「絵師 日々の言霊」 後藤 仁 〈10〉 | 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画・絵本便り

後藤 仁(GOTO JIN)の日本画・絵本便り

後藤仁ブログ2~絵師(日本画家・絵本画家、天井画・金唐革紙)後藤仁の日本画・絵本・展覧会便り。東京藝大日本画卒,後藤純男門下。「アジア/日本の美人画」をテーマに描く。東京藝大,東京造形大講師。金唐革紙製作技術保持。日本美術家連盟,絵本学会,日中文化交流協会会員。

 私は日本画・絵本原画制作の合間合間に、日々思った事・見付けた事などを、Facebook・Twitterでつぶやきます。これは、その続編〈10〉になります。
 一絵師のたわいもない独白は、いい加減で無責任な言葉にしか過ぎません。しかしその行間に、芸術家の真実が垣間見えるかも知れません。荒削りで不器用な絵師の言葉の中から、”真実の言霊”を見出していただけましたら光栄です。

 今回は、「大垣祭り・中町 布袋軕」天井画 制作報告や既にまとめた長文を除く、
中国向け新作絵本〈第3弾〉制作過程、新型コロナウイルスワクチン接種 等の記事をまとめています。
 「大垣祭り・天井画」と「新作絵本」も、ますます作画が進んでいます。この後も、乞うご期待~❣

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、 后藤 仁(中国語)

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2021年8月17日

 本日は、松戸市の「新型コロナウイルスワクチン」(1回目)を接種しました。接種は誠に順調に素早く進行し、注射時の痛みは全くなく、針を刺した事が分からない位でした。献血の針の方が、わずかな痛みを感じますね~。接種後6時間余りが経過し、ほんのわずかに注射部分周辺の張り感があり、体温は36.8度位まで上がったり、少し下がったりしていますが、今の所、全く問題はありません。
 50歳代の私にも、ようやくワクチン接種の番が回って来ましたが、若い人ほど接種が遅くなるという現状では、感染はまだまだ広がる懸念がありますね・・・。

 私は、比較的健康体で、あまり病気にもならないので、普段、インフルエンザの予防接種等は受けません。幼少期のワクチン接種以降、大人になってからは、大学3年生の時(1995年)の「インドネシア(ジャワ島・バリ島)写生旅行」の際に、当時、インドネシアでコレラが大流行りしていたので、その時に、コレラのワクチン接種をした経験の一度きりです。
 今回、病院嫌いである私がワクチン接種をする理由は、コロナが全国的・世界的に猛威を振るっている上、来年以降、海外取材・展覧会企画旅行等をする時の為の備えという、自己理由もあります。しかし、それ以上に、私は普段、多くのご年配の方々等に”絵(日本画)”を教えている立場上、他者に感染をさせる恐れを最小限に抑えたい、また、苦難に立ち向かわれている医療関係者や飲食店関係者等のご負担を、ワクチン接種により少しでも和らげられるなら・・・、という思いによる所が大きいです。
 今後、多くの若い人達もワクチン接種を受けられて、日本・世界の社会・経済・文化が好転する事を、ただただ祈っております。
 

8月18日

 本日、先月28日から描いていた、
中国向け新作絵本〈第3弾〉「第3場面」”下図”を完成させ、念紙(ねんし/転写用の和紙)で本紙(雲肌麻紙)に転写しました。
 大作の
大垣祭り「天井画」と並行して制作しているので、なかなか、はかどりませんが、確実に前進はしています。今回も、前作の新作絵本〈第2弾〉(出版はまだ先になる模様)に続き、この世の者とも思えぬ、絶世の美女を描いています。出来うるならば、前よりも更に、美的な表現を模索しつつ・・・。
 中国の国情も刻々と変化し、一筋縄ではいかない様相です。しかし、本当に良い物は、国境や人種・民族・信条を越え、必ず多くの皆様に喜んでいただけるものと信じて、創作の手だけは緩める事なく、ひたすら、この画道を歩み続けたいです。

           *

 松戸市「新型コロナウイルスワクチン」(1回目)接種後・経過報告の続きです。
 昨日の午前中に接種した後、8時間位経過すると、注射部分周辺が少しだけ痛くなり始めました。ハチに刺された痛みをずっと弱めたような感じで、その部分に物が当たると少し傷みます。
 今朝、目覚めると、少しだけ頭痛がありましたが、大したものではありません。注射部分周辺は、見た目は変化ありませんが、やはり少しの痛みがあります。弱めの筋肉痛のような感じで、手を上げると、少し傷みます。体温は36.1度位で普通でした。
 昼位になると、体温が37度位まで上がりましたが、倦怠感などは、ほぼありません。頭痛はおさまってきました。
 夕方の今も同じ感じで、体温は高めで、腕のわずかな痛みは残っていますが、それ以外は特に変化はありません。明日になると、ほぼ平常通りになりそうな状態です・・・。
 2回目接種後は副反応が重くなると言いますので、断言はできませんが、これで、新型コロナウイルスへの感染が抑制されるのなら、素晴らしい事ですね~💕


8月19日

 私の作画絵本
『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)”在庫僅少”になってしまっています・・・。アマゾン Amazonでは、新品や中古品が定価より高く設定されて売られていますよ~。 ( ;∀;)ノ 
 私の高学年向けの渋めな「絵本」など、元より、大した量は売れない定めなのです。そんな中でも有難い事に、読みたい方々が、せっかく大勢いらっしゃるのに、作品が行き渡らないのは、大問題です。岩波書店さん、早め早めの増刷を、お願いいたします。 <(_ _)>

○岩波書店公式サイト ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』

https://www.iwanami.co.jp/book/b254895.html

○アマゾン Amazon ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』
https://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1-%E5%90%9B%E5%B3%B6-%E4%B9%85%E5%AD%90/dp/4001112426/

