夏に両親と

 遊びに行って

 海から家に

 帰る途中で

 両親が消えた

 記憶と重なって
 晃の胸は穴が

 開いている。

 心の穴は

 開きっぱなしで

 秋から冬に

 なってしまった。
「まだいるよね?」
 雄一郎のオフィスと

 家のポストの

 名前を確認して、

 家の方に手紙を

 入れて帰った。
 なんだかもう

 会えないのかな…。

 項垂れながら

 元来た道を

 たどって駅から

 施設に帰る晃。
「家に帰りたいなぁ…。」
 ふと、

 どこにあったかも

 わからない

 自分と両親が

 住んでいた

 アパートに

 帰れたらいいのに
 とぼんやり考えた。
 帰りもマヨクラの

 新曲があちこちで

 鳴って、

 先生の事と

 沙也加の事を考えた。
 あのエッチな

 ケツフリダンスパートは

 実は新曲の

 どこにも

 入ってなかった。
 沙也加はマヨクラ

 卒業まで

 エッチは禁ずると

 言ってたから

 春まで先生と

 付き合って

 それから考えようと
 思う。

 雄一郎さんは

 加奈子と結婚したのに

 なんで浮気して

 たんだろう?

 加奈子と俺の事
 なんで腹を

 立てたんだろう?

 詳しく聞きたいなー、

 などと恋を知らない

 晃にとって
 世間の人々が

 ドラマのように

 ふるまう理由を

 知りたかった。

 晃はテスト

 以外にも普通の

 手紙も書いて

 雄一郎の家の

 ポストにたまに

 入れていたが、
 雄一郎は何通にも

 なる手紙を

 全部机に

 仕舞ってしまった。
 薄いのは手紙だけで

 大きめの封筒と

 厚みから

 もしかしたら

 テストの結果が

 入っているのかもと
 思った。
 

 

 

 

 

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