2月中旬、仕事の合間に訪問した
不忍池(上野恩賜公園)です。
いつも行っている場所ではありますが
無料で行ける都会の水場となりますと
ここが一番広くアクセスしやすいんですよね……。
(浮間公園でもいいが、こちらの方が広い)
ユリカモメは、果たしていつ頃まで残ってくれるのか?
(今冬の飛来数も例年とほぼ同じみたいです)
刈れた蓮を刈り取ってくださる皆さん。
人海戦術の手作業で丁寧にやられていますので
傍から見ているととにかく大変そうです……。
この方たちが毎年作業をされているからこそ
夏、美しい蓮の花を楽しめているのです。
ボート乗り場のすぐ近く、浮島の上に
眠っているゴイサギの姿が。
写真は成鳥ですが、この他にも別の所で
幼鳥の姿も確認しております。
相変わらず一番多いのはキンクロハジロ(左)。
次点としてホシハジロも多数観察できました。
右は、銚子漁港ではおなじみのセグロカモメ。
毎年そうなのですが、ユリカモメの集団の中に
よく「1羽だけ」混じっています。
(つまり数は少ないですが定番の鳥です)
ユリカモメとは明らかにフォルムが違いますので
識別するのは非常に簡単。銚子漁港のカモメ類も
これくらい容易に見分けられればどんだけ楽か……orz
さて、不忍池を歩いていると
写真のような四角い「マス」を
よく見かけるのではないかと思います。
この写真には枠組みしか写っていませんが……↓
こちらは植物が大分成長し
カモたちが何羽か羽を休めています。
これらは「ビオトープ浮島」といいまして
前にも紹介したかもしれませんが
産官学連携でつくっている生きものの棲み処です。
間伐材と竹材(←多分これも間伐で生じたもの)を使って
枠組みを作り、植生袋を取り付けて水生植物を植え付け
植物の成長した状態が上記のものになります。
こうした植物は小動物の隠れ場所になるほか
水質の改善にもつながる効果があるのだとか。
水面下では魚などが卵を産むことも期待できるので
キンクロハジロなどはこれを目当てにして
毎年のようにあれだけ大群で飛来するのかもしれません。
無論、単なる足場としても有効。
いずれも岸辺近くに配置されていますので、
水鳥を間近で観察・撮影するにはちょうどよかったりします。
まあ、左はアオサギ、右はオナガガモといった具合に
そんなに珍しいものが撮れるわけではありませんが
小さなビオトープが、それなりに大きな鳥に役立っていることが
ハッキリと見て取れるので、ぜひ一度はチェックしていただきたいところです。
間近で撮れると、こういう部分も
クローズアップすることができます。
オオバンの足鰭です。微妙にキモいですが
寒いので膨らんでいます。
(今冬は例年より冷えた感がある)
すべっています(笑)
落ちそうになって慌てて羽ばたいているのが秀逸。
他にも止まり木はあるのに
何故そんな斜めった看板の上にいるのかと気になりましたが
案外「すべり台」しているだけだったのかもしれません。
カワセミも、ここ数年コンスタントに出ています。
彼らはほぼ通年で現われる留鳥であり
季節を問わず、不忍池を一周している間に
高確率で一度は鳴き声を耳にします。
上記のビオトープ浮島によるところも
もしかしたら大きいかもしれません。
昼食はじゃがバターのみです。
(安価ですが結構お腹に溜まります)
バターはつけ放題で、
辛子味噌などをトッピングすることもできます。
土日は不忍池に屋台が出ているため
コンビニや外食に頼る必要がなく助かります。
その後は、上野恩賜公園の中も散策しました。
寺社境内ではこの時、ようやくウメが見頃に。
ほか、カンザクラも見頃を迎えており、
ウメだけでなく、こちらにもメジロが食事に来ていました(右)。
で、コイツも食事に来ていました。
花を喰うな花を。
ただ、見た目が美しいので
日本人・インバウンドを問わず多くの方が
食事中の姿を写真に撮っていました。
ちなみにこの湾曲した太いくちばしのため
メジロやヒヨドリのように蜜だけ吸うことはできません。
とは言え、こうやって花を千切らざるを得ないのは
スズメなんかもやっていることだったりするので
インコだけが害を及ぼしているわけではなかったりします。
なお、上野恩賜公園内は人が非常に多いこともあり
野鳥観察に適したスポットとは言い難かったりします。
(鳥の母数自体もあまり多くないですし)
バーダーも不忍池周辺ではそれなりに見かけますが
こちらで三脚を担いでいる人などはまずいません。
ただ、近くの寺社仏閣や墓所なども含めて
この界隈の緑地面積はかなり広いです。
公園から北へ向かい、日暮里駅辺りまで向かうと
ちょっとした「自然散策」を楽しめることでしょう。
おっと、谷中霊園近くを歩いている途中
上空にハイタカ(若)が現れました。
こういうことがあるので、周囲が住宅街でも
最近では上空に常に気を配っています。
さて、ハイタカを始めとした猛禽類が定着するには
獲物となる生きものが多くいる必要があります。
とは言え、都会の猛禽類はハトを主に狩る傾向があるため
猛禽が出たからと言って、それだけで目撃地点周辺の
自然度が高いとは言い切れなかったりします。
ただし猛禽だけでなく、例えばメジロやシジュウカラなど
小鳥にまで視野を広げてみると話は違ってきます。
最近はこうした小鳥も東京周辺で多く見られ
彼らは、人が人のために植栽したウメやサクラ
あるいはそこに集まる小さな虫などを糧としており
さらに猛禽やカラスがそれを狙って……という
非常に大きな食う・食われるの関係が成り立っています。
それに加え、公園・緑地からビルのオープンスペースまで
色々な場所に人間以外の生物の棲み処が存在しているのです。
そう考えると、上野恩賜公園周辺はおろか
東京という町全体が巨大なビオトープに
なっているようにも感じられます。
その後、安立院でしだれ梅を観賞し……
(インバウンドの方が熱心に写真撮影されていました)
日暮里駅まで歩きました。
この日の散策はここまでです。
珍しい鳥に会えるかどうかは別として
東京ならではの緑地を知るには丁度いいコース。
近日中に「首都圏生きものめぐり」の講座のコースに
入れてみても面白いかもしれない……と検討中です。
【2/15 上野恩賜公園~谷中霊園で撮影した生きもの】
鳥類・・・アオサギ、オオバン、オナガ、オナガガモ、カワウ、カワセミ、キジバト、キンクロハジロ、コサギ、シジュウカラ、セグロカモメ、ハイタカ、ヒヨドリ、ホシハジロ、ムクドリ、メジロ、ユリカモメ、ワカケホンセイインコ
その他・・・アカミミガメ
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2024年度のプログラムはこちらをご参照ください。
(毎月、第3日曜日に開催しております)
★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は
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