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４月３日　パワハラ加害者と被害者それぞれの対応について

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士、採用と労務管理の町医者　吉野正人です。

４月３日　パワハラ加害者と被害者それぞれの対応について

４月３日水曜日。今日は中小企業のパワハラについて書きたい思います。

セクハラ９９件認定された町長、職員８割以上がハラスメント感じたと回答「認定されれば辞職」考えも

読売新聞　2024/02/28 14:25

　岐阜県岐南町の小島英雄町長（７４）による女性職員へのセクハラ疑惑で、調査した弁護士３人の第三者調査委員会が２７日に町に提出した報告書では少なくとも９９件の言動をセクハラ行為とし、パワハラもあったと認定した。町職員の８割以上が他の職員がセクハラ、パワハラに当たるような行為を受けていると感じたと調査に答えており、「即時辞職」を求める厳しい内容となった。

　報告書によると、２０２０年１１月の町長就任以来、町長室や庁舎内などで「頭や尻、手を触る」「背後から抱きつく」「食事に誘う」といった９９件の言動をセクハラ行為と認定した。「胸や尻を触れられた」という被害内容は強制わいせつ罪（当時）に当たる可能性があると指摘。女性町議にも尻を触るなどの行為があったとした。

　パワハラでは、「懲戒」「クビ」「降格」などの言葉で日常的にどう喝があり、差し押さえ情報の漏出といった深刻な違法行為も認められたとしている。

　職員１９３人への調査結果（有効回答１６１人）も公表された。「他の町職員が町長からセクハラ、パワハラに当たる行為を受けていると感じたことがあるか」の問いに、「はい」と答えた男性は８５・０％、女性は８１・４％に上った。

　原因や背景として、〈１〉町長自身の特異な性格・考え方〈２〉町長のハラスメントに対する無自覚、無関心、無理解〈３〉組織対応の機能不全――を挙げた。

　セクハラ疑惑は昨年５月に週刊誌で報じられ、小島町長は当時、一部行為を認めた上で「セクハラの認識はなかった」と説明。その後、町議会が辞職勧告決議案を可決する一方、不信任決議案は否決するなど混乱を招いていた。

　小島町長は「セクハラと認定されれば辞職する」との考えを示しており、２８日の記者会見で態度を明らかにする。※引用終わり。　その後、辞職しました。

社労士実務において、パワハラ相談が増えています。記事のように、加害者はパワハラしていると言う認識が無い事例が多いです。

パワハラは、「被害者の主観」で判断されると思います。決して「加害者の主観」では、この記事のようにパワハラか？否か？は、判断されていないと思います。実際、顧問先におけるパワハラ事例を対応してきましたが、加害者側は、パワハラをしていると言う認識は持っていない事例が非常に多いのが現実だと思います。

この記事において町長自身は、セクハラ・パワハラしていると言う認識を当初から長年持っていなかったようです。中小企業でも、経営者・管理者自身がセクハラ・パワハラしていると自覚していない事例が非常に多いと思います。悲しいかな、私の顧問先でも経営者自身がパワハラしていた事例を知っています。

中小企業において、社労士がパワハラ対応する場合に一番難しいのは、社長によるパワハラです。社長自身、パワハラをしている自覚がないし、私を含む社労士の助言を聴く姿勢が「無い」のが、現実です。耳を傾けない社長に注意・助言しても、嫌がられ、果てには委託解除になりかねない難しさです。

そうは言ってもパワハラ対応をしなければ、会社自身の求人・採用にも影響しかねないと私は思います。実際、パワハラの多い業界は、業界ごと「ブラック業界」という評判が浸透し、求人しても集まらない状況になっていると思います。今やブラックなのか？否か？は、会社レベルではなく、業界レベルで判断されていると思います。

なおパワハラにおける加害者へのパワハラ教育は、時間がかかります。教育をしても即効性は望めないのが現実だと思います。まずは、パワハラ被害者の防御力（例；パワハラに関する言動を、右から左へ受け流す）を高める教育を応急処置として行うことを強くおすすめします。なおパワハラ対応に関する個別相談は、当事務所へ直接お願い致します。