動脈硬化で詰まってしまった足の血管の手術をして、その傷跡がなかなか癒えなくて、先生、新手な手段に出た(その話はこちら⇒)。その新手の装置を装着して一週間、その後は傷口の再生を促進する薬を毎日塗ってさらに一週間、だがそれも芳しくなく、
先生、傷口を押したり揉んだりして、しげしげと眺めて、
「縫うか」
なに!?
縫うって言った?
「局所麻酔して縫うか」
やっぱり縫うって言ったんだ……
え!?まさか今から?
傷口の消毒をしてガーゼを交換するだけのつもりで来ているのに、
縫うって?あまりに衝撃すぎて……気持ちがついていかない…
「思うように肉がふいてこないから縫った方が治りが早い」
ということで、
「きょくま」局所麻酔のことかな?
「明かり」
看護婦さんたちもバタバタと準備に入る。
僕は、ガーゼを替えてもらうつもりのベッドに横たわったまま、麻酔の注射が打たれるのを歯を食いしばって痛みに耐える体制を整える。
「麻酔するよぉ」
先生にすればきっと何でもないことなのだろうが、こっちはそうはいかない。せめて麻酔の注射の痛さがほどほどでありますように、そのあとは痛みを感じませんようにと神様に祈る。
幸いなことに、麻酔の注射もほとんど痛まず、先生の処置も痛みを感じないままに済んだ。
「少し切って、よく消毒して縫ったから…」
切ったんだ…
30分位かかったかなぁ、先生なにやら入念に処置してくれていた。
僕は、恐くて見ていないが、看護婦さんに聞いたところでは、かなり切ってから縫ったとのこと。
そう聞いただけでもう傷口が痛いような気がする。ジンジンした痛みを感じるし、歩くのにも足をひきづってしまう…。
今度こそ、すんなり治っていってくれますように…。