晃は奈々の腕を

 払わなかったが

 足は止めないで

 小走りに走った。
 奈々は晃の腕を

 捕まえたまま

 走って頼んだ。

「もう学校

 来れないから、

 夏休みもツアーで

 ずっと会えないから、

 少しでも

 一緒にいたいの。
 でもあたしも

 恋愛禁止だから

 校門までだけでも

 一緒に歩こうよ。」
 校門?

 じゃあまあいいかと

 晃は少し速度を

 落として早歩きで

 奈々に付き合った。

 奈々は晃に

 合わせて小走りだ。
「晃、スキ。

 あたしが大人になって

 凄い有名人に

 なったら恋人に

 なってくれる?」
「わかんないよ。

 今は大人になった

 奈々を想像

 できないから

 俺は付き合う気が

 しないんだよね。

 俺は22歳くらいからが

 一番好きだから 

 もうずっと先だろ?

 そのくらい

 時間がたったら奈々も

 俺を忘れるよ。

 それに俺さあ

 今は勉強の

 遅れを取り戻して

 ちょっとでもイイ男に

 なりたいんだ。」

「あたしは大人になっても

 晃の事

 忘れたりしないよ。

 晃はすっごく

 カッコイイよ?

 普通にしててもみんな

 恋してるじゃん。」
「でも俺よりもっと

 カッコイイ人がいるんだ。

 あの人が俺の目標なんだ。」

 加奈子が選んだ男。
 雄一郎を

 基準にしたら

 晃は加奈子にとって

 対象外。

 今度会った時には

 イイ男に見せたい。
「おい、奈々が

 晃と手を組んでるぞ。」
 男子や女子が

 騒いでいる。
 廊下を歩く奈々は

 アイドルになって

 有名になってきた。
 だからこれまでと

 違って校内とはいえ

 晃と二人で

 歩く姿は別の意味で

 みんなが注目している。
 

 

 

 

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