バードウォッチングの練習にちょうど良い7の理由(泉の森&ふれあいの森) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

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雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

昨年3月に講座「首都圏生きものめぐり」でも

足を運んだ泉の森&ふれあいの森

今年の3月(2022年度の最後)の講座でも

急遽行先を変更し、こちらに行くこととしました。

 

本日お送りする記録は1月上旬のものであり

講座の時と違ってカタクリなどの山野草も

まだ全く咲いていませんでしたが

野鳥はそれなりに観察することができました。

そちらの記録を中心に、この泉の森というスポットが

如何に初心者のバードウォッチングに適しているかを

7つの理由から解説させていただければと思います。

 

 

 

 

 

 

1.適度な広さの開けた水場がある

その名の通り大きな池を有する泉の森には

冬、ヒドリガモなど多くのカモが飛来します。

なおかつこの池が、極端に大きくはないというのも重要。

コンパクトデジカメでも十分鮮明に撮れるくらい

鳥との距離が近くなるため、水鳥をきれいに撮る練習に適しています。

水鳥の種類もそれなりに豊富ですしね。

 

 

 

 

 

 

2.小鳥が広範囲に多数分布している

基本的にベテラン級のバードウォッチャーは

特定の鳥を撮影するために何十分・何時間も

同じ場所(定点)で鳥が来るのを待ちます。

なるべく多彩な鳥を撮ることにそこまで重きを置かないため

移動する必要がありません。が、初心者にとっては

この「待ち時間」というのが結構苦痛だったりします。

 

泉の森の場合、そこまでレアな鳥が出現することはない一方

ふれあいの森と合わせて広範囲にバランスよく鳥が分布しているため

定点観察よりも歩き回った方が成果が挙がりやすくなります。

当然風景もめくるめく変わっていきますので

お子さん連れであっても退屈させずに楽しめるかもしれません。

 

ついでに、水場と森がバランスよく分布しているのもメリット。

小川をチェックすればキセキレイ(左)やセグロセキレイ

林縁部にはジョウビタキ(右)などの野山の鳥が

それなりの確率で見られます。

 

 

 

 

 

 

鳥たちのエサとなる、小さな実のなる木も豊富。

この日もキジバト(左)やヤマガラ(右)などの

食事シーンを見かけています。ヤマガラやシジュウカラは

木の洞などに食料を「溜める」シーンが見られることも。

 

ただ、この日はキジバトの方が印象に残りました。

あの体格の割に意外と身軽なんだな、と(爆)

 

 

 

 

 

3.至近距離で鳥を撮影しやすい

水鳥に関してのみでなく、アオジ(写真)などの小鳥も

かなり近くに来てくれることがあります。

舞岡公園のように、立ち入りできないサンクチュアリが

ある程度の面積確保されている場合、鳥の母数は増えますが

サンクチュアリの奥の方に入ってしまうことが多く

意外と近距離で撮影する機会は少なかったりします。

 

泉の森にも立入禁止の区域は確かにありますが

それ以外の人が普通に通る場所にも

食事となる木の実などがあるためか

驚くほど近いところに来てくれることもしばしば。

ゆえに鮮明に撮影することも難しくはありませんし

鳥を脅かさないようにするノウハウなども

実体験を通じて身につけることができます。

 

ちなみにこのアオジ、歴代の写真の中でも

トップクラスの良い写りとなっております。

 

 

 

 

 

撮影しにくい小鳥の代名詞ともいえるエナガ

ちょこまか動き回りますが、この日は母数が多く

おかげで近くに来た個体をそれなりに鮮明に撮れました。

 

 

 

 

 

水浴びをする個体もいくつか見られました。

ほか、ヒヨドリもここの水場を利用していました。

気まぐれであちこち移動してしまう小鳥も

こういう水浴び場では長時間滞在することが多いため

初心者でもそれなりに綺麗に撮るチャンスがあるのです。

(上の写真はあまり鮮明ではないですが、まあご愛敬)

