今回はヨーロッパで深刻な状況になっているコロナウィルスについて、コルシカ島の様子をお伝えしようと思います。



ちょっと長文ですが、ご興味のある方はお付き合いくださいね。




現在の島内の感染者は263人で、北部のバスティアは56人、残りの207人は南部のアジャクシオですが、これはフランスの中では少ない地域に入ります。




コルシカ島はフランス全土の学校閉鎖に先がけて、モンペリエの次に3月12日から島内全学校を閉鎖しました。



その時の感染者数は64人。
北のバスティアは4人だったのに対して、南のアジャクシオは60人。その後2週間で約4倍になりました。



今もアジャクシオの方が圧倒的に感染者数が多く、増え続ける患者に病院では収容しきれず、マルセイユの病院にフェリーで厳重装備で患者を輸送しています。




日本でも報道されている様に、3月17日からフランスは全土で外出禁止令が出ています。そしてそれは少なくとも4月15日までは続くとフランス政府は発表しています。


家から出る場合は、外出許可書を自分で印刷して持参し外出するシステムで、それに反すれば罰金(135€)です。



自分で印刷できるなら良いじゃん、と思われそうですが、外出できる名目が決められていて、好きな様に出られる訳ではありません。



スーパー等に必要最低限の買物の為か介護や病院、健康上の理由の為、仕事がテレワークで出来ない場合、もしくは1人1日一回まで、自宅から1キロ以内で1時間以内の散歩や運動に限られます。



もちろん適当な言い訳は即罰金で、初めはビーチでお散歩やランチをする人や山にハイキング等に行く人が多く。すぐにフランス全土のビーチや山も侵入禁止区域になりました。  



ニース等のビーチではドローンが監視していて、近づいて家に帰りなさいとメッセージを繰り返します。

その映像をニュースを見た時、外に出たらロボットに追いかけられて、シェルターに隠れて暮らすSF映画みたいな世界だなと思った事を覚えています。正にマクロン大統領の言う戦争状態なのだなと。






島の私達の実際の生活ではまず、郵便局も配送会社も全てストップしているので、郵便も荷物も届かない事。外出禁止令が出る少し前からの荷物も未だ一切届きません。


医療がパンクしているので、普通に病院には行けない事。内科も先ずは電話での受診になり、電話が全然繋がらないと。



きっと探せばどこかでは診てもらえるでしょうが、元々病院や専門医が少ない島生活では難しく。歯医者さん等も休みの様です。



マスクはもちろん、消毒ジェルは医療関係者や薬局、スーパーなどが優先なので、私達が手にするのはほぼ不可能です。



そしてインターネットの速度が遅い。

みんなが家に居るので中々繋がらない時があります。



コルシカ島はお庭やバルコニーのあるお家が多く、フランス本土の大都市に比べたら閉塞感は少ないかもしれませんが。



それは、田舎に離れて暮らす高齢者の方々も多いと言う面もあり、外出禁止令で親の面倒が見れず、高齢者が孤立してしまうと言う問題も発生しています。



幸いにもコルシカ島、フランスは人情に溢れていて、近所の人達や市役所の職員、消防士さん達やボランティアの方々が人里離れた高齢者の様子を見に行ったり、薬を届けたりされている様です。






一昨日、フランス政府はドクターや看護士が足りないと、テレビを通じて定年や退職した医療従事者に現場復帰を懇願しました。何年も現場を離れた人でも教えるから来て欲しいと。



そして今日はパリの救急病院が、国を超えてユーロ圏内で患者を割り振りが出来るシステムを一刻も速く認定して欲しい、もう我々は限界だとニュースで訴えています。



医療の最前線に居る、パンクしている状態と闘っているドクター達は、私達を支援したいと思うのならば感染者をこれ以上増やさないで欲しい、ウィルスの接触を極力減らす=家から出ないでと涙ながらに毎日訴えています。


 


今急がれている薬についても、マルセイユのドクターがクロロキンと言う今まで別の症状で使われていた薬が効く可能性があると発表し、フランス全土で試験的に、"条件付き"で使用が開始されましたが。



検証中である為に、効果が確認出来てコロナウィルスに正式に使用が認可されるまでには時間がかかるとの事です。




外出禁止中の状況での家庭内暴力、いわゆるDVも増加しているそうで、電話口等で暗号で助けが呼べる対策も検討されています。これはどこの国でも本当に早急にされるべきです。



そして大規模な経済対策に加え、教育問題(フランスは6月にバカロレア試験があるので)も山積みで、急に押し寄せて来た状況に全ての対応が追いつかないのです。



どこかで私達は中国の様には、イタリアの様にはならないと思っていたからです。そしてこんな状況になってもまだ、ピークは来ていないとの正式発表がされています。





ヨーロッパがこうなるしか無かった経験を、日本や他の国は今から少しでも生かして欲しいなと思います。準備は備品や食料を買い貯める事だけでは無いのです。



上に書いた様な、インターネット環境や郵便、病院や常備薬、離れた高齢者の家族が居る場合等にも出来るだけ早めに備えて欲しいと思います。



外に出られないから何も出来ない訳ではありません。お家の中での楽しみは沢山あります。そんなお篭り準備を始めてみるのも一つの対策になるはずです。






我が家のお話で言えば、私は元々お家時間が好きなタイプなのでストレスは無く。いつも仕事で忙しく、家に居ない事も多い旦那サマと一緒の時間を楽しんでます。



お掃除もしてくれて、3食全部作ってくれて、おやつまで手作りしてくれて本当に有難い!(私は喜ぶ係😆)



春分前には断捨離も終え、書類の整理等もでき、いつも何だか忙しくバタバタしていたのが本を読んだり映画を観たり、いつもより手間のかかるお料理を作ってみたり。



時間があるからこそ出来た色々に心の余裕が出来た気持ちさえします。





そして外出禁止令の出ているヨーロッパの国々では、自宅での引きこもりを楽しむ為のユーモアやアイデアも毎日たくさんSNS等でシェアされていて。



例えば、家のパソコンで海の画像をバックに、水着でカクテル🍸👙を飲んでいたり。


ダイニングテーブルの中央をお菓子の箱で区切り、フライパンで卓球🏓をしていたり。


ものすごくお洒落してディナーに出かけるわよ!💄👛と食卓に着いてみたり😆


スポーツインストラクターが集合住宅の外から、ベランダにしか出られない人達向けにヨガのクラスをしていたり。



どんな状況でも楽しみを見つけられるメンタルはとても大切だと感じます🍀





写真は新年明けのバスティアから。



外出禁止令が出て居なくても、冬のコルシカ島はこんな感じです。





私はこの観光時期以外での、地元ならではの静けさも好きですが、初めていらっしゃる方は是非夏に☺︎






早く世界中を自由に旅行できる世の中に戻る事を祈ってます。



皆様、ご自愛くださいませ🌸







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