年金よりも、今の金！　～ザ・ノンフィクション～

もうこのブログが「ザ・ノンフィクション」を見ての感想を書くブログのようになっていますが。

今日のザ・ノンフィクションも、毎度のようにどんよりした気持ちで見終わるはずでした。
そして途中まではその自虐的な期待を裏切らずに番組は進行していました。

していたのですが！
後半１０分で、声をあげて笑ってしまいました。
こんなことはキャンディミルキィおじさんの回以来です。

今日は、ウーバーイーツで生計を立てる人たちの物語。
３人の男性を取材していたのですが、その中に高山さん（仮）という３０歳の男性が出てきました。
彼は早稲田大学から日本銀行に就職、とエリート街道を走ってきたのですが、数年前にうつ病を患い退職。
退職後に手を出したＦＸで９８万の借金を作ってしまい、クレジットカードローンとキャッシングローンの返済で、ウーバーで稼ぐ２５万もすぐになくなってしまう日々。
台風の日も雨合羽を着て東京をひた走り、住居はカプセルホテル。
そんな生活をしていました。

数年前には父親が自死でなくなってしまい、そんな父親に「なんてことしたんだ！」と思いつつ、自分自身も人生をやめてしまいたくなることがあると、カプセルホテルの中で言っていました。

嗚呼、今回も胸が切なくなるわ、、、
と思っているとナレーション。

「そんな高山さんからスタッフのもとにある連絡がはいったのです」

もう嫌な予感しかしないじゃないか、と思っていたら。
なんと、高山さんが日本銀行時代に加入した個人年金にまだ入り続けていたことに気付き、それを解約すると１１０万くらいになることがわかったというのです。

スマホで解約金を試算し
「ちょうど借金を返せる金額があります！」
と言っている高山さんを見て思わず声を出して笑ってしまいました。

というのも、割と似たような経験を自分もしたからです。

私は離婚をする時、特に財産分与の話し合いをせずに別れてしまいました。
相手は後々実家に親と同居することが規定の方だったため、２０代のときに私名義で購入したマンションは、私がそのまま残りのローンを払い続けるということで私がもらったのですが、その時に困ったのがボーナス返済分。
まさかこんなことになるとは思っていなかったため、年に２回のボーナス返済を組み込んでローンを組んでおり、その返済分だけで残金が８８万ほど残っていました。
離婚をした時はそのマンションは賃貸に出していたのですが、毎月の家賃は当然一定額ですので月のローンを払うと多少のプラスにはなるものの、ボーナス返済分をまかなえるほどのプラスはありません。
そして離婚とフリーになった時が重なっていたため、当時の私はほぼ無職でした。

ボーナス返済分どうしよう・・
と思ったときに、ふと思い出したのが私が以前勤めていた時に、会社に来る保険のおばさまから勧められて入っていた個人年金の存在。
確認してみると、今解約をすると約９０万円が解約金として戻ってくることがわかったのです。
うわー－－
助かったー－－－
年金よりも、明日の金！
本当に安堵したことを覚えています。

ですので高山さんが個人年金の解約金で借金が完済できたときの笑顔が他人ごとと思えず、しかしそのコメディのような展開に思わず笑ってしまったのです。

しかしもっと笑わせてもらったのがその後。
なんと高山さん、借金を返済して余ったお金で自転車で日本一周の旅に出たのです。

ツイッターでは、そんなことしてるんだったら就職活動しろよ、的な意見が多かったのですが、私には高山さんの気持ちがとてもよくわかります。

世間からみたら順風満帆な生活をしていた人がその道から外れたとき。
そして、心が一度ぺしゃんこになってしまったとき。
そんな状況から命拾いをすると、人生一度きりという思いが強すぎて破天荒な行動に出てしまったりするものなのです。

私の場合は会社を辞めたとたんにある病気になり、手術をして治ってきたと思ったころに再発。
そこから体も心も疲弊し、諸々あってダメ押しで離婚。

なんだかよく覚えていないのですが、もう人生やけっぱちみたいな気持ちもあったのでしょうか。
アラフォーにして人生初、夜の世界で働くなんてことを始めてしまいました。
よくあんなことができたと思うのですが、今思えば夜のバイトをしていた時の経験はとても貴重で、そして楽しかった。

だから私は高山さんの日本一周を応援したいと思います。
真面目に勉強して、就職して、一生懸命働いていた時のお金が彼を借金地獄から救ってくれたのだから、好きなことをして羽を伸ばしてみるのもいいんじゃない？
人生は何度だってやり直せる。