本日のテーマ

問題事を起こさない原点

~大きな問題にならないための知恵~】

 

 

国同士の争いは、過去からの因縁(宗教、民族、イデオロギー)や経済的要因、政治的要因によって引き起こされてきました。

 

どうして人同士が殺し合いをすることになるのかは、とても複雑で難しい問題です。
なぜ、そう思うか?
歴史上、戦争をなくすことができなかったからです。

 

特に不思議なのは、平和を指導する立場の宗教が戦争の原因になっていることです。
この矛盾を誰もが気づいているはずなのに、歴史上永く引きずってきました。

この原因はどこにあるのか、そんなことから見つめなければならないのではないでしょうか……。

 

 

もしかしたら、大きな争いになる原因は、大きな理由の前に、小さな理由を解決できないことが火種となっていることがあるのかもしれません。
小さい原因が放置されたまま、繰り返されて感情が爆発するようなことです。
特に過去の民族の弾圧や侵略などが原因で、恨みや持っていた、そんな感情がある時に爆発し、「もう我慢ができない!」と武力を用いる争いに発展してしまうのです。
このように、まずは過去の事に目を向けなければ解決の糸口は見つからないこともあるでしょう。

 

そんな原因を見つけるために役立つ教えがあります。
それが老子(ろうし)の教えです。(『自由訳 老子』新井満 朝日新聞より)



老子 紀元前4世紀ごろ儒教に対して無為自然の道を説いた…

 

――トラブルを解決するには――

 

 世の中の様々なことは
 どのように変化してゆくのか……?
 教えてあげよう
 “天下の大事は、必ず細(さい)よりおこる”
 といってね
 つねに小さなものから始まって
 しだいに大きなものへと
 変化してゆくのだよ
 あるいは、こうも言える
 “天下の難事は、必ず易(い)よりおこる”
 つまり、つねに単純なものから始まって
 しだいに複雑なものへと
 変化してゆくのだよ
 だから大きなトラブルは
 小さなうちに
 片付けておかなければならない
 表面にあらわれてしまってからでは
 遅すぎるのだ
 動き出してしまってからでは
 遅すぎるのだ
 街角のトラブルから
 国同士のトラブルまで、
 病気の早期発見といっしょでね
 だから道に目覚めた政治家は
 小さなぼやが大きな火災に変化する前に
 手を打っておくのだ

 


現代社会で起こる事件や争い、
老子の教えに耳を傾けると、
解決のヒントが見えてくるようです……。

 

 

問題事には原因があるものです。
その原因の最初に目を向けることが大切です。
火種が小さいうちに気づける配慮や思考力を養いたいものです。
老子の教えは、子育て、仕事、人生、そして世界平和に活用したいものです。