ぼくらが外に出たときは

 千堂さんは姿を

 消していた。

 まひろを救ってもらって

 感謝したかったけど

 御堂さんの話では

 奥さんが

 心配するから

 帰ったんだろうって。
 病院に着くと

 ぼくと御堂さんは、

 堂島さんから聞いた

 まひろのいる

 個室に出来る限り

 静かに急いだ。
 ぼくはまだ不安で

 胸がいっぱい

 だったけど個室の

 ドアを開けた向こうで
 少し痩せたまひろが

 体を起こしてぼくに

 腕を差し伸べて

 くれたのを見て
 ああ、本当に

 助かったんだって

 実感した。
「まひろ!!!」
「裕也!!」
 ぼくは我慢できなくて

 涙を溢れさせ

 ながらまひろに

 抱き着いた。

 まひろも泣きじゃくって
 ぼくを抱きしめた。
「裕也!強かったよ!

 格好良かったよ!

 わたし一生忘れない、

 裕也がわたしの為に
 命懸けで

 戦ってくれたこの日を。」
「まひろ、

 生きてて本当によかった!

 もう一生離れないで、

 ずっとずっとぼくと

 生きてくれまひろ!!」

 ゲーム世界での

 ピンクのドレスを着た

 まひろはすごく

 可愛かった。
 だけど今、

 少し痩せてノーメイクで

 病衣のまひろが

 すごく可愛くて、

 ぼくは感動した。
 このとんでもない事件で

 まひろが本当に

 優しくて強い人間なんだと

 ぼくは知った。
 こんな素晴らしい人に

 出会えて

 愛して貰えたぼくは

 世界で一番幸せな人間だ。
 ぼくとまひろが

 泣いて抱きしめあって

 いる間に

 御堂さんはまひろの

 無事をその目で

 確認して
 ぼくらの邪魔を

 しないように廊下で

 部屋に入らないまま

 そっとドアを閉めて

 病室を後にしていた。

 

 

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