MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

非常事態宣言だ

2020-04-09 03:19:08 | 通訳者のつぶやき
おととい、新型コロナウィルスをめぐる非常事態宣言がでました。

スペイン語学習者として
「ストライキ」や「クーデター」は比較的早く覚える単語ですが、
「非常事態宣言」という単語は今回はじめて使いました。
今月に入ってから、相談は「いつでる」「どうなる」というものが多かったので
いつものようにペルーの人たちから自然と教えてもらう形になります。

彼らの多くは日本のニュースもみてるけど本国やヨーロッパ、アメリカのニュースを見ています。
だから、なかなか非常事態宣言の出ない日本に不安を覚えたり
非常事態宣言イコール都市封鎖や外出禁止令というイメージを持っているような気がします。
一番多かったのは、非常事態宣言がでたら仕事に行かなくていいのかというものでした。
「いや、仕事は・・・会社が来るなと言わない限り、行かなければいけないみたい」
「休んでもいいけど、自分で休んだら有給休暇になってしまうみたい」と。
もちろん、子供が学校を休むことで親が仕事に行けないときに保障される
「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」
は4月以降も延長になっているため、それを適用してもらうために会社に説明することはありますが、
それ以外は仕事を休んで家にいなさいというものでもなさそうです。
また、学校も2転3転しているため、広報などの印刷した配布物では間に合わず
日本語のメールが読めない人については
電話での連絡の通訳が多くなります。
毎日、職場に着いたら電話が鳴り始め、昼休みの時間は鳴りっぱなしでとれないこともあります。

兵庫県国際国際交流協会の相談窓口では
来週13日から面談による相談を取りやめます。
リスク回避だけでなく、感染により窓口を閉鎖させてしまっては元も子もないので
せめて電話での相談・通訳を継続させるための苦肉の策です。
もちろん、平時であれば面談での相談は大切です。
ただ、こうした非常時には100か0かではなく
できることをきちんと全うするという発想が必要だと思います。
一人の面談にかかる時間を、少しでも多くの電話による問い合わせに割きたいという思いもあります。

医療通訳も同行ありきではなく、広く電話や遠隔通訳を使うことで
通訳者のリスクや移動の手間を省いで、少しでも多くの通訳ができるように
お互いに工夫をしていくことが大切です。
電話機による感染のおそれもあるため、最近では少し聞きづらいですが
設定をスピーカーにしてもらい通訳しています。

非常事態宣言を受けて、
今は時間がたくさんあるので、老後の楽しみの前倒しをしています。
先日は前から見たかった「キングダム」のアニメ版を一気にみました。
本も前から読みたかった脳科学の本と行動経済学の本をまとめて読んでます。

職場で、家庭で、ボランティアでもそれぞれの持ち場で頑張るしかない状況ですが
一日も早い終息を祈り、皆さんとまたお会いできる日を楽しみにしています。
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