何度も性犯罪を繰り返した被告人捕まるまで止められなかったのか?『強姦致傷等』2 | 中年サラリーマンはミタ「裁判傍聴日記」

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刑事裁判を傍聴した、裁判所内での裁判官、検察官、弁護人、被告人、証言人のやり取り。
事件の内容などを、ザックリと書いています。
法律とは無縁の私が書いています。
変な事を書いている場合がありますので、ご了承願います。

名古屋地方裁判所岡崎支部

平成27年5月14日(木)裁判員裁判2日目

302号法廷

強盗強姦、わいせつ略取、監禁、強姦致傷、強姦

被告人(男性31歳)

裁判長(近道暁郎裁判長)

右陪審(女性40代)

左陪審(男性40代)


検察官A(男性40代)

検察官B(男性50代)


弁護人A(男性30代)

弁護人B(男性50代)

裁判員(向かって右から)

A(女性30代)
B(男性60代)
C(女性60代)
D(男性30代)
E(女性60代)
F(男性70代)

 刑事裁判傍聴ノンフィクションブロガーのacceleです。

 この記事は、2日目公判の記事です。
 昨日の初公判に続いて、今日も20分遅刻です。
 道路が混んでおり10時開廷時間に間に合いませんでした。
 傍聴席に着いた時は10時20分です。

 被告人の犯行は更にエスカレートしていきます。
 被害者の心情を察すると、キーボード打つ手も進まないのですが、実際に傍聴した公判の様子を伝えたいと思います。

 色々な立場の方がブログをご覧になっていると思います。
 私のように、被害者になるかもしれない娘がいる方や、それと同時に性犯罪者に成り得る方、または性犯罪のターゲットになる方等様々だと思います。
 ブログの内容を、不快に思われる方もいらっしゃると存じますが現実に行われた事件です。 
 

 Dさんの勇気ある証人尋問からはじまりました。
 証拠調べは、A→B→D→Cの順番です。

D事件Dさん証人尋問

 Dさんが証言台へ入る前に、パーテーションで囲まれて傍聴席からと被告人からは見えない状態になります。

検察官:あなたは平成26年3月25日午後8時10分ごろ、自動車で帰宅した直後に強姦されそうになりましたか?
証人 :はい、車の中に押し込まれました。
検察官:あなたは、どのように押し込まれましたか・
証人 :助手席の足元に押し込まれました。

検察官:それは、豊橋警察署の駐車場で再現してもらった写真を示しますが、このような状態ですか?
証人 :はいそうです。

検察官:犯人は何か言いましたか?
証人 :顔に刃物を突き付けて「殺すぞ」と言われました。
検察官:あなたはそれを聞いてどう思いましたか?
証人 :殺されると思いました。

検察官:他に犯人から何かされましたか?
証人 :持っていたカギ束を盗られました。
検察官:そのカギ束には、何のカギですか?
証人 :自動車、自宅、実家のカギです。

検察官:事件直後はカギ束は無くなっていたのですが、後日車内から見つかりましたか?
証人 :2か月後に彼が洗車してくれた時に、運転席フロアマット下からカギ束見つかりました。
検察官:事件当時カギ束盗られた後、犯人とのやり取りですが何か言われましたか?
証人 :「後ろに行け」と言われました。

検察官:その前にも何かやり取りありませんでしたか?
証人 :犯人に目的は何?と聞きました。
検察官:犯人は何と言いましたか?
証人 :「レイプだ」と言いました。

検察官:あなたは素直にしたがったのですか?
証人 :体が助手席の足元に入った体勢で身動きがとれませんでした。
検察官:犯人から何かされましたか?
証人 :動けない私を引っ張り上げられて後部座席に行かされました。

検察官:後部座席に行かされて、どうしましたか?
証人 :ドアのカギを引いてドアを開けました。
検察官:自動車から出ましたか?
証人 :いいえ、犯人に見つかりドア閉められて「てめ~マジ殺すぞ」と言われました。

