ただ 背中を優しく、、、 | 今日のしっぽ村

今日のしっぽ村

東日本大震災を機に発足した犬猫保護団体。
2019年台風19号で被災した犬猫保護施設。

能登半島地震災害支援活動へのご支援をお願い申し上げます。

今日、ソダシと最後のお別れをしました。


命と向き合う現場では、避けては通れないことなんだと感じてます。


別れは辛くて残念なことですが、

避けて通らないと決めているから

これから先も心を尽くして向き合います。





ソダシは保護された時から

猫エイズウイルス感染症(FIV)に罹患していた

猫でしたが



それまで暮らした環境でも、たくましく生きてきた雄猫でした。


しっぽ村施設のFIVキャリア猫部屋が満員だったため、一時預かりボランティア様宅で過ごしてきた時間に、人とのふれあいの心地良さを経験することができました。




しっぽ村に来てからも


環境の変化に戸惑いはあったものの






変わる環境の

保護下においても、






家猫としてデビュー出来る日を望み






やはり、たくましく生きてきました

(チャップさん。そこ、ボクの場所だニャ)



そんな

ソダシが体調を崩したのが顕著になってきた


昨年末、しっぽ村でも様子が気になる一頭として

可能な限りのケアに臨みました




年始を待って、受診・検査へ。





思われたとおり、結果は良いものではありませんでした。



保護中の犬猫たち、

体調に波が大きいのは

猫エイズ・白血病(及びその両方に)罹患している猫たち。


しっぽ村でのキャリア猫は常時

25頭


ソダシも

その中で特に処置対応が必要な6頭に入ってきました。



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ソダシのために

私たちが どう向き合うことが出来るだろう。


ソダシの場合に限らず、犬猫保護活動現場では

常にあり、その命に関わる想いが激しく交錯してきたケース



今夜は私たちしっぽ村理事でもある

田村獣医師(秋川どうぶつ病院)と



ソダシとの想いの交わりをお届けさせていただきます。


苦しみの中にあり、辛いだろうと思える子がいる時、

そこから救ってあげたいと思えるから

温もり。


立場的にも、対峙する状況にもおいても

その行為が叶わないから葛藤。



そんな時は


ただ 背中を優しく、、、



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勤務先の病院で

さぁこれから手術に入ろうとする時、

しっぽ村からの電話。


何事かと思って電話に出ると、

保護猫のソダシくんに

手術が必要かもしれないだって!?





状況からも莫大な治療費はかかりそうだけど、

原因が分かれば対処し元気を取り戻すことが出来るかもしれない。



ソダシくんの入院が始まりましたが





腎臓の数値も極めて悪く、レントゲン撮影からは、腹膜炎所見、腹水、消化管の鬱滞と色々とありすぎて、、、原因を探ることさえ困難な感じでした。





入院中、ソダシくんの顔を見るたびに、名前を呼ぶ度に返事をしてくれたり




口を拭くとゴロゴロ言ってくれたり、



満身創痍でも

懸命に生きる姿に、心を動かされる事がたくさんありました




動物はいつでも健気で、純粋なんですよね





私の体力や睡眠時間が削られようが、関係ない!それでソダシくんが1日でも長く生きれるなら、なるべく苦しくないよう、生かしてあげたい!



反面、しっぽ村の犬猫保護活動に8年間関わる身として、飼い主のいない保護猫に治療をしていくのは、こちらのエゴなのかもしれないり

と思うことさえもありました。




しかし、

このままでは

ソダシくんに残された時間が短いことは

動物の医療に携わる私から診ても明らかでした。



改善のための処置をとった次の日、

腎臓の数値や脱水の改善がみられ

しっぽ村に報告、

可能性的にも今の状態なら間に合うかもしれない。

承諾を得た後、

手術のリスクは承知の上で

一般診療終了後の夜に開腹



膿のような腹水の細胞数が10万以上



消化管穿孔を疑って試験開腹、穿孔は見つからず。




浮腫んでペラペラの消化管、じんわり血管から出血も




お腹洗浄後、腹水が術後も抜けるようにドレーンを設置





手術のリスクはもちろんあるけれど、まだ細菌性腹膜炎や、消化管腫瘍による閉塞や穿孔の処置が出来た場合、功を奏すれば延命も期待できる

戦える状態。



念のため腹水の検査に出したFIPV(猫伝染性腹膜炎ウイルス)という結果をみて、愕然。



相手は強力なウイルスである。




どんどん貧血や黄疸もすすむ中、対症療法ではあるけれど輸血も開始



動物救急センターでの夜勤で

見れない日は、カメラで点滴止まってないか、呼吸してるか、確認。



よしよし、生きてる。




気が気じゃない。






退院後も点滴治療は継続するも




神経症状、発作が出始めたとのこと。





(仕事の合間を縫って、連日ソダシを診に来てくださった田村先生)




もう生きれる時間は

少ないと察しました。


なるべく発作を抑えられるように、静脈から皮下から、お尻から、抗痙攣薬を使うことに。



ソダシくんが亡くなる前日は、病院の診療も長引いていて、ソダシくんの最期に会えるのが遅くなってしまいました。

(0:50分)



発作も少し落ち着き、

今日の始業時間も近いため、

ソダシくんの背中を撫で帰宅

(午前3:00)



最後会ったとき、ソダシくんは横たわっていて、意識はほぼありませんでした。



それでも、最後に声をかけたとき、

耳をピクピクっとして、瞳孔がちょっと動いて、反応してくれたように見えた。





ソダシくん、短い期間だったけど、田村のこと覚えてくれてたのかなぁ、ソダシくんに出会えて私は嬉しかったよ、ありがとう、


一生忘れないよ




辛くても生きることを諦めない命。

全力を尽くしてソダシくんに関われたことに感謝します。




たくさんの方から応援される命




ソダシくんのためにたくさんの人が動いてくれたね




本当にありがとうございました




ソダシくんはどうだろう、幸せだったかな





強靭なサラブレッドの名前と同じだと聞きました。

本当にソダシという名前がぴったりの猫ちゃん

ソダチとか、ソシダとか、秋川(どうぶつ病院)のスタッフ

みんな名前間違えててごめんね




天国で、たくさん走り回ってね。



田村


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ソダシの回復を願い

応援くださった皆様

ありがとうございます。



ソダシ

本当に頑張りました。



思うように動けず、汚れてしまった

身体を清め

最後のお別れ式に向かいます




雪よりも白く、

空へ昇ります。



どうか、彼の

冥福をお祈りください。




しっぽ村