現在進行系でがんと戦っている人や

元がん患者で再発の不安と戦っている人

 

少なくとも一度はがんを経験し

見た目やできることが健常者と違う人

 

 

周りの人にどこまで公表してますか

 

 

身内以外には言ってない

職場の上司には伝えてある

親友だけには全て告白した

匿名のSNSでしか言えない

誰にも言えない、言いたくない・・・

全ての人に公表している!だってこれが私だから!!

 

いろいろなタイプがいるだろう

 

私の場合は

・身内は全てを知っている

・職場は上司には全てを伝えているが全社員が共有してるわけではない

・リアルの友達で全てを知っているのは5人

 

その5人以外にも付き合いがある友人はたくさんいるけど、なにも伝えていない人もいれば部分的だったりぼかして伝えている人もいる

なにかに気づいているかもしれないけど私から多くを語ってはいない

 

なんで言ってないかは

過去にこの記事でもちょっと触れた

 

言うと何気ない今までの楽しい関係が崩壊してしまいそうで怖い

友人側からしてみれば、そんなことないよと言ってくれるのだろうが、どうしても卑屈になってしまう

 

 

 

 

と、ザックリとした前置きがありまして本題

 

私は今、ドラクエ10というオンラインゲームにドハマリしている

いい歳こいたおっさんがゲームに夢中になっている

 

昔のファミコンのように部屋で一人機械に向かって黙々とやるのではなく、オンラインなので人との繋がりがあるのだ

 

チームに所属し、パーティを組み、同じ目標に向かって努力し達成する

ときにはゲームには全く関係ない雑談ももちろんあるし、ドラクエ用のツイッター垢もあり、ドラクエプレイヤーとの繋がりは濃くなっていく

 

ゲーム内やドラクエ垢のフォロワーで私が元がん患者であることを知る者はいない

ひたすらに隠している

 

なぜなら、

私ががん患者であることを知ってしまった人との人間関係から現実逃避するために続けているオンラインゲームだから

 

そこには私を色眼鏡で見る者はいない

なんとも心地よい関係性がそこにある

 

しかしある時、変化が起きた

 

 

1年半ほど前、オフ会に参加してしまったのだ

リアルを遮断した現実逃避に小さな現実味が加わった

 

最初はおっさん4人で集まっていつものドラクエをするだけだった

普段は顔も見えず声も聞こえないオンライン上でのゲームが、同じ空間でキャッキャしながらやるだけで童心に帰るかのように楽しかった

 

このオフ会が楽しかったからだろうか

特に問題なかったからだろうか

その後も場所を変え人を変え

オフ会の参加が増えていった

 

今にして思えばこれが間違いだったのかもしれない

仮想と現実の境界線が曖昧になっていく

 

オフ会に行ってリアルの中の人とご対面してお話してとなると、今までの都合の悪いことを隠してきた自己演出にも限界がある

 

見た目は潔くスキンヘッドにしてるのだけど

これもまあまあ目立つ

 

体力は無くてガリガリだけど

プレドニンの影響か顔はむくんでる

 

騙し騙しの付き合いが続くし

みんなといっしょに出来ないことが多すぎる

 

飲み行こ!→飲めません

寿司行こ!→生NGです

カラオケ行こ!→気胸なるのでNGです

ボーリング→そんな筋力ないです

今夜はオールだ!→寝ないと無理

 

本当の理由はとても言えないものが多い

 

急な体調不良でドタキャンもしてきた

 

なんとも悔しいねえ

もう慣れっこのはずなのにもどかしいねえ

 

全てを打ち明ければ解決するのか?

また同じことを繰り返すのか?

それが嫌で逃げ込んだ仮想世界のコミュニティだろ!

ありのままの自分で構築した人間関係とは別に

これらを隠した人間関係が欲しかっただけなのだ

 

 

やはりリアルを知らせすぎてしまったのか

他人の当たり前を見すぎてしまったのか

 

オフ会には絶対参加しない人が一定数いる

・ネカマがばれる

・見た目に自信がない

・人見知り

・ネットとリアルのキャラが違いすぎる

 

匿名性を利用してリアルでは実現できないキャラを演じてる人は多いだろう

理由はどうあれ

私もオフ会に行かなければよかったかもしれない

ネットの世界だけでじゅうぶんに楽しかったのだから

 

キャバクラ嬢とお客のように

都合の悪いことにはことごとく目を背ける

上辺だけの付き合いでよかったのだ

 

今になって打ち明けたらどんな反応するんだろう

ドン引きする人もいるかもな


 

 

そんな中、

ドラクエ内でもツイッターでも仲良くなり

オフ会でも何度か会う女性がいる

 

会う前から看護師であることはわかっていた

この時点で嫌な予感がなかったわけではない

 

初対面のときに帽子を脱いだときの第一声が

 

「うちの患者にそっくりなんだけどwww」

 

彼女も周りもギャグのつもりだろうけど

内心、バレたか!?とハッとした

 

そっくりもなにも正真正銘の元ケモ患者です

見た目は当時とほぼ変わってません

ガリガリでスキンヘッドで顔むくんでます

 

話を聞けば現役の血液内科の看護師らしい

もうドンピシャなわけですよ

 

極めつけはあるオフ会の数日後、

「わたし・・・ピカロさんの爪、見ちゃったんだよね・・・」

 

ハイ!オワター!!

現役の血内ナースに爪見られたらおしまいです!

一目瞭然のケモとGVHD丸出しの爪です

まともな爪は1枚もないし

まともどころか左手は5本とも爪そのものがない

画像は載せないけど右手の爪もクシャクシャですよ

 

その場は

昔から皮膚が弱くて・・・

とか苦し紛れの言い訳でごまかした(ごまかせてる?)けど彼女は何かを感じただろう

気を使ってかその後はそれ以上の追求はない

その辺は看護師として医療従事者としての心得なのだろう

 

 

そして最近、ふと考える

 

 

今までカミングアウトして色眼鏡で見るようになった人たちは、がん患者との接し方も知らない若い健常者ばかりだった

これが日頃からがん患者や人の死と向き合っている看護師だったらどんな反応をするのだろう

私の想像を超えた新しい何かが見えるかもしれない

事実、私の爪を見て

化学療法の臭いを感じつつも

彼女の私への接し方は以前と変わらなかった

 

この看護師よりも仲の良いプレイヤーは正直存在する

実際に会ったことのある女性だからといって特別な恋愛感情があるわけでもない

ただ、仲の良い「看護師」という一点に希望を感じ

この人だけに全てをカミングアウトしてみようか・・・

 

もしかしたらその看護師を含めた仲良しグループに情報が漏れるかもしれない

そうなるとせっかく構築してきたドラクエ内でのコミュニティが私の理想とかけ離れていく可能性もある

 

悪性リンパ腫のこと

抗がん剤治療のこと

再発のこと

放射線のこと

造血幹細胞移植のこと

GVHDのこと

 

その手の情報に長けた人が

目の前の友人がそれに該当すると知った時

どのような反応をみせるのだろう

 

これからのリアルでも役立つなにかを見つけられるという期待も込めて、近々言ってみようかと考えてる自分がいる

 

 

「告白してフラれたら今までの関係が崩れそうで怖い」

というような甘酸っぱい青春の1ページにも似た状況で、おっさんの心は変な揺れ方をしているのであった・・・

 

 

 

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