけれど 主人公が魅力的

そして 周りの人物も素敵な人たちが多いものです

 

この話しは一話ごと 手紙を依頼する人の物語であり 依頼主とヴァイオレットの関わり方が非常に心を揺さぶられます

 

感情を知らない(知らないというより戦闘の道具としての役割であり感情を表現することを許されなかった為に自分の感情を知ることが出来ない状態だったということです)

そんなヴァイオレットは 手紙の代筆をする初めの頃は 事実のみを記し まるで報告のような手紙を書いた為 当然 依頼主に怒られたりします

 

「手紙とは、そもそも人の心を伝えるもの。よきドールとは、人が話している言葉の中から、伝えたい本当の心をすくい上げるものです」

ドール育成の勉強会で 先生がこのように話します

 

愛にもいろいろあります

親子の愛 友情 男女の愛 

さまざまな人々と出会い 

「愛してるも少しは分かるのです」 

と言えるほど 感情や心を取り戻していきます

 

悲しくも切ない物語であり 涙を流す場面も多々ありました

時々 軍人の癖で 挨拶の時に敬礼をしたり 依頼を任務と言ったりと ヴァイオレットの背景がうかがわれるシーンもありクスっと笑えます

 

私が思うヴァイオレットの魅力とは

感情を知らない 表現することの出来ないヴァイオレットは 事実を告げることへの迷いがありません

相手の気持ちを推し量るということが出来ないヴァイオレットは 淡々と事実を語ります

それは 時に相手を傷つけたり怒らせたりしますが 事実というのは変えられないものでありどう繕ってもどうオブラートに包んでも変えようのないものです

人との関りの中で 問題も起こしますが 裏表を使い分ける人間の感情にとって おべんちゃらや薄い優しさに惑わされることのない 真実を気づかせてくれるものでもあります

 

そして大人にも子どもにも分け隔てなく同じ対応をします

好かれる為に 何かをするなどという動機は一切なく 先入観など微塵もなく 相手に対していつもピュアなのです

不器用と言えば そうなのですが 邪心や邪推のない純粋な気持ちの持ち主であることはストーリーを追うごとに 素敵に映ります

だからこそ 無表情で淡々と事実を語るヴァイオレットを敬遠していた周りの人も ピュアな心に触れて気にかけてくれて心配して愛してくれるようになっていくのだと思うのです

 

 

 

誰もが全ての思いを口にする訳ではなく、裏腹だったり、嘘をつく場合もあり、正確に把握するのは、私にはとても困難なのです」(ヴァイオレット)

 

本当に心や気持ちは複雑で繊細です

相手の気持ちを思いやるのは大切ですが 過剰になると 嫌われたくないや相手の期待に添うことばかりを考えてしまい 自分を見失ってしまいます

 

自分を見失うということは 相手の奴隷になっていくということです

誰の奴隷になってもいけません

生きているのは 相手の為ではなく 自分の為です

相手の為という動機の中には 結局は自分の為であったりしますが それを自覚出来ることは少ないです

自分の為と自覚しているということは 誰のせいにもしないということです

相手の為という思いは 相手が自分の望んでいない言動をすると相手が悪いという気持ちになるのです

 

人は皆 自分の為に生きていいのです

愛を知る為に 生きているのです

自分を愛し他を愛することが 生きることでもあるからです

 

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデンは無料配信されているのはネットフリックスだけですね

11月に民放でスペシャルバージョンで放送されるようです