DVDで、2021年公開の映画「おもいで写真」を鑑賞。

 

自分が写真屋だから、当然、感情移入して見てしまうわけで、ほんと、いい映画でした。

 

お年寄りの中には、ちゃんとした「遺影写真」を撮っていないために、いざ、葬式になった際に、「社員旅行の集合写真を超拡大した、ボケボケの写真しかない」なんてことがよくあるんですが、舞台となる富山県のある役所が、老人福祉策のひとつとして、「遺影を撮りますよ」という企画を発案。

 

多くても、「1日=2件」ということで、「日帰りでいける範囲で、自分の好きな場所に役所の車で連れて行って、写真を撮って、それを額装して渡す」(おそらく無料)という、いたれりつくせりの素晴らしいサービスで、カメラマンを演じる主人公は、若い女性で、もともとメイクの仕事をしていたから、お化粧もやってあげちゃう。

我々、専門家から見た「カメラ技術」はかなりいい加減な面も散見されたけど、とにかく、ハートウォーミングな話で感動でした。

 

普通の、スタジオでのバストアップの遺影ではなく、自分の好きな場所での、笑顔いっぱいの写真を遺影にするのって、すごくいいかもしれませんね。

ところで、今、自分が還暦になって、会社員であれば「定年」という年齢になったので思うのですが、定年前に、自分の仕事場での、一生懸命働いている、元気な笑顔の写真って、残しておきたい気がします。

 

 

ところで、この映画のもう一人の主役の「高良健吾さん」なんですが、この人、好きでして、特に、彼が主演した「横道世之介」という映画が最高なんです。

 

 

この映画の中では、主人公がカメラを持っているシーンがありますが、その機種が、なんと、当時すでにオールドカメラになっていた、「Canon 4sb」なんです。

非常にマニアックなカメラですが、これがなんともカッコイイんです。

そのため、中古で探して買ってしまいました。

実際、フィルムの装填だけで、すごい苦労をする難しいカメラですが、なんともいい味を醸し出すカメラなんです。

 

50mmレンズ一本しか持ってないけど、また、これにフィルムを入れて、セコニックのスタジオデラックスといっしょに外に出て写真撮りたいもんです。