検察官:自動車が停めていた場所は広い道路に面していますね。人は通りましたか?
証人 :はい、人影が見えて助けを求めようとしましたが頭を下げさせられました。
検察官:犯人からハサミ突き付けられましたか?
証人 :はい、右手と右手でハサミを奪い合いになり、左手で首を絞められました。

検察官:その時に鼻や顎や首をケガしましたか?
証人 :はい
検察官:犯人に何か言われましたね?
証人 :「マジで殺すぞ。上だからな」「後ろに手を回せ」と言いました。

検察官:あなたは従ったのですか?
証人 :嫌でしたが。。。。(Dさんは事件を思いだして泣いています)


 会話形式を箇条書きにします。
 その後は、ガムテープで手を縛られそうになったが、コートを着ていたり結婚前で髪をのばしていた事もあり、ガムテープが髪に巻き付いたり上手く縛れず犯人は、ハサミでガムテープを切ります。
 しかしこの時Dさんの髪の毛を30~50cm切っています。
 無理やり服を脱がされそうになったが、近くに人が通る気配を感じてドアを開けて「助けてレイプされる」と助けを求めました。
 
 通行人のカップルが気付いて車に近付いて来ました。
 Dさんは叫び続けました。
 犯人は通行人に「こいつ頭おかしい」「関係ないから」などごまかそうとしていました。

 カップルも異変に気付いて、様子を見ていました。
 犯人はさすがにヤバイと思い、車から飛び出して逃げていきました。
 カップルの男性の方が犯人を追いましたが、逃げられたようです。

 カップルの女性へ襲われた話をして、戻って来たカップルの彼氏と一緒に警察に被害届を出しに行き事情聴取に応じました。
 7月4日に被告人が逮捕されるまでは、自宅や車のカギを盗られていたから(2か月後に車内から見つかる)車のナンバーやカギを替えいました。
 自宅にも帰る事が出来ずに、実家に帰る事に事にしました。
 逮捕されるまでの3か月間は、また犯人が来て襲われるのではないかと怯えて生活していた。

 犯人には一生刑務所に入ってもらいたい。
 2度と私の前に現われないで欲しい。
 カギをシートの下へ隠した事実を認めて欲しい。

 
 この事件では、カギ束を被告人がシート下に隠したかどうかが争点になっています。
 被害者は、カギ束をシート下に隠されて、場合によっては後から犯人が車でどこかに移動する時に隠したのではないか?と考えているようです。

 この後の弁護人からの被告人質問では、被告人はカギ束を奪っていないと証言します。
 被告人としては、強盗の罪を加算されるのを防いでいるとも思われますが、A事件B事件で強盗強姦で起訴される事になり、この事件であえて嘘の証言する意味はないのでは?と私は思いましたが真実はどうなんでしょうか?
 

弁護人B→証人尋問

弁護人:被告人があなたに酷い事をして、本当に申し訳ありませんでした。ここにこられて証言されるのもお辛いと思いますが、少しだけお話をさせて下さい。
 カギ束の事をお聞きしますが、はじめはカギは左手に持っていたいたと証言されていたのを、検察官には右手に変えていますが、記憶が曖昧だったのでしょうか?
証人 :後から思い出したら、いつもは右手で持っていたなとそう思ったからです。

弁護人:被告人はカギ束を奪っていないいないと、供述しているのはご存知ですね?
証人 :はい
弁護人:あなたの記憶では、カギを奪われて被告人はカギを隠しているのを見ましたか?
証人 :見ていません。

弁護人:カギを奪われた後の事はあなたは知らないのですね?
証人 :はい

弁護人:これだけ酷い事をしたのですが、賠償金は10万円しかお支払出来ませんと私からお伝えしましたね。
証人 :賠償金が10万円と聞いて余計に腹が立ちました。しかもお金は父親からだと聞いて全く反省していないと思いました。


