2025.03.24 移籍ニュース2025-26移籍ニュース
ストライカー強化を目論むアーセナルは、イサクの移籍金1億5000万ポンドを払えるのか?

ターゲットといわれる選手のなかで、最も活躍が期待できるのはイサクでしょう。ニューカッスルに移籍してから3シーズンで、プレミアリーグ77試合50ゴール8アシスト。今季は25試合19ゴール5アシストで、ショットコンバージョン26.2%はクリス・ウッドに次ぐ数字です。アーセナルの戦術に対するフィット感も高そうで、イングランドへの適応力を考える必要がありません。
最大のハードルはニューカッスルに売る気がないことで、1億5000万ポンドを積まないと動かないといわれています。獲得しやすさとコストパフォーマンスを重視するなら、スポルティングCPとの間に紳士協定があるといわれるギョケレスがベストでしょう。今季公式戦41試合で40ゴール10アシスト。CLのマンチェスター・シティ戦では、ハットトリックを決めています。
ドリブルとスピードに加えて、豊富な運動量も強みのひとつで、プレスを求められるアーセナルにもうまくはまりそうです。ブライトンとコヴェントリーで4年を過ごしており、ロンドンでの生活に戸惑うことはないでしょう。バイアウト条項に記載されている8400万ポンドは、クラブとの協定によって6300万ポンドまで下がる可能性があると伝えられています。
ギョケレスは26歳、イサクは25歳といわば完成品ですが、21歳のシェシュコは成長力というセールスポイントがあります。若さに加えて、195cmの長身を活かしたヘディングとフィジカルの強さも2人より上でしょう。気になるのは変動制のバイアウト条項と、今季の戦績です。ブンデスリーガで25戦10発は、プレミアリーグで21戦9発のカイ・ハヴェルツに勝るとはいえません。
「スカイスポーツ」のフロリアン・プレッテンベルク記者によると、彼の契約解除金はパフォーマンスによって変わるようで、このままいけば6700万ポンドまで上がる可能性があるそうです。時代と年齢は違いますが、2019-20シーズンにライプツィヒで34戦28発という数字を残し、チェルシーに移籍したティモ・ヴェルナーは4750万ポンドでした。1年前の5530万ポンドなら、納得感はあったのですが…。
ニコラス・ジャクソンに満足していないチェルシー、ホイルンドとザークツィーが空転気味のマン・ユナイテッド、ダルウィン・ヌニェスを売ろうとしているリヴァプールを見ると、プレミアリーグ未経験のストライカーにビッグマネーを投じるのはリスキーに感じられます。割高感があるシェシュコより、フィオレンティーナで覚醒したFWのほうがベターではないでしょうか。
エヴァートンで失敗したモイーズ・キーンは、パリで公式戦41試合17ゴールと結果を出したのですが、ユーヴェで過ごした3シーズンは102試合14ゴールと振るいませんでした。昨年の夏、ヴィオラが支払った移籍金は最大で1500万ポンド。セリエAで26試合15ゴール3アシストという戦績を残せたのは、パッラディーノ監督の信頼を得られたからではないかと思われます。
25歳のストライカーのバイアウト条項は、4400万ポンドといわれています。イサクやギョケレスが無理なら、フィジカルの強さとテクニックを兼ね揃えたイタリア人に目を向けるのが得策でしょう。ちなみにアーセナルは、イサクの移籍金1億5000万ポンドを払えるのでしょうか。答えは「イエス」ですが、ニコ・ウィリアムズとスビメンディも獲るとなるとハイリスクです。
2022-23シーズンに4億6700万ポンドだったアーセナルの総収入は、昨シーズンは6億1600万ポンドに跳ね上がっています。1億5000万ポンドの増益は、アルテタ監督によって優勝候補に復帰した影響が大きかったといえるでしょう。コマーシャル収入が5000万ポンド、マッチデイ収入は3000万ポンド増加しており、CL出場による8040万ポンドのTV放映権料も収益を押し上げています。
「アスレティック」の試算によると、今季の決算で9700万ポンドまでなら損失を出しても大丈夫だそうです。デクラン・ライス、カイ・ハヴェルツ、ユリエン・ティンバーに2億ポンドを投じた昨季の赤字が1800万ポンドなら、生え抜きのスミス・ロウとエンケティアの売却で5000万ポンド以上の純利益を得た今季は黒字で終われるはずです。
アーセナルが気にすべきは、前年から9300万ポンドUPとなった人件費です。総額3億2800万ポンドは、4億を超えているチェルシーやマン・シティより少ないのですが、サカ、ヌワネリ、ルイス=スケリーの契約延長でさらに膨らむでしょう。トーマスとジョルジーニョが抜けたとしても、イサクやスビメンディを高額のサラリーで獲得すると、身動きが取りにくくなります。
つまり、「堅牢な鎧と鋭利な剣は重い」ということ。移籍金がピークに達した完成品に高額サラリーを乗せると売りづらくなり、若手がトップチームに入れなくなって世代交代が遅れるといった弊害が生じたりします。イサクとシェシュコの移籍金はピークになる可能性があり、ギョケレスやモイーズ・キーンは上乗せして売れる余地がありそうともいえるのではないでしょうか。
今回は、「アーセナルはイサクの超高額移籍金を払えるのか」というテーマでお届けする予定だったのですが、いつもながら前説が長く、話が拡散して「アーセナルの経営」のような記事になってしまいました。いいたかったことは、「イサクもいけるけど要注意」「総合的によさそうなのはギョケレス」「モイーズ・キーンも悪くない」の3点です。どうなるか、見てみましょう。
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