夏の大仕事も一段落で。

中々更新できないうちに外の気配が何やら秋めいて参りました。
…とは言え、日中はまだまだ暑いのですが。

この夏も、生徒さんのコンクールで近畿圏内だけでなく遠方まで
飛び回っておりました。
しかし1週間で4本のコンクールの帯同は初めての経験でしたが。
伴奏のF先生とM先生にも連日お付き合い頂きありがとうございました。

生徒さんも1週間の間に2本以上の本番を迎えるのは
中々大変な事だったかと思います。
しかしレッスンや自宅での練習の中で基礎を積み重ねる事を
ずっとやって来た事は本番で決して裏切りません。
アクシデントがあっても、どんな事があっても集中を切る事無く
いつも通りのレッスンでやって来た事と同じ事を
本番でも笑顔でこなして心を伝える事ができたと思います。
いつも通りの事をこなして来た生徒さんたちはどなたも
本番の講評でも審査員の先生方からとても良い言葉を頂き
欠点のない良い点数を頂けたと思います。
これは彼女たちのこれからを後押ししてくれるものだと信じています。
あるコンクールでの参加者の半分が同じ学校で審査員も同じ学校の教員、良い演奏をした他校の生徒の成績が一様に低く、基礎ができていない拙い演奏にも関わらず金賞の半分以上をその学校の学生が独占という結果。
一人の審査員だけ審査の講評も出せず…には少しもやっとする気持ちが残りますが
演奏家としての意見、演奏家として未来の演奏家の卵たちに向ける
言葉も出せない方に審査を依頼するという事は考え直して欲しいと思います。
そしてその点数と客席に届いた演奏の評価は全く違うものです。
身びいきを抜きにして、1位の評価の生徒さんより客席の温度が上がる
音と言葉と音楽と心が客席に確かに伝わる演奏でした。
そしてあるコンクールでの80歳を超えた参加者の方の
それまでの人生が窺えるような、技術を超えた心が伝わる
素晴らしい演奏にも出会う事ができました。

ただ大きな声を、高い音を出せばいいのではありません。
その音楽は作曲者から何を託されたのか
自分の身体という楽器をどのように使って
頭と心もフルに使って客席に伝える事ができるのか
楽譜に書かれた一音、一語までが自分の血肉として
声だけでなく目からも指先からも皮膚からも
全てが伝わって行く事ができるのか本当に染み込んでいくまで
何度も何度も繰り返し繰り返し練習して欲しいと思います。
次の本選、ファイナル進出を決めた生徒さんたち
本当におめでとうございます。
まだまだこれから、気を緩めずに頑張って行きましょう。