冬の冷たい風が身に染みるようになってきました。
コロナ禍で、近隣の横浜アリーナは、静かになっていましたが、少しずつ人の数も増えているように思われます。
早く、ファン層で講演アーチストが判明する元の活気にあふれる横浜アリーナに戻って欲しいです。
さて、今回は、被後見人の遺言作成をした事例の紹介です。
被後見人は、通常、遺言能力すら認められないため、遺言を作成することはできないのですが、私が担当した被後見人(以下「本人」という。)は、多少の失見当識はあるものの、認知症ではなく、高次脳機能障害で要介護5となり、後見対象となった方です。
海外旅行中に脳溢血で倒れ、現地で入院しましたが、その海外の病院でいわゆる「胃婁」となり、そのままコロナ禍に、日本の病院に運ばれ入院しました。その病院のメディカルソーシャルワーカー(MSW)から、本人に従兄弟は居れど、相続人がいないこともあり、後見人依頼が私にありました。
当初は、失見当識がひどかったのですが、驚くべき程の回復をみせ、自宅の電話番号だけでなく、自分の携帯電話の番号も、スラスラ出てくるほどになりました。
その後、主治医の判断で退院が決まり、本人の強い希望もあり、自宅で生活することとなったのですが、本当に自宅で生活のめどが立つのか、主治医、理学療法士、作業療法士、MSW、施設の介護士、訪問看護師、ケアプラザの職員、後見人等、12名が本人の自宅に実況見分に向かい検討した結果、自宅での生活が認められました。
そこで、退院後、独居老人として万が一のことも考慮し、主治医や看護師の勧めもあり、退院前の遺言作成となり、本人も納得しました。
被後見人の遺言作成には、民法973条にあるように、医師2名以上が立ち会うことが前提ですが、主治医と院長先生の2人に「本人は事理弁識能力を欠く状態ではなかった」旨を確認のうえ立ち会ってもらえ、そして、公証人に病院まで来てもらい、遺言が完成した次第です。
相続人がいないため、本人が残した財産の行方が気がかりでしたが、ある団体へ5割寄付、残りを従兄弟たちに均等に遺贈するという内容となり、私が遺言執行者となることに。
私が後見人に就任した際には、本人死亡後、「相続人不存在から特別縁故者への財産分与」という手間暇のかかる手続きを考えていたのが、今回の遺言作成で、その迂遠な方法は不要となり、気がかりが無くなってホッとしています。
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