いたずらのすきな建築家とは、安藤忠雄さんのこと。舞台は「こども本の森 中之島」です。
安藤忠雄 原作 はたこうしろう 絵
2020年3月 小学館発行
こどもの本がたくさんある不思議な建物「こども本の森 中之島」。りょうたとりさの兄妹が初めて遊びに行きます。おとうさんと別れて探検すると、驚くことばかり。
「たのしいか?」と現れたいおじさん、「ぼくはけんちくか」と名乗ります。もちろん安藤忠雄さんなのだけれど、黒い服装、鋭い目つきでなんだか別の惑星からやってきた人みたい。建物についてふたりに解説をします。「たてものにいたずらをしこむ」という具体的な例が、こどもの森以外にもあり、本を開いてふたりに披露します。
・上海保利大劇院(オペラハウス)
・半山半島美術館+劇場(アート作品を展示する場所)
・ベネッセハウス(島のホテル)
・光の教会(「光は希望を表している」)
・住吉の長屋(「かさをさして暮らすうち」)
おもいついたいたずらを実際の形にしていくおもしろさ、大変さも描かれています。
巻末には「いたずらのすきなけんちくかから みなさんへのメッセージ」、見返しは安藤さんのデッサン。
この絵本は建築家・安藤忠雄の考えをわかりやすく子どもに伝えていますが、それを絵本というかたちで描いたはたこうしろうさんが素晴らしい!
他にも安藤忠雄さん関連本が図書館にたくさんあります。その一部を読んでみました。
大阪、中之島の中央公会堂近くに建つ、子供たちのための図書館施設の計画である。1980年代より、さまざまな形でかかわってきた、中之島エリアでのまちづくりプロジェクトの延長上で始まった。川に面する敷地のレベル差を生かした3層分のヴォリュームを弓なりにカーブさせることで、中之島の穏やかな風景に応える建物の表情と、水際の広場を作り出す。内部の吹き抜けの閲覧室を囲う曲面壁は、びっしりと書籍の並ぶ書架でおおわれる。屋外の広場を含めたどこでもいつでも、子供たちが自由に本を読むことが出来る─意図したのは<本の森>ともいうべき施設である。(344p)
安藤忠雄最新メッセージ「永遠に青春を生きる」
こども本の森 中之島を訪れた芦田愛菜さんとの対談が掲載されています。