絵本『犬になった王子(チベットの民話)』表紙
絵本『犬になった王子 チベットの民話』 (君島久子 文、後藤 仁 絵/岩波書店) 表紙


8月20日

 本日は、
中国向け新作絵本〈第3弾〉「第3場面」”骨描き(こつがき/墨による最初の線描)”をして、胡粉(ごふん/貝殻から作られる、白色の絵の具)の地塗りをしています。この丁寧な下地作りが、日本画では重要な工程になるのです。私は通常、胡粉は、薄く二度塗りします。
 今、一度塗りの後、乾かしている所で、この後、二度塗り目をほどこそうと思います。
 だんだんと、美しい王朝絵巻が浮かび上がってきますよ~。😘


8月22日

 スタジオジブリ・アニメーション映画「もののけ姫」のテレビ再放送にからんで、このようなサイトでも、「シュナの旅」(宮崎 駿)や、チベット民話「犬になった王子」と拙作絵本
『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)について語られています。

○ジブリのせかい ─ 『もののけ姫』を宮崎駿監督が解説!

https://ghibli.jpn.org/report/qa-mononoke/

○ピクシブ百科事典 ─ ヤックル
https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%A4%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AB


8月23日

 本日は、
中国向け新作絵本〈第3弾〉「第3場面」下地塗りとして、黄土色と青系の色の2色を塗り分けました。通常は基本色の黄土色で下地塗りをする場合が多いのですが、場面によっては例外もあります。


9月4日

 中国の、WeChat 微信/知乎 「高性价比的艺术留学(費用対効果の高いアート留学)」という記事には、世界中の代表的な芸術大学・美術大学がまとめられています。
 その中の、日本「东京艺术大学(東京藝術大学)」では、村上 隆さん(世界的 現代アーティスト)、小田部羊一さん(宮崎 駿さんの先輩アニメーター、スーパーマリオのキャラクターデザイン等を手掛ける)、李 叔同さん(中国の著名な詩人・禅僧・教育者)、坂本龙一さん(坂本龍一/日本を代表する音楽家)と共に、光栄な事に、私・后藤 仁(後藤 仁)も紹介されています。


https://mp.weixin.qq.com/s?__biz=Mzg2NzUxNTMwNA==&mid=2247494819&idx=1&sn=fb9c20174057b0ed61d21f3b2c265f4a&chksm=ceb8c264f9cf4b728316413053148b0d55bb79928341cc63acf330778ee737b8ddd2840b6851&scene=178&cur_album_id=1576042972037578755#rd

https://zhuanlan.zhihu.com/p/397244046


9月8日

 昨日の午前中、松戸市の「新型コロナウイルスワクチン」(2回目)を接種しました。これで多分、ある程度の抗体ができて、多くの人々に”絵”を教えたりする立場上も、少しは安心材料になります。
 昨日の注射時は、わずかにチクリとしましたが、痛いという程ではありませんでした。夕方~夜には、左手を挙げると、注射部分にわずかな痛みがある程度で、体温は36.9度位と少し高めな以外は、大きな体調変化はありませんでした。
 今日も、朝から37.0度と体温が少し高めで、腕の痛みが少しある以外は、さほど変化はありません。ただ、夜中の4時頃に一旦、目覚めた時に、異様な寒気を感じましたが、これが副反応かどうかは分かりません。昼過ぎ~現在も、体温が37.0~37.3度位と少し高めで、何となく一日中、眠たい気もしますが、副反応と言える程の著しい体調変化はありません。明日になると、日常と全く変わらなくなりそうですね~。
 今回は、頭痛(軽度)が無い分、1回目の接種後より、私は楽な気がします。人によって違いがあるのでしょうから、個人個人の体質・考え方次第ですが、これで日本の、世界の、コロナ禍のリスクを軽減できるのなら、とても良い事でしょう。

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 先日、千葉県柏市居酒屋「庄や」の前で、通行人に声を掛けながら、スタッフが弁当を一生懸命に売っていました。私も一つ、購入~🍙 ❣
 今の時代、画家稼業も誠に厳しい時代となりましたが、飲食店も、これまた、とても大変です・・・。私は東京藝術大学卒業後、「金唐革紙(国選定保存技術、手製高級壁紙)」の仕事を本格再開するまでの1年半位の間、茨城県取手市「庄や」でバイトをしていました。日中、絵(日本画)を制作し、週に3日・1日8時間位、居酒屋で夜間働いていました。親の財力・人脈でも無い限りは、”絵”(売り絵)だけで食べていくのは、昔も今も実に困難なのです。

 私は当時、体力があり、手が器用で素早いので、週末のパントリー(飲み物を作る所)を一人で任せられ、私よりパントリーをこなせる人がいないという事で、あまり嬉しくも無いのですが、「パントリスト」というニックネームを付けられました・・・。そんな経験もあり、今の飲食業界(特に居酒屋・酒屋 等)の大変さが少しは分かるのです・・・。また、バイトが無くなった地方出身の大学生等は、さぞ厳しい環境だろうと、とても心配しています。
 私は貧乏画家の宿命で、今まで、美術・絵画関係(日本画、絵本画、金唐革紙、大学講師・絵画教室講師 等)以外にも、全く絵とは関係ない、様々な種類の職業(30種類以上)を経験してきました。
 ただ、一見、”美術”とは直接結びつかない余計に思える経験なのですが、これらの多くの経験が、様々な社会的立場・地位の人々への理解を深める事に繋がり、「日本画」や「絵本」の創作に間接的に役立っているのではなかろうかと、今では、良くとらえています。また少なくとも、画家以前に、人間的な成長には影響しているのではないかとも思います。