 この後、裁判所からの証人尋問ですが、裁判員も争点のカギ束を被告人が隠したのか?被害者Dさんの記憶違いなのかの質問です。
 
D事件被告人質問

弁護人A→被告人

弁護人:話を聞いていると思いますが、Dさんは結婚を控えていていました。事件後は引っ越しを余儀なくされたり、自動車のナンバープレートやカギも替える事になり大変なおもいをしました。
被告人:大それた事してしまい、申し訳ないです。
弁護人:事件を起こした3月25日以前にも、Dさんをあなたは見ていますか?
被告人:はい

弁護人:事件の2週間前にスーパーで見ていますか?
被告人:はい
弁護人:その時は、あなたはどうしましたか?
被告人:Dさんの車の後をつけて行き、住んでいる場所が大体分かりました。

弁護人:事件当日の事を聞きますが、Dさんの自宅の近くに自分の車を停めてDさんが帰って来るのを待っていましたか?
被告人:家の場所が大体わかっていましたから、時間も8時くらいに帰ると分かっていたので駐車場で待っていました。
弁護人:そこへDさんが帰宅しましたか?
被告人:はい。

弁護人:隠れていた駐車場にDさんが車を駐車しましたか?
被告人:隠れた場所がDさんの駐車場で、ドアが開くのを待っていました。
弁護人:ドアをDさんが開けましたね。
被告人:開いたドアからDさんを助手席に押し込むように車に乗り込みました。

弁護人:あなたはDさんに何か言いましたか?
被告人:騒ぐな殺すぞと言いました。
弁護人:Dさんを後部座席に移動させたのはどうしてですか?
被告人:強姦するためです。

弁護人:Dさんをガムテープで縛った後、テープをハサミで切ったのはどうしてですか?
被告人:髪が巻き付いて上手く縛れないからハサミで切りました。
弁護人:ハサミは髪を切る目的でしたか?
被告人:いいえ、ガムテープを取るためです。

弁護人:Dさんがドアを開けて助けを求められた時に、人が来ましたか?
被告人:はい
弁護人:それで逃げたのですか?
被告人:もうヤバイと思って逃げました。

弁護人:Dさんの駐車場は大通りにも近くて、車や人の往来も多い場所です。誰かに見つかるかも知れないとは思わなかったのですか?
被告人:この時は、もう捕まってもいいと思っていました。簡単にできるとエスカレートしていました。
弁護人:捕まってもいいと言いましたが、出来たら捕まりたくないから逃げたのではないですか?
被告人:はい、そうです。
弁護人:カギ束の件ですが、あなたは盗った記憶ないですか?
被告人:はい、カギは盗っていません。


検察官→被告人質問

検察官:あなたは、3月24日にもDさんをスーパーで見ていますか?
被告人:はい
検察官:その時Dさんを何分間くらい見ていましたか?
被告人:数10分くらいは見ていました。

検察官:その日にレイプしなった理由はありますか?
被告人:まだ決心がついてなかったのと、車を途中で見失いました。
検察官:決心がついてないとは、レイプする決心の事ですか?
被告人:はい、迷いと言いますか・・・

検察官:翌日には迷いはあったのですか?
被告人:気持ちに変化はなく、強姦したい気持ちでした。
検察官:ビデオカメラを持っていたのはなぜですか?
被告人:行為を撮るつもりでした。


 被告人はこの頃、もう自分では止められないレイプ魔になっていたようです。
 凶器のハサミを使用するようになり、犯行も大胆不敵です。
 D事件では犯行の2週間前にDさんをスーパーで見つけて狙いを付けています。
 ビデオカメラを準備してレイプ行為をビデオに撮る計画を立てています。
 C事件は3月5日と、このD事件の20日前です。
 Dさんは幸いレイプを逃れましたが、Cさんはこの後の証拠調べでわかるのですが最も酷いレイプされ現在も重いPTSDに苦しんでいます。

 被告人は殺人は犯していませんが、殺人にも匹敵する犯罪内容だと私は思います。

5月22日に判決でしたが、判決結果は分かりません。
被害者としては、仮釈なしの無期懲役くらいでないと納得できないと思いました。
C事件の証拠調べは、次回の記事でお伝えします。

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