 

 

 

 

 

4.カワセミの出現率が高い

最近では数が増えてきたものの、ベテランから初心者まで

依然として多くのバードウォッチャーを魅了するカワセミ

首都圏でもいくつかコンスタントに観察できる場所はありますが

高確率で、なおかつ最も近距離で撮れるチャンスがある場所となると

自分の知る限りではこの泉の森が一番かと思います。

 

出現率が高い分、食事シーンなども

観察・撮影できるチャンスがあります。

 

 

 

 

 

 

5.売店やトイレが充実している

直接的に「鳥」とは関係ないかもしれませんが

長時間歩きまわるにあたって、軽食や菓子を買えたり

行きたい時にトイレに行けるというのはありがたいものです。

(ただし森の中にはそうした施設はないので注意)

隣接する古民家ではよく和菓子の販売もしており

安価ながらなかなか美味なので、ぜひご賞味ください。

 

 

 

 

 

 

6.鳥以外にも見所がある

鳥の数は多く、遭遇率も高いのは確かですが

相手は野生生物だけに「出ない」ということもあり得ます。

その場合でも、泉の森&ふれあいの森には

カタクリやミスミソウを始めとした山野草や

クリスマスローズの群落などありますため

そちらの観察・撮影で時間を潰すこともできます。

 

無論、鳥が全く撮れず花を観賞するしかないということは

今のところ一度もないので大丈夫だとは思いますが……。

(雨が降っても、池の水鳥は基本的に撮れるので)

 

 

 

 

 

成虫越冬するムラサキツバメ

暖かかったからか、活動を再開していました。

春~秋は昆虫の出現率もそれなりに高いので

探してみるのもいいでしょう。

 

 

 

 

 

7.駅からのアクセスがよい

大和駅からふれあいの森まではほぼ真っ直ぐで

距離もそれほどではない(10分くらい?)ため、

アクセスしやすいというのも嬉しいポイントです。

加えて、中に入ってからもアップダウンがあまりなく

森の奥に入らない限りは悪路ということもないので

鳥を探し歩いても疲れにくいスポットと言えます。

 

以上の理由から、バードウォッチングの基礎を身につけるのに

最適な場所であろうと判断し(ついでに山野草も多数見られます)

昨年度に続き、来月3/19(日)の講座でもここに行きたいと思います。

興味をお持ちいただけましたら、ぜひご参加くださいませ。

(お申込はこちらからどうぞ)

 

 

 

 

 

【1/9 泉の森で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、アオジ、エナガ、オオバン、オナガ、カルガモ、カワセミ、キジバト、キセキレイ、キンクロハジロ、コガモ、コゲラ、シジュウカラ、ジョウビタキ、ツグミ、ハクセキレイ、バン、ヒドリガモ、ヒヨドリ、メジロ、ヤマガラ、ワカケホンセイインコ

昆虫類・・・ムラサキツバメ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年2月19日(日)に開催いたします。

 行先は「浮間公園&戸田市内の水場」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。

 

 

【お終いに】

当方が現在主宰しております自然散策講座「首都圏生きものめぐり」ならびに更新中のブログ「首都圏生きものめぐり」は、当方の現在の勤務先(雇用形態は業務委託です)の発行物、店舗での営業内容、Instagram等でのSNSでの発信内容、および各種活動とは一切関係しておりません。また、当方の自然感や政治・文化的な主義主張もまた必ずしも勤務先のそれと一致するものではありません。

当方勤務先のあらゆる事業・活動内容につきまして、「首都圏生きものめぐり」主宰者としては一切お答えしかねますので、あらかじめご了承ください。また、特定の政治的・文化的な価値観の押しつけやそれに関連する各種活動への勧誘等は、従来どおり、本講座におきましては一切いたしませんことを、ここに明記させていただきます。

今後とも「首都圏生きものめぐり」を何卒よろしくお願いいたします。