カテゴリ:前立腺がん
◆◆ エクササイズは、進行前立腺がん患者さんの寿命を延ばす! ◆◆
昨今、 エクササイズが、全身的な健康増進のみならず、 前立腺がんの治療に好影響及ぼすことに注目が集まっています。
エクササイズとは、一般的に健康の維持・増進を目的とした運動全般を意味します。 特にこれと指定される運動はなく、幅広い運動に使用される言葉です。
運動の量、強さとがん特異的生存率(がんがある中での生存期間)の相関は、前立腺がんのみならず多くのがんで、認められています。
もし、担がん患者さん(がんを患っている患者さん)が、 身体的に活動的であれば、あらゆる原因の死亡率を下げることは容易に想像できます。 慢性疾患のリスクや進行を抑え、特に心血管系の疾患のリスクを下げ
<ミオカイン> エクササイズによる心肺機能などの向上だけでなく、
ミオカインは1つではありません。 ミオカインは,筋収縮に伴い骨格筋から放出されるサイトカインです。 現在300種類以上のミオカイン候補が同定されています。 このミオカインが、免疫系を整え、慢性炎症を抑え、前立腺がん細胞の増殖抑えるという報告が多くなされています。 ミオカインの効果かどうかはさておいて、 進行前立腺がんの治療において、世界中で今注目されているのは、エクササイズによる治療効果の向上作用です。
前立腺がん治療において、 新規治療が開発され、そのことで治療効果が上がって、長生きすることだけが、目的ではありません。
もちろん治療効果が長続きすることは重要です。
ただし、治療には、副作用がつき物です。 内分泌療法(去勢術)や新規抗アンドロゲン剤(ザイティガやイクスタンジ)は、副作用として、筋肉量の低下と脂肪の増加を、治療開始早期から引き起こします。 前立腺がんは高齢者に多く発症し、高齢者は、この副作用が早期に認められます。 筋力の衰えは、生活の質を落とし、転倒や骨折なども起こしやすくなります。 フレイルという言葉があります。 フレイルは、健康人でも年齢とともに増加し、内分泌療法(去勢術)や新規抗アンドロゲン剤の使用はさらにフレイルを助長します。
進行前立腺がんであっても、治療による延命効果だけではなく、
その一つが、エクササイズです。
エクササイズにより、前立腺がんに対して、治療効果が上がり、生活の質が上がるのであれば、いいことずくめですね。
前立腺がん治療の筋肉脂肪骨への影響や副作用、 治療中のエクササイズの効果について、さまざまな臨床試験が行われています。
エクササイズとして重要なのは、 有酸素運動と負荷運動(筋肉トレーニング)の組み合わせです。
有酸素運動 :軽~中程度の負荷を継続的にかける運動です。 筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことをいいます。
負荷運動(筋肉トレーニング) :筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。
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