「空の霊柩車」の感想、2回目になります~


が、その前に、E3「最後の誓い」を見終わった直後の一言を(笑)


え?! 今回のクリフハンガーそれ?! そっちなん?!


……ってのが、正直な感想でございました(笑)


いつもの如く、「ええっ?! そこで切る?!」ってことになるだろうと
覚悟してたんですけども、私的には、まさかの”斜め上”で。

予想だにしてなかった方向からの一撃!!!でした(笑)

またもしてやられた感が満載ですよーー!!!!! さすがモファティス!!!!!


そして、その一方で、

良かった、これなら、S4は気長に待てる!!!!! 

と安心したことも懺悔しておきますですあせる 

(や、だって、ライヘン・ショックに比べたら全然マシ……(^▽^;))




ではでは、E3の一言感想を終えたところで(笑)、ここから本題。



S3-E1「空の霊柩車」のネタバレ感想になりますので、未見の方は、
ここで引き返してくださいね!!!!!




☆☆☆ 以下、S3-E1「空の霊柩車」のネタバレをしています!! 

           未見の方はご注意ください!!!!! ☆☆☆








































○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●



■ 再会シーン!!!!!


以前の記事でもちらっと書きましたけども、「なるほど、こう来たか!!!」って
色々な意味で意表を突かれました。

過去記事で、S3の予想を勝手にあれこれ立ててた時に、
シャーロックとジョンには絶対に温度差があるから、再会しても、
そう簡単には元に戻らないんじゃないかなと書いてたので、
ジョンが容易く許さないのは驚きませんでした。

というか、それが当たり前だと思ってました。

以下に、その時の文章を、長くてすみませんが引用します。

<元記事→「S3のトレイラー&Bow(挨拶)ではなくVow(誓い)、そのココロは」

上記の記事はS3-E2&E3の一部ネタバレも書いてますので、未見の方はご注意を!!!>


 シャーロックがジョンの前に戻ってきても、
 すぐにジョンとの関係が修復できるとは思えない気がしているからでして……


 きっとシャーロックは、ジョンのところに戻れば、すぐにライヘンバッハの直後の、
 あの時のままの関係をまた始められると、それこそ墓地の時のように、
 この台詞を言えばそうできると信じてるんだろうけれど、
 ジョンの心情を思うと、そうたやすく許すことはできないんじゃないかなと。

 もし自分がジョンだったら、と考えると、それはそれは悲しくて苦しくて、
 本当につらいし、その痛みはきっと消えないと思うので。

 ジョンの悲しみと苦しみは、シャーロックを愛しているからこそのもので、
 その愛があるからこそ、彼が戻ってきた時、自分が偽られていたことに対して、
 新たな怒りと悲しみが生まれる気がするのです。

 だからこそ、きっと世界中のファンが思うように、
 ジョンはシャーロックを思い切りぶん殴っていい、
 というか、ぶん殴るべし!!!と思うわけですが、殴って気が晴れて、はい元通り、
 というわけにはいかないよね……って。むしろそれが当然じゃないかなと思うので。
 愛しているからこそ、そう簡単にはいかないのではないかと。


 で、シャーロックはそこに気づいていなさそうだなあと……
 ジョンを悲しませたのはわかっているだろうけれど、
 自分が戻れば、ジョンの悲しみは終わる、と思っているような気がして。

 でも、人の心はそんなに簡単なものじゃない、愛があるからこその怒りと絶望と悲しみが
 どれほど深いか、シャーロックはそこまではまだわかっていないんじゃないかな……と。


 ただ、あの消え方をしたことが、シャーロックにとっては愛情の表現なわけで、
 それは彼にとってはとても大きな進歩で、それもわかるだけに、より一層切ないところで。

 きっと、ジョンもそのことはわかってると思うんですが、
 どうして自分がこんなに悲しんでいるのか、
 その本当の意味をわかっていないシャーロックへの怒りというか悲しみも
 容易く収まらないじゃないかな……





