「……。」
 静かな時間が

 苦手だから

 先にしゃべり

 だしたのは晃だ。
「怪我…痛む?

 俺…悪かった。

 あんなに殴るなんて

 俺おかしかった…。」
 龍は口の中で

 もごもご言い訳の

 言葉を探す。
「晃は悪くない…。

 俺が…

 俺が悪くて…

 全部俺のせいだから…

 でもあの記事は

 違うんだ。
 奈々が嫌いなだけで

 晃を裏切った

 んじゃないんだ…

 記者に乗せられて…
 晃がどんなに

 モテるか自慢した。

 みんなに好かれる

 晃は俺の

 自慢だから

 悪気はなかった。」
 そうかもしれないけど…

 晃は龍の言い訳で

 ちょっと腹がたった。
 保健医の

 自殺未遂の衝撃は

 頭にこびりついてる。
「うん…でもさ、

 嫌いでもやっちゃ

 ダメなことあるだろ?

 それに先生と

 雄一郎さんは

 関係ないよ。
 あれは口にしちゃ

 だめだ。」
 拳で殴られたのと

 同じように龍には

 堪える言葉だ。
「……。うん…。」
 龍は泣きそうな顔で

 唇を噛んでる。

 泣くのを

 我慢してるんだと

 見て分かった晃は
 車の前に飛び出した

 麻友と龍を重ねて

 もうこれ以上は

 やめておこうと

 思った。
「雄一郎さんが

 俺を助けに

 来てくれて

 仲直りできたから

 もういいよ。」
 龍はえ?という感じで

 晃を見て、

 龍の事を晃は

 真っ直ぐ見た。
 そして龍は俯いた。

 

 

 

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