ピーター・バラカン登壇『ワン・プラス・ワン』イベントレポ今年8月のチャーリー・ワッツ訃報を受け、1968年にジャン=リュック・ゴダール監督がザ・ローリング・ストーンズのレコーディング風景を撮影した伝説の音楽ドキュメンタリー『ワン・プラス・ワン』が、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて、全国絶賛公開中です。 バンド黄金期を迎える1968年当時のストーンズやチャーリー・ワッツのこれまでの功績について、バラカンさんのこれまでの音楽体験を踏まえながらたっぷり語りました。 『ワン・プラス・ワン』トークイベント付上映日時:12月8日(水) |
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ロンドン出身のピーター・バラカンさんが初めて本作を鑑賞したのは1996 年の日本でのことだったという。その後、何度も本作を鑑賞していると振り返り、感想について尋ねられると「ストーンズの録音風景が1番」と語る。 そんな録音風景が撮影された1968年は、ちょうどローリング・ストーンズの黄金時代が始まる時期だという。「ストーンズがデビューした時、僕は12歳で、その後ずっとリアルタイムでストーンズを聞いてきた世代」、「悪魔を憐れむ歌(sympathy for the devil)」が収録されているアルバム『ベガーズ・バンケット』を聞いて、ストーンズが戻ってきた!という安心感があった。そこから4年間、誰が聞いても“ストーンズらしい”時期に入っていく。その記念すべき1曲の録音が本作」とデビュー当時からストーンズの音楽を聞き続けているバラカンさんならではのお話が続く。次に劇中で印象に残っているシーンについて「ストーンズの録音風景をじっくり見ることができる映像で、オリジナルメンバー全員が揃っている姿を見れるのはこれだけ。とても貴重だし、ブライアンの頼りない姿は痛ましくも興味深い、キースは仕切っているなあ」 、「ロックのピアノでニッキー・ホプキンスほど凄い人はそうそういない」など、参加ミュージシャンそれぞれの姿を振り返った。ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツの今年8月の訃報を受けて急遽リバイバル上映された本作だが、彼の人物像について尋ねられると「デビューの時からずっとストーンズの心臓部を務めていた人。ストーンズを聞いていてチャーリーを当たり前に感じている時期もあったが、マーティン・スコセッシ監督の『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』を見て、チャーリーがいないと今のストーンズは成り立たないと思うほど、彼の存在感を凄いと思った」とコメント。さらに「チャーリーがなぜそんなに特別なのかというと、ロックンロールの“ロール”の部分が凄かった」、「ジャズをずっとやっていたからリズム感がスウィングする。ロックをやっていても彼は微妙にスウィングしていた」と分析、「おそらく多くのファンと同じように、チャーリーがいないストーンズは想像できない」と語った。続いて話題はバラカンさんとストーンズの思い出話に。「ずっとストーンズが好きで、僕がブラックミュージックを聴くようになったのはひとえにストーンズがいたから」。レコードをたくさん買うことができなかったという当時、ストーンズのアルバムやインタビューからブラックミュージックなどを学んだという。バラカンさんの熱いトークに会場は大いに盛り上がる中、最後に、これから本作を鑑賞する観客に向けて「みなさん楽しんでください!」と笑顔でコメントし、トークイベントは終了した。 |
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ザ・ローリング・ストーンズ ドキュメンタリー
『ワン・プラス・ワン』原題:ONE PLUS ONE 絶賛公開中 |
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
出演:ザ・ローリング・ストーンズ(ミック・ジャガー、キース・リチャード、ブライアン・ジョーンズ、チャーリー・ワッツ、ビル・ワイマン)、アンヌ・ヴィアゼムスキー
(日本劇場初公開:1978年)
1968年/イギリス/英語/101分/カラー/1.33:1/モノラル/日本語字幕:寺尾次郎/PG12
配給:ロングライド
(C)CUPID Productions Ltd.1970