みんなが集まって

 二人が歩く姿を

 指さし、

 それを見た奈々は

 アイドル活動のつもりで

 笑顔で手を振った。
 学校の保健室は

 1階で校門まで

 窓から見える。

 廊下でアイドルに

 なった奈々と

 晃が手をつないで
 歩いていると

 言う声が

 保健室内にまで

 聞こえて、

 保健の先生は

 子供たちの騒ぎを

 気にしないように

 思っていたが、

 二人がどんな様子か

 気になってしまう。

 少年少女の恋愛なんて

 一時的だし、

 桐生晃の名前を

 ちょっと出すとスケベで

 大人の恋人がいると

 嘘をついている、

 そんな話をよく聞いた。

 軽くて移り気。

 だから奈々との

 関係もすぐに終わる。

 でも私の事も

 興味を無くした。

 いつも私はすぐ飽きられる…。

 そんな自虐的な考えが

 頭の中に

 染み付いていて、

 気が付けば

 窓際に立っていた。

 タレントになった少女と

 晃を見に集まった

 人の合間を腕を組んで
 通っていく

 姿を見てしまった。
 あたりまえだが

 少年少女のカップルは

 とても自然な姿だ。
 自分のような大人と

 晃のような少年の

 関係はいびつで

 間違っている。
 そう考えながら

 凄く胸が

 もやもやしてしまった。
 校門まで

 あっという間だが

 晃にくっついている

 奈々が今更

 悲しそうな顔になった。
「もうすぐ

 校門を出ちゃうね。

 みんながあたしたちを

 見てる。

 このままじゃ

 誤解されちゃう。」
 でも一緒にいたい。

 と涙ぐむ奈々を

 尻目に晃は

 校門に着くとダッシュで

 雄一郎の家に向かう。
 

 

 

 

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