……ってなことを、当時推測で書いてたんですが。

今回の再会シーンを見て、「こう感じてたのは間違いでもなかったのかなあ」と、
複雑な心境になりました。


冒頭のホームズ兄弟の会話ですでにシャーロックがあまりにもシャーロックで(苦笑)

レストランに驚かしに行こう、とウキウキしている弟に、歓迎されないだろうと
さりげなく釘を刺す兄の言葉も当然届かずスルー。


僕が生きてると知ったらジョンは喜ぶ、と信じて疑わないシャーロックに
マイクロフトだけでなく、私もため息をついてしまいましたですよ……


これって、人間そのもののことにもつながる気がするんですが、
痛みを伴う”何か”がある人間関係で起こった場合、その痛みをもたらした側は
往々にして忘れがちですが、痛みを受けた側はその痛みを覚えてる、
というか、忘れることなどできない、ですよね。

皆が皆そうではない、とは思いますが、少なくともジョンについては、
自分の目の前で、あんな”死に方”をされて、”置き去り”にされたわけで、
その痛みと悲しみと絶望たるや、余人の想像を絶するものがあって。


”感情”そのものを感じるのは、痛みを受けたジョン本人以外にはできませんが、
それをおもんぱかる気持ち(変な日本語ですみませんあせる)、があるとないとでは大違いで、
シャーロックには致命的にその部分が欠けてるんですよね。


しかも、シャーロックのどこまでも空気を読まないところが健在すぎて、
ジョンがメアリにプロポーズしようとしてる、最悪のタイミングで明かしてしまうのが、
あまりにもシャーロックらしすぎて、もう笑うしかない(^^;



この、ジョンがシャーロックに気づく瞬間がいいですね。緩急が生きるシーン。


何といっても、この時のマーティンの演技、本当に、本当に素晴らしかった……!!!!!

シャーロックを目の前にしたジョンの驚愕、疑い、呆然、そして、怒り……

わずかな目線の変化、揺らぎ、微かな表情の動きで、千の言葉よりも雄弁に”思い”を語る、
マーティン・フリーマンの真骨頂!!!!!


ジョンの思いが痛いほど伝わってきました。
もちろん生きていたのは嬉しいはずだけど、それだけで赦すには、
ジョンの悲しみは深すぎたんですよね。

2年間、何も知らされず、ずっと騙されていたわけで、
もちろんそれは自分の命を守るためにされたことだとジョンはわかってる。

わかってはいる、けれども、それでも、ジョンが怒りを覚えてしまうのは、
”何も知らされていなかった”ことが悲しいから。
そして、その悲しみは、シャーロックを自分のたった一人の親友だと思っている、
ジョンの愛情ゆえに生まれたものなんですよね。

だから、ジョンがシャーロックの偽装を知っていた人間が何人いたか、
にこだわる気持ちが、とてもよくわかります。

もちろん、メアリが言ったように一人では偽装なんてできないことも
頭ではわかってるんだけど、マイクロフトとモリーは仕方ないと思えても、
他に25人もいたなんてわかったら、そりゃ切ないよ……


生きてると一言、言ってくれれば、と振り絞るように出てきた言葉に
込められたものに、胸が締め付けられました……(泣)



どうやって生きていたのかは問題じゃない、何故自分に嘘をついたのか。

問題なのは、大事なのは、”How”ではなく、”Why”なんですよね。


でも、シャーロックはその意味がわからない、だから怒る理由がわからない。

さすがに、ジョンに謝らなければならないらしいと気づくんだけども、
それ謝ってないよ……ってところが、これまたどうしようもなくシャーロックで(苦笑)


あの世界を相手に戦おう的なセリフも、
ああっ、ここで言っちゃダメだよ、シャーロックーー!!!、って眩暈が……



結局、ジョンに3回殴られた(頭突き含む)んですよね?


