あれから毎日

 食堂で

 マヨクラファンの

 お兄さんに

 ねちねち嫌味を

 言われても晃は

 我慢した。
 いつもなら

 晃を庇って

 怒り出す龍も

 黙って我慢した。

 夕食を食べ終わって

 自分の皿を
 厨房に置いて

 風呂に入りに

 行こうとした晃を

 小さい子たちが

 手を引っ張った。
「今晩奈々ちゃん

 歌のテレビに出るよ。」
「げんきになった

 ななちゃんを

 おうえんしよう。」
「晃の友達だから

 好き。」
 4歳5歳の小さな子が

 キラキラした目で

 見あげ、

 少学校低学年の子が

 嬉しいことを
 言ってくれて、

 両腕に絡んできたので

 振りほどく

 訳にもいかず

 引っ張られるまま

 歩いていく。
 晃は当分

 マヨクラを見たく

 なかったが、奈々も

 同じように

 苦労したろうから
 応援してやるかと

 渋々リビング室に

 行った。
 そんな感じで

 楽しそうな晃たちを

 見て、

 マヨクラファンの

 お兄さんも一緒に

 ついていった。

 晃と龍とお兄さんたちと

 小さな子たちが

 テレビの前に

 並んで待っていると

 生放送の歌番組が
 始まった。
 7時から12時までの

 長いスペシャルの

 構成で

 人気グループが

 たくさん出てきて
 中学生メンバーのいる

 マヨクラは

 最初の構成で

 歌う為に出演する

 アーティストや
 他のアイドルの

 最後に出て来た。
「奈々ちゃーん。」
「ななちゃーん。」
 

 

 

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