だから必死に飛び続けるがそれでもダメな時はある(東京港野鳥公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

この日は午前中に東京港野鳥公園を訪問。

緊急事態宣言期間中は長らく休園の続いていた公園ですが

今回の期間は一部制限を設けつつもちゃんと開園していました。

 

ちょうど秋の渡りのシーズンの「頭」に引っかかったような感じで

シギ・チドリを狙ってみます。コロナ云々に関係なく、

最近他に訪問する所が増えてしまったこともあるので

訪れるのは本当に久しぶりだったりします。

 

 

 

 

 

干潟に目を向ければ、大量のカニが。

(写真はアシハラガニです)

彼等がいるからこそ、都会の海である東京湾が

シギ・チドリの飛来地として成り立っていると言えます。

 

 

 

 

 

センター地下の「がたがたウォーク」で遭遇した

かなり大型のトビハゼです。

顔つきといい、陸を這い回れる水陸両用な面といい、

この魚こそ「カエルウオ」と呼ぶに相応しい気がしないでもない……。

 

 

 

 

 

期待していたシギ・チドリについては

少将悪天候だったためかあるいは時期が早過ぎたのか

期待していたほどは観察できませんでした。

アオアシシギが数羽確認できたのみです。

 

が、それとは別にかなりレアな鳥が出現したという情報が

園のWebサイトに掲載されていました。

……どうしようか? この連休中にもう一回出直そうかなぁ……。

 

 

 

 

 

森の中を移動。直前まで雨が降っていたため

足下が大分濡れていてコンディションはよろしくありません。

(というかここのところコンディションが良いことがない)

 

 

 

 

 

園内の端っこに位置する前浜干潟

東京湾らしく、奥には大量のコンテナが見えますが

手前に目を向ければサギやカワウがズラリ……。

時季がマッチすればシギ・チドリも来るのですが

この時はイソシギしか確認できませんでした。残念。

 

 

 

 

 

カワセミの若鳥。意外なことに干潟に現れました。

 

 

 

 

 

 

あまり好ましくない新顔です。

リュウキュウツヤハナムグリといい、

名前の通り沖縄方面から移入してきた地域性外来種。

船による搬入が多い東京港周辺だけに

こういう昆虫が入ってくるのは致し方ないのかもしれません。

 

遭遇率・・・2 (あまり率が上がらないことを願う)

インパクト・・・3 (この色艶なのでよく目立つ)

美しさ・・・4 (美しさだけは一級品なのですが……)

俊敏性・・・3

知名度・・・2 (最近移入したからか図鑑に載っていないことも)

 

……意外とただのカナブンってことはないだろうか?(爆)

もしそうでしたらそっと教えてくださいませ。<(_ _)>

 

 

 

 

 

 

ツクツクホウシの

……そんだけです。(;^_^A

まあ、あまり素手で捕まえる機会のないセミではありますが。

 

 

 

 

 

 

ハラビロカマキリを数個体見かけました。

写真は、珍しい成熟した褐色体(左)と、

あと少しで成虫という若い個体(右)。

ちなみに今のところ、噂の外来種「ムネアカハラビロカマキリ」には

まだ幸運にも遭遇したことはありません。

 

 

 

 

 

濡れた木柵を歩き回るカネタタキ

出る昆虫も秋らしくなってきた気がします。

 

 

 

 

 

ナントカは高い所が好き……といいます(爆)

何てことのないアオバハゴロモなのですが

ちょっと面白い所にとまっています。

 

 

 

 

 

クローズアップするとこんな感じ。

顔をよく見ると、セミやウンカの仲間であることが

よくわかるかと思われます。また、翅の脈もなかなか多めです。

 

どこにでも普通にいる昆虫ではありますが

色々と見る角度や距離を変えてみると

不思議と愛着が沸いてきます。

 

 

 

 

 

最後にちょっとだけ怖い(?)話を。

秋口になってきますと、飛びながら吸蜜することで有名な

スズメガの仲間 ホシホウジャクが各公園に出始めます。

 

彼等は基本的に止まることなく、ホバリング(空中停止)しながら

食事を行うのですが、なぜそうするのだろうか?

もちろん諸説ありますが、個人的に勝手な見解を述べるとするなら

花で待ち構えている天敵に捕まらないようにするためではないかと。

 

この日見た個体もホバリング型の吸蜜を行っていましたが

よく見れば左側の葉の裏で餌食になっている個体も……。

位置的に、向こう側を向いた花で蜜を吸っている間に

葉の裏の死角からカマキリに襲われたのではないでしょうか。

 

どの昆虫も何かしらの天敵対策をしてはいますが

捕獲する側もそれに対する「対策」は常に講じているもの。

100%確実に回避できる策というのは存在しないのでしょう。

 

 

 

 

午後は、昨年も出かけた六郷土手に出かけました。

長くなりますので、そちらはまた後日お送りします。

 

 

 

 

【9/5 東京港野鳥公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオアシシギ、アオサギ、イソシギ、カワウ、カルガモ、カワセミ、コサギ、ダイサギ、ハクセキレイ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、アオバハゴロモ、アカボシゴマダラ、アシナガバエ、ウリハムシ、オオスズメバチ、オンブバッタ、カネタタキ、ツクツクホウシ、ツユムシ、ハラビロカマキリ、ホシホウジャク、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ、リュウキュウツヤハナムグリ

その他・・・アカミミガメ、アシハラガニ、トビハゼ、フナムシ、ヤマトオサガニ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年10月17日(日)に開催いたします。

 行先は「長浜公園~八景島~海の公園」でございます。

 (シーサイドラインに乗って移動します)

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。