お台場の花と昆虫事情をご報告(国際展示場駅~東京テレポート駅) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

仕事でビッグサイトの展示会に用がありましたため

この日はお台場に出かけました。

国際展示場駅前には新しい花壇ができており

わかりやすいオブジェが設置されています。

 

実際、が多数観賞できるようになっておりますので

ビッグサイトにお出かけされるのであれば

ぜひ中を見ていただきたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

なだらかな高低差を設けた中に

自然な雰囲気で多彩な花が咲くのが特徴。

右写真の奥に見えるのは「ゆりかもめ」のレールです。

 

 

 

 

 

花を観賞しながら休憩できるベンチもあるのですが

昨今の情勢を考慮してか、今は使用できません。

花を見て回るだけなら特に制限はありませんのでご安心を。

 

こういう花が増えてくると、吸蜜のために訪れる

昆虫の数・種類も自ずと増えていくもの。

もちろん都会の中の都会なので、

武蔵野原風景ゾーンのような珍種は期待できませんが

それでも国際展示場駅~東京テレポート駅を歩くだけでも

思った以上に色々な昆虫が観察できました。

 

 

 

 

 

一番多いのはやはりイチモンジセセリ

都心部でもごく普通に見られる

普通種の中の普通種です。

ヤマトシジミとどっちが普通種かは微妙……。

 

 

 

 

 

アキアカネもそこそこ来ていました。

肉食昆虫であるトンボが訪れるということは

当然餌となる昆虫が多いということになります。

 

 

 

 

 

ただ、海際だからなのかもしれませんが

例の外来種 クロマダラソテツシジミも現れました。

後述するウラナミシジミに比べればまだ少なかったですが

今後どう推移していくのか気になりますね……。

 

 

 

 

 

作業中。自然な雰囲気の庭を愛する人は多いですが

この雰囲気を維持するにはそれなりに手が掛かります……。

 

 

 

 

 

花壇内に大株のハギ(萩)を発見。

成虫の吸蜜源としても、幼虫の食草としても、

ウラナミシジミにとっては貴重な存在です。

 

 

 

 

 

ジニアペンタスなどの「夏花」を中心とした花壇。

暑さに強くて花期が長いので多くの花壇で採用されていますが

いずれも蜜源としても優秀な植物です。

 

 

 

 

 

 

アオスジアゲハ(左)やホシホウジャク(右)など

ちょっと大型の昆虫も蜜を求めて飛来します。

それぞれ幼虫の食草はクスノキとヘクソカズラですが

いずれもお台場で見られる植物なので、

後はこうした蜜源さえあれば十分に生きていけるようです。

 

 

 

 

 

センニチコウで吸蜜する、お馴染みのウラナミシジミ

こうして見ればクロマダラソテツシジミとの差は明らかですが

初見時にはうっかり誤認する人もいる……かもしれない。

 

この先晩秋まで長い付き合いになりますが

ちょっと前には真冬の伊豆半島で見かけたことも……

まあ、暖かい地方では割とよくある話らしいです。

 

 

 

 

 

一方で、上記のクロマダラソテツシジミと同様

気になる外来種 キマダラカメムシも幾つか見かけました。

彼らはサクラの幹などに口吻を差して樹液を吸うらしく

それだけに街路樹の多い都会でも増えやすいようです。

 

クロマダラryはともかく、本種は花粉を媒介せず

樹勢を弱らせるだけで恐らく「害」にしかならないので

そろそろ駆除対象として目の敵にされそうな予感……。

 

 

 

 

 

 

 

東京テレポート駅近辺の花壇。

「TOKYO LOVE」の花文字が目を惹きます。

 

 

 

 

 

植物で高低差を設けた、駅前の花壇。

 

 

 

 

 

色とりどりの葉を楽しむコリウス

やや背の高いセンニチコウで構成された花壇。

本来は、先日終了したTOKYO2020を見据えて

会場を訪れる人を花でおもてなしするために

こうした多彩な花壇を設けていたようです。

(お台場には各種競技会場やメディアセンターがあった)

 

あいにくTOKYO2020は無観客開催となりましたため

多くの人が花を目にする結果にはなりませんでしたが

終了後も依然として花壇は残されており、

かつてのお台場よりも一層華やかなムードとなりました。

また、上記の通り昆虫にも蜜源を提供しており

いわゆる生物多様性の向上にも繋がっています。

 

きっかけはTOKYO2020ですが、そこがゴールではなく

この先もお台場は花のある街として続いていきます。

 

 

 

 

 

休憩中のモンキチョウです。

 

この日、国際展示場駅~東京テレポート駅を約40分かけて歩き

観察できた昆虫はアオスジアゲハ、アキアカネ、イチモンジセセリ、

ウラナミシジミ、キマダラカメムシ、クロマダラソテツシジミ、

ホシホウジャク、モンキチョウ、モンシロチョウの9種類でした。

 

これを「そんなもんか」と採るか「意外と多い」と採るか……

意見が分かれるかもしれませんが、私は後者です。

 

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年10月17日(日)に開催いたします。

 行先は「長浜公園~八景島~海の公園」でございます。

 (シーサイドラインに乗って移動します)

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。