ポイントは、ついにシャーロックの鼻がやられたこと(笑)でしょうか。
「ベルグレービア」でのアイリーンのセリフを思いだしますね。

アイリーン邸の前でシャーロックが殴れと言った時と違って、
今度は本気で殴ったことがわかりますよね。
それだけジョンを怒らせたんだ、ということも。

一方で、鼻を折られてはいない(鼻血が出てるだけ)ので、
怒りはあるけれども、本当の本気では怒りきれてないないというか、
どこかでセーブしてるんだろうなということもわかるのが憎い演出だと思います(笑)



そして、謝ったのにどうして頭突きされるのかわからない、と
本気で言ってるシャーロックが、どこまでもシャーロックでこれまた切ない……

だから、「人の気持ちがわからないのね」とポツリと言ったメアリの気持ちが、
ものすごくよくわかります。

(これは視聴者側の気持ちを代弁してくれたセリフでもあるように感じました)


初めてシャーロックとメアリが二人だけで話す、ここの会話が好きです~

この時のメアリの表情がすごくいいです。アマンダさん最高!!!!!
呆れるのではなく、そんな不完全なところも含めてシャーロックなんだと気づいて、
優しく見つめてるのがたまらなく素敵で。
ここでメアリのシャーロックへのスタンスが決まったような気がします。

一方、シャーロックはメアリがジョンを説得できる人間だと気づく。

だから、ここでようやく、シャーロックはメアリを読み取ったんですよね。

それまで全く眼中になかったメアリが、どうやら今までのジョンの彼女たちとは
全く違うらしいと悟ったからこその、無意識の行動ではないかと感じました。


シャーロックにとっては、ジョンとの再会は、メアリとの出会いでもあるんですよね。

あの瞬間こそが、シャーロックがメアリに本当に出会った瞬間であり、
同時に、メアリに一目置いた瞬間でもあったのだと思います。



それにしても、色々な意味で唸らされた再会シーンでした。

あえて、正典のように感動的にせず、面白おかしく描いたのが良かった。


殴られるたびに店が変わって、しかもどんどんランクダウンしていくのが
おかしかったし(笑)

最初のレストランでの、シャーロックの「驚かせてやろう」という
ワクワク感溢れる表情や動き、言葉遊びも楽しかった。

ベネさんのあの一連の流れるような動きと、気取りまくったしゃべり方
(吹替担当スタッフさんと三上さん、素晴らしい!!! )、すごく面白かったです(笑)


きっとシャーロックは、221Bでああやって何度もジョンを驚かしてたんでしょうね。

そんな風にシャーロックは2年経っても変わらない、大きな子ども(笑)のままだと
はっきりとわかってしまう。

でも、ジョンの時間は2年分、確実に流れていて、悲しいかな、
変わらないシャーロックとの対比で、それが明確に伝わってくるんですよね。
(時間が流れている理由がシャーロックの自業自得だとわかるだけに切ない……)


シチュエーションが笑えるからこそ、見事なまでに噛み合わない二人の物悲しさが
より浮かびあがっていたような気がしました。



モファットさんもゲイティス兄さんも、正典の逆を行くのが大好きな人たちですが、
彼らの凄いところは、その逆を行くことが「SHERLOCK」においては正解になる、
ということだと思います。


「ライヘンバッハ」をああ描いた時点で、シャーロックとジョンが
どう関係を修復していくのかを描くことは避けて通れないわけで、
そうなると、正典とは逆を行くしかない。

マイナス地点から二人がリスタートする姿を描くことに意義があるんですよね。


モファティスさんたちは、このE1に限らず、シリーズ全体の流れとして、
そこを見せたいんだろうな……と改めて感じたシーンでした。





……あれ、再会シーンの感想だけで、また長くなってしまった(^^;


読みにくい記事にお付き合いいただき、ありがとうございますm(_ _ )m


他の話はまた次回以降に書きます~





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