歯ブラシと歯磨き粉 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

歯ブラシと歯磨き粉に詳しい、東京歯科大学衛生学客員准教授、高柳篤史さんのお話をご紹介します。

 

医師協Mate 2022; 333: 12(日本)

要約:虫歯歯周病の口腔ケアのポイントは異なり、歯磨きの方法は同じではありません。虫歯の予防にはフッ化物配合歯磨き剤が推奨され、欧米のガイドラインに明記されています。フッ化物配合歯磨き剤は濃度依存性に虫歯の予防効果が高まることが明らかになっており、1000〜1500ppmの濃度が推奨されています。日本では、2017年に1500ppmの歯磨き剤が認可されました。歯の表面にフッ化カルシウムを形成するには300ppmを2分間保つ必要があり、1000ppm配合の歯磨き剤を1回につき1.5cm使用します。また、歯磨き後の口ゆすぎはしません。一方、歯周病の予防には、歯垢除去(プラークコントロール)が重要であり、専門家のアドバイスのもとに歯ブラシの種類(大小、太細、毛先の長短)を変えて、最もプラークを少なくできる磨き方を学ぶのが良いです。虫歯も歯周病もどちらも予防したい場合には、少量の歯磨き剤で時間をかけて清掃し(プラークコントロール)、最後にフッ化物配合歯磨き剤で2分以上かけてフッ化物を歯全体に行き渡らせます。

 

解説:私も虫歯に悩まされて子供時代を過ごし、現在は歯周病に悩まされており、歯医者さんと歯科衛生士さんの指導のもとに歯ブラシを実施しています。虫歯と歯周病は予防法が異なることを理解していないとイケナイ訳です。食生活の源である歯の健康はとても重要ですので、ぜひ実践して欲